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進路調査
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最近ずっと青海くんの元気がない。
話しかけても上の空だったり、ぼんやりとしていることが多い。
最初は私と居るのが気まずいのかと思っていたが、真実と一緒にいる時もその様だったのでどうやら違うようだった。
相変わらずお買い物には付き合ってくれたし一緒に夕飯の準備はしてくれた。
……どうしたんだろう……
物凄く気にはなっていたが、なかなか聞けずにいた。
そんな最中に何度目かの進路調査が行われた。
配られたプリントに希望の進路を記入して教師に提出する方式のものだった。
私は将来これといってしたいことなどはなく、取り敢えず兄の真実が継ぐであろう会社に入り真実を支えようと思っていた。
真実は他にやりたい事が出来るまではそれでもいいと言ってくれていたので大学に進学し、何かに役立ちそうな事を勉強したいと思っていたのでそう記入した。
私は昔から何をしても平均的である。
特に不得意なことも無ければ得意なこともない。
全てにおいて平均的……なんとなくそれはつまらないような気がしていた。
兄の真実は昔から会社経営に関する事を学べる大学に進学すると言っていた。
青海くんはどうするんだろう……?
2つ前の席に座る青海くんの後ろ姿を見つめる。
プリント用紙と向き合った青海くんは何やら考え込んでいたが時間ギリギリになって何かを書き込んでいた。
……何って書いたんだろう?
私は一番後ろの席だったので最後に前の列のプリントを回収することになっている。
終業5分前に前列の生徒のプリントを回収していく。
順番に回収して行くと、青海くんがプリントを私に渡してくれた。
「書けた?」
回収する時にこそっと聞くと青海くんは困ったような顔で笑う。
「うん、まあ……」
私はこっそり青海くんのプリントを覗き込む。
青海くん、就職なんだ……
てっきり進学するとばかり思っていた。
少し驚いているとそんな私に気づく。
「オレ……別にやりたいこととかないしさ。おじさん達に迷惑も掛けたくないから就職するよ。……早くひとりで生きていけるようにしたいしさ」
そう言いながら笑った。
青海くんは夏前からアルバイトを始めていた。
何か欲しいものでもあるのかと思っていたが……
「いつまでもおじさん達に甘えてられないし……」
そう言った青海くんはいつのまにか大人びた表情をしていた。
やりたい事が見つからない私はとりあえず大学進学する、対して青海くんはやりたい事が無いから就職すると言った。
……私って親に甘えすぎだろうか……
ぼんやりとそう思いながらプリントを回収して教師に渡した。
★
「透就職するのか?」
夕飯どきに真実が青海くんに聞いていた。
「うん、おじさんたちにいつまでも養ってもらうわけにはいかないし、高校出してくれるだけでも感謝しなきゃ。おじさん達が引き取ってくれなかったら高校だって行けてなかっただろうし……」
青海くんの返事に真実はほんの少しガッカリしたようだった。
「どうせなら後五年俺が早く産まれてたらな……そしたら俺の会社にお前を入れてやれたのに……」
青海くんは少しだけ楽しげに笑った。
「真実が作る会社ならきっといい会社になるんだろうねえ……」
真実はニヤリと笑う。
「まあさ、透の働き先が無くなったらいつでも雇ってやれるように頑張るから、いつか一緒に働こうぜ?」
青海くんは一瞬泣きそうな顔をした。
「……そんな未来が来るといいな……」
そうして青海くんはお茶の入ったグラスに視線を落とした。
そんな青海くんを心配そうに見つめる真実。
青海くんはボソボソっと話を続ける。
「オレさ、別に将来なりたいものとかやりたいこととか何にもないんだよね。……だから今この瞬間に突然死んだとしても何の後悔もないし、思い残すこともないんだ。それなのに将来って言われてもピンとこなくて……漠然と……生きてるんだろうなあとは思うけど……」
青海くんは 重いため息をついた。
「オレ……どうしたいんだろう……」
そう言ってしばらくグラスを見つめたまま動かなくなる青海くん。
真実は何を考えてるのか、少しの間青海くんを見つめていた。
「それならさ、俺のヨメに来いよ。それか俺専属のメイドか……秘書にでもなるか?」
真実が明るい声を出して笑った。
「何だよそれ、オレ男だよ?」
青海くんは困ったように、でもやっと笑ってくれた。
私は内心ギクリとしながらも青海くんの笑顔を見れてホッとしていた。
そうして真実をちょびっと睨む。
真実ったら……青海くんが好きだからってとんでもない事を言い出したな。
真実が青海くんをお嫁にすることやメイドにすること、秘書にすることなど……青海くんを独り占めしようと実は本当に考えてるのではないだろうか?
……それとも私に発破をかけているのか?
