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バイトバイトバイトで…
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「泉、さっき透風呂上がってたから今なら空いてるぞ」
そろそろお風呂に入ろうとしていたら真実にそう言われた。
「透もう帰って来てたの?」
嬉しくなってそう聞き返すと真実が笑う。
「嬉しそうだな。透疲れてるみたいだったから早く風呂入って部屋に行けば少しは構ってもらえるんじゃないか?」
そう言いながら真実はペットボトルに入った水を飲み干した。
透がこの時間に帰ってくるのは久しぶりだ。
今日は絶対一緒にこの前貰ったゼリーを食べたい。
それから少しでもいいから一緒にいられたらいいな……
密かにそう思う。
……透疲れてるんなら寝ちゃうかな?
お風呂に入る前に部屋に行った方がいいだろうか?
迷っていると更に真実が話しかけてくる。
「どうせ透の部屋に行くなら風呂入って行った方がいいぞ。お前今日汗かいただろ。透に臭いって思われるぞ?それに風呂済んでたらそのまま一緒に寝てたっていいんだし」
そんな事を言われ、迷わずお風呂に直行した。
急いで着替えを持って脱衣所に入る。
……あれ?
洗濯機の上に透の部屋着が置かれているのに気づく。
真実は透はお風呂もう出たって言ってたし……透疲れちゃって忘れて行ったのかな?
お風呂から出たら持っていってあげよう。
これで透の部屋に遊びに行く理由ができた。
そう思いながら服を脱ぐ。
下着を脱いで、髪を纏めていると不意に浴室から水音が響いた。
……えっ?!
「んっ、ヤバイ寝ちゃってた!海くんごめんすぐ出るから!」
曇りガラス越しに人影が現れ、ガラス戸が空いた。
中から慌てたように出て来たのは……
「いずみっ!?」
透だった。
驚いて透を見つめる。
透は入浴中だったので当然全裸だった。
私も入浴しようとしていたので当然全裸だ。
透は驚いたように私を見つめて固まっていた。
透と見つめ合いながら、なにも考えられずに固まってしまう。
真っ赤になった透は私を見つめて……
……ぼんやりと真実の楽しそうな声を思い出す。
……いつになく私の入浴を勧めてきた真実。
……真実に嵌められたようだ……
「……あのっ、真実がっ……今ならお風呂空いてるって……着替えがあったけど……忘れていったのかと思って……」
パニクりながらそう言い、透から視線を外らせようとして……気づいてしまった。
細身の透の肩からお腹周りについている傷痕や火傷の痕……お腹から下半身にかけての手術痕……の透の……
……大人の男の人の身体だ……
気づいてしまって全身の血が沸くように熱くなって行くのに気がつく。
そして透のそこから目が離せなくなっていた。
……私この前……触っちゃったんだ……
今更ながらものすごく恥ずかしくなる。
……すごく熱くって……
勝手に思い出してしまい心臓がドキドキと脈打ち始める。
その間にも透の視線を感じていた。
……今の自分の状況を思い出す。
髪を纏めようとしていたため両手を耳元にやって、胸を突き出すような格好になっている。
……全裸である。
……!!
「ゴメンっ!!」
いち早く動いたのは透だった。
透が思い出したようにボクサータイプのパンツを素早く履いたと思ったら、着替えを掴んで脱衣所を走り出ていった。
……透身体拭いてない……
そう思いながらも透の身体が変化して行く過程を見てしまった衝撃に心を奪われていた。
……透もやっぱり男の人なんだなあ……
脳裏に焼き付いてしまったようで透の身体の事をつい考えてしまう。
……あんな風になるんだ……
知識としては知っていた。
しかし実際に見ると……しかも好きな人のを……
ドキドキが収まらずにそのまま脱衣所でしばらくじっとしていた。
やがてふっと透の使っているシャンプーの匂いに気づき、ゆっくり深呼吸する。
……真実ったら……
真実に騙されたのは悔しいが、でもなんだか嫌な気分ではなかった。
……あんなの……私の中に入るのかな……
透の身体を思い出してしまってお腹の奥の方が疼く。
目を閉じると透の身体を思い出してしまい、同時に恥ずかしくなる。
……透となら……早くそうなりたいな……
そう思いながら透の入っていた浴室に入る。
★
眠ろうと目を閉じると透の事を思い出してしまう。
結局一晩中悶々としてしまい、明け方眠るのを諦めた私はキッチンに立つ。
まあ今日は学校もお休みだし、眠くなっても困らない。
透は今日も一日バイトだと言っていたのでせめて……
甘い卵焼きにミートボール、ウインナーをタコさんにして……
透のお弁当と朝食を作ってしまうことにした。
冷ましたご飯に梅干しと焼きシャケを入れてそっと握る。
……透が今日1日怪我なくバイトを終えられますように。
おにぎりを作り終えた頃に何処かの部屋のドアが閉まる音がした。
程なくして階段を降りてくる足音。
まだ6時前……真実だろうか?
真実だったら昨日の文句を一つくらい言いたかった。
キッチンのドアを見つめる。
入ってきたのは……透だった。
「いずみっ……おはよう」
少し赤くなった透が困ったように微笑む。
「透、昨日はごめんなさいっ」
そう謝ると透は首を振る。
「いや、あれ真実に騙されたんでしょ、泉は悪くないよ。……それにすごく……綺麗だったし……」
ぼそっとそう言いながら照れたように透は笑う。
透の笑顔を見れてホッとしながら作ったばかりのお弁当を透に渡す。
「これ……昨日のお詫びに……今日もバイトでしょ?……良かったら……食べて?」
透は驚いたような顔をしたがすぐに嬉しそうに笑ってくれた。
「ありがとう、いいの??オレ……なんか得しちゃってるな……」
お弁当を鞄にしまった透が私を見つめる。
「泉……本当にありがとう。オレ泉が好きだよっ」
そう言われてとても嬉しくなる。
……なんかいろいろ順番が逆になってしまったが、でも誰がなんと言おうと私は透が好きだ。
……透を見上げると透も私を見つめていた。
……透に……もっと近づきたいなあ。
そう思っていたら透にそっと肩を触られ、抱き寄せられた。
「……透……好きっ」
「うん……オレもだよ……」
透の顔が近づいてきたので目を閉じる。
ドキドキしながら目を閉じているとそっと透の唇が私の唇に触れた。
……大好きっ!!
それがどのくらいの時間だったのかはわからない。
ゆっくりと離れていく透の顔……離れてしまう寂しさを感じながら私は透の背に腕を回して抱きしめる。
透もそっと私を抱きしめてくれた。
……すごく……幸せだ
透の胸に顔を押しつけて思い切り深呼吸する。
透の匂いと胸の温もり……
「……離したくないな……」
少し笑いの混じった、困ったような透の声。
「……一緒にいようね」
私はもう一度透に抱きつく。
何処かの部屋のドアが開く音がして、透はそっと私を離した。
「じゃあ、行ってくるね」
優しく微笑んでくれた透の背を見送る。
軽快に階段を降りてくるのは真実だった。
「真実、行ってくるね」
透の声を聞きながら真実に最初に言う一言を思いつけずにいた。
「ああ、気をつけて行ってこいよ」
真実は玄関まで透を見送ったようで、そのあとキッチンにくる。
「おはよう泉、今朝は早いな」
何も無かったかのように話しかけてくる真実。
……まあ正直文句は……無いかなあ……
……透のことは全然嫌じゃなかった。
……かと言ってラッキーだとも思えなかったが……
……うーん……
色々考えていると真実は思い出したように悪戯っ子のような笑みを浮かべた。
「昨日はどうだった?透の……見たんだろう?」
「……!!」
真実の言葉を理解した瞬間顔がかあっと赤くなってしまう。
何も言えずに真実の顔を睨む。
「まあ泉も今後のことを考えると事前準備ぐらいは必要だろ?突然透に迫られて、拒否なんてしたら透トラウマになっちまうかもしれないしな」
悪びれもせずに真実はそんな事を言い出した。
「っ!!」
そのままいいように揶揄われるのかと思ったのだが……
「透の身体見ただろう?アイツ……身体だけじゃなく、心のほうにまだダメージ残ってる。タバコを押し付けられた痕は陰部の方にもあったし……」
真実はいつの間にかに真剣な眼差しで私を見ていた。
「お前に言うのは今も迷ってるんだが、透……去年まで自慰行為したことがなかったみたいだ。普通の男だったら中学頃にはもうやってるのに……」
……そんな事を言い始めた真実に驚きながら話を聞く。
「去年……お前の胸見て興奮した透に……俺が教えた。一応男としての機能は多分生きてる筈だ。だから後はお前が……」
真実はそっと私の肩に触れた。
「出来る事ならお前が透を幸せにしてやってくれ…………の代わりに……」
最後の方は聞き取れなかったがおそらく透の亡くなった本当のご両親や義理のご両親の代わりにと言ったんだと思う。
真実は日課のランニングに行くようだ。
ペットボトルを冷蔵庫から取り出すとそのまま出て行ってしまった。
私はぼんやりと今きいた話をゆっくり反芻していた。
そろそろお風呂に入ろうとしていたら真実にそう言われた。
「透もう帰って来てたの?」
嬉しくなってそう聞き返すと真実が笑う。
「嬉しそうだな。透疲れてるみたいだったから早く風呂入って部屋に行けば少しは構ってもらえるんじゃないか?」
そう言いながら真実はペットボトルに入った水を飲み干した。
透がこの時間に帰ってくるのは久しぶりだ。
今日は絶対一緒にこの前貰ったゼリーを食べたい。
それから少しでもいいから一緒にいられたらいいな……
密かにそう思う。
……透疲れてるんなら寝ちゃうかな?