早くしないなら青海くんを自分のものにする……真実にそう言われた気がした。
真実と視線がぶつかる。
目が合った瞬間ふっと笑った真実……
「な?だからそんなに難しく考えるなって。とにかく毎日楽しく暮らしていればそのうちやりたい事が見つかるって!」
真実はそう言いながら青海くんの頬を両手でつねったりして戯れ始めた。
「んっ!シンジったらやめてよっ!」
青海くんは笑いながら真実に仕返しをしようと頑張っている。
2人が戯れているのを見て安心した私はホッとしながら夕飯の片付けを始めた。
「水野さんオレやるよっ!」
青海くんがお皿洗いを引き受けてくれ、その隣で真実が食器を拭く。
私はそんな2人の後ろで食卓を拭き……そんな感じで穏やかに時間は過ぎていく。
3人で過ごす時間は私はとても好きだなあと思っていた。
話しかけても上の空だったり、ぼんやりとしていることが多い。
最初は私と居るのが気まずいのかと思っていたが、真実と一緒にいる時もその様だったのでどうやら違うようだった。
相変わらずお買い物には付き合ってくれたし一緒に夕飯の準備はしてくれた。
……どうしたんだろう……
物凄く気にはなっていたが、なかなか聞けずにいた。
そんな最中に何度目かの進路調査が行われた。
配られたプリントに希望の進路を記入して教師に提出する方式のものだった。
私は将来これといってしたいことなどはなく、取り敢えず兄の真実が継ぐであろう会社に入り真実を支えようと思っていた。
真実は他にやりたい事が出来るまではそれでもいいと言ってくれていたので大学に進学し、何かに役立ちそうな事を勉強したいと思っていたのでそう記入した。
私は昔から何をしても平均的である。
特に不得意なことも無ければ得意なこともない。
全てにおいて平均的……なんとなくそれはつまらないような気がしていた。
兄の真実は昔から会社経営に関する事を学べる大学に進学すると言っていた。
青海くんはどうするんだろう……?
2つ前の席に座る青海くんの後ろ姿を見つめる。
プリント用紙と向き合った青海くんは何やら考え込んでいたが時間ギリギリになって何かを書き込んでいた。
……何って書いたんだろう?
私は一番後ろの席だったので最後に前の列のプリントを回収することになっている。
終業5分前に前列の生徒のプリントを回収していく。
順番に回収して行くと、青海くんがプリントを私に渡してくれた。
「書けた?」
回収する時にこそっと聞くと青海くんは困ったような顔で笑う。
「うん、まあ……」
私はこっそり青海くんのプリントを覗き込む。
青海くん、就職なんだ……
てっきり進学するとばかり思っていた。
少し驚いているとそんな私に気づく。
「オレ……別にやりたいこととかないしさ。おじさん達に迷惑も掛けたくないから就職するよ。……早くひとりで生きていけるようにしたいしさ」
そう言いながら笑った。
青海くんは夏前からアルバイトを始めていた。
何か欲しいものでもあるのかと思っていたが……
「いつまでもおじさん達に甘えてられないし……」
そう言った青海くんはいつのまにか大人びた表情をしていた。
やりたい事が見つからない私はとりあえず大学進学する、対して青海くんはやりたい事が無いから就職すると言った。
……私って親に甘えすぎだろうか……
ぼんやりとそう思いながらプリントを回収して教師に渡した。
★
「透就職するのか?」
夕飯どきに真実が青海くんに聞いていた。
「うん、おじさんたちにいつまでも養ってもらうわけにはいかないし、高校出してくれるだけでも感謝しなきゃ。おじさん達が引き取ってくれなかったら高校だって行けてなかっただろうし……」
青海くんの返事に真実はほんの少しガッカリしたようだった。
「どうせなら後五年俺が早く産まれてたらな……そしたら俺の会社にお前を入れてやれたのに……」
青海くんは少しだけ楽しげに笑った。
「真実が作る会社ならきっといい会社になるんだろうねえ……」
真実はニヤリと笑う。
「まあさ、透の働き先が無くなったらいつでも雇ってやれるように頑張るから、いつか一緒に働こうぜ?」
青海くんは一瞬泣きそうな顔をした。
「……そんな未来が来るといいな……」
そうして青海くんはお茶の入ったグラスに視線を落とした。
そんな青海くんを心配そうに見つめる真実。
青海くんはボソボソっと話を続ける。
「オレさ、別に将来なりたいものとかやりたいこととか何にもないんだよね。……だから今この瞬間に突然死んだとしても何の後悔もないし、思い残すこともないんだ。それなのに将来って言われてもピンとこなくて……漠然と……生きてるんだろうなあとは思うけど……」
青海くんは 重いため息をついた。
「オレ……どうしたいんだろう……」
そう言ってしばらくグラスを見つめたまま動かなくなる青海くん。
真実は何を考えてるのか、少しの間青海くんを見つめていた。
「それならさ、俺のヨメに来いよ。それか俺専属のメイドか……秘書にでもなるか?」
真実が明るい声を出して笑った。
「何だよそれ、オレ男だよ?」
青海くんは困ったように、でもやっと笑ってくれた。
私は内心ギクリとしながらも青海くんの笑顔を見れてホッとしていた。
そうして真実をちょびっと睨む。
真実ったら……青海くんが好きだからってとんでもない事を言い出したな。
真実が青海くんをお嫁にすることやメイドにすること、秘書にすることなど……青海くんを独り占めしようと実は本当に考えてるのではないだろうか?
……それとも私に発破をかけているのか?
早くしないなら青海くんを自分のものにする……真実にそう言われた気がした。
真実と視線がぶつかる。
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「な?だからそんなに難しく考えるなって。とにかく毎日楽しく暮らしていればそのうちやりたい事が見つかるって!」
真実はそう言いながら青海くんの頬を両手でつねったりして戯れ始めた。
「んっ!シンジったらやめてよっ!」
青海くんは笑いながら真実に仕返しをしようと頑張っている。
2人が戯れているのを見て安心した私はホッとしながら夕飯の片付けを始めた。
「水野さんオレやるよっ!」
青海くんがお皿洗いを引き受けてくれ、その隣で真実が食器を拭く。
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