お風呂に入る前に部屋に行った方がいいだろうか?
迷っていると更に真実が話しかけてくる。
「どうせ透の部屋に行くなら風呂入って行った方がいいぞ。お前今日汗かいただろ。透に臭いって思われるぞ?それに風呂済んでたらそのまま一緒に寝てたっていいんだし」
そんな事を言われ、迷わずお風呂に直行した。
急いで着替えを持って脱衣所に入る。
……あれ?
洗濯機の上に透の部屋着が置かれているのに気づく。
真実は透はお風呂もう出たって言ってたし……透疲れちゃって忘れて行ったのかな?
お風呂から出たら持っていってあげよう。
これで透の部屋に遊びに行く理由ができた。
そう思いながら服を脱ぐ。
下着を脱いで、髪を纏めていると不意に浴室から水音が響いた。
……えっ?!
「んっ、ヤバイ寝ちゃってた!海くんごめんすぐ出るから!」
曇りガラス越しに人影が現れ、ガラス戸が空いた。
中から慌てたように出て来たのは……
「いずみっ!?」
透だった。
驚いて透を見つめる。
透は入浴中だったので当然全裸だった。
私も入浴しようとしていたので当然全裸だ。
透は驚いたように私を見つめて固まっていた。
透と見つめ合いながら、なにも考えられずに固まってしまう。
真っ赤になった透は私を見つめて……
……ぼんやりと真実の楽しそうな声を思い出す。
……いつになく私の入浴を勧めてきた真実。
……真実に嵌められたようだ……
「……あのっ、真実がっ……今ならお風呂空いてるって……着替えがあったけど……忘れていったのかと思って……」
パニクりながらそう言い、透から視線を外らせようとして……気づいてしまった。
細身の透の肩からお腹周りについている傷痕や火傷の痕……お腹から下半身にかけての手術痕……の透の……
……大人の男の人の身体だ……
気づいてしまって全身の血が沸くように熱くなって行くのに気がつく。
そして透のそこから目が離せなくなっていた。
……私この前……触っちゃったんだ……
今更ながらものすごく恥ずかしくなる。
……すごく熱くって……
勝手に思い出してしまい心臓がドキドキと脈打ち始める。
その間にも透の視線を感じていた。
……今の自分の状況を思い出す。
髪を纏めようとしていたため両手を耳元にやって、胸を突き出すような格好になっている。
……全裸である。
……!!
「ゴメンっ!!」
いち早く動いたのは透だった。
透が思い出したようにボクサータイプのパンツを素早く履いたと思ったら、着替えを掴んで脱衣所を走り出ていった。
……透身体拭いてない……
そう思いながらも透の身体が変化して行く過程を見てしまった衝撃に心を奪われていた。
……透もやっぱり男の人なんだなあ……
脳裏に焼き付いてしまったようで透の身体の事をつい考えてしまう。
……あんな風になるんだ……
知識としては知っていた。
しかし実際に見ると……しかも好きな人のを……
ドキドキが収まらずにそのまま脱衣所でしばらくじっとしていた。
やがてふっと透の使っているシャンプーの匂いに気づき、ゆっくり深呼吸する。
……真実ったら……
真実に騙されたのは悔しいが、でもなんだか嫌な気分ではなかった。
……あんなの……私の中に入るのかな……
透の身体を思い出してしまってお腹の奥の方が疼く。
目を閉じると透の身体を思い出してしまい、同時に恥ずかしくなる。
……透となら……早くそうなりたいな……
そう思いながら透の入っていた浴室に入る。
★
眠ろうと目を閉じると透の事を思い出してしまう。
結局一晩中悶々としてしまい、明け方眠るのを諦めた私はキッチンに立つ。
まあ今日は学校もお休みだし、眠くなっても困らない。
透は今日も一日バイトだと言っていたのでせめて……
甘い卵焼きにミートボール、ウインナーをタコさんにして……
透のお弁当と朝食を作ってしまうことにした。
冷ましたご飯に梅干しと焼きシャケを入れてそっと握る。
……透が今日1日怪我なくバイトを終えられますように。
おにぎりを作り終えた頃に何処かの部屋のドアが閉まる音がした。
程なくして階段を降りてくる足音。
まだ6時前……真実だろうか?
真実だったら昨日の文句を一つくらい言いたかった。
キッチンのドアを見つめる。
入ってきたのは……透だった。
「いずみっ……おはよう」
少し赤くなった透が困ったように微笑む。
「透、昨日はごめんなさいっ」
そう謝ると透は首を振る。
「いや、あれ真実に騙されたんでしょ、泉は悪くないよ。……それにすごく……綺麗だったし……」
ぼそっとそう言いながら照れたように透は笑う。
透の笑顔を見れてホッとしながら作ったばかりのお弁当を透に渡す。
「これ……昨日のお詫びに……今日もバイトでしょ?……良かったら……食べて?」
透は驚いたような顔をしたがすぐに嬉しそうに笑ってくれた。
「ありがとう、いいの??オレ……なんか得しちゃってるな……」
お弁当を鞄にしまった透が私を見つめる。
「泉……本当にありがとう。オレ泉が好きだよっ」
そう言われてとても嬉しくなる。
……なんかいろいろ順番が逆になってしまったが、でも誰がなんと言おうと私は透が好きだ。
……透を見上げると透も私を見つめていた。
……透に……もっと近づきたいなあ。
そう思っていたら透にそっと肩を触られ、抱き寄せられた。
「……透……好きっ」
「うん……オレもだよ……」
透の顔が近づいてきたので目を閉じる。
ドキドキしながら目を閉じているとそっと透の唇が私の唇に触れた。
……大好きっ!!
それがどのくらいの時間だったのかはわからない。
ゆっくりと離れていく透の顔……離れてしまう寂しさを感じながら私は透の背に腕を回して抱きしめる。
透もそっと私を抱きしめてくれた。
……すごく……幸せだ
透の胸に顔を押しつけて思い切り深呼吸する。
透の匂いと胸の温もり……
「……離したくないな……」
少し笑いの混じった、困ったような透の声。
「……一緒にいようね」
私はもう一度透に抱きつく。
何処かの部屋のドアが開く音がして、透はそっと私を離した。
「じゃあ、行ってくるね」
優しく微笑んでくれた透の背を見送る。
軽快に階段を降りてくるのは真実だった。
「真実、行ってくるね」
透の声を聞きながら真実に最初に言う一言を思いつけずにいた。
「ああ、気をつけて行ってこいよ」
真実は玄関まで透を見送ったようで、そのあとキッチンにくる。
「おはよう泉、今朝は早いな」
何も無かったかのように話しかけてくる真実。
……まあ正直文句は……無いかなあ……
……透のことは全然嫌じゃなかった。
……かと言ってラッキーだとも思えなかったが……
……うーん……
色々考えていると真実は思い出したように悪戯っ子のような笑みを浮かべた。
「昨日はどうだった?透の……見たんだろう?」
「……!!」
真実の言葉を理解した瞬間顔がかあっと赤くなってしまう。
何も言えずに真実の顔を睨む。
「まあ泉も今後のことを考えると事前準備ぐらいは必要だろ?突然透に迫られて、拒否なんてしたら透トラウマになっちまうかもしれないしな」
悪びれもせずに真実はそんな事を言い出した。
「っ!!」
そのままいいように揶揄われるのかと思ったのだが……
「透の身体見ただろう?アイツ……身体だけじゃなく、心のほうにまだダメージ残ってる。タバコを押し付けられた痕は陰部の方にもあったし……」
真実はいつの間にかに真剣な眼差しで私を見ていた。
「お前に言うのは今も迷ってるんだが、透……去年まで自慰行為したことがなかったみたいだ。普通の男だったら中学頃にはもうやってるのに……」
……そんな事を言い始めた真実に驚きながら話を聞く。
「去年……お前の胸見て興奮した透に……俺が教えた。一応男としての機能は多分生きてる筈だ。だから後はお前が……」
真実はそっと私の肩に触れた。
「出来る事ならお前が透を幸せにしてやってくれ…………の代わりに……」
最後の方は聞き取れなかったがおそらく透の亡くなった本当のご両親や義理のご両親の代わりにと言ったんだと思う。
真実は日課のランニングに行くようだ。
ペットボトルを冷蔵庫から取り出すとそのまま出て行ってしまった。
私はぼんやりと今きいた話をゆっくり反芻していた。
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