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泉のじいちゃん!!
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「透くん、本当に…すまなかったね。もう手は本当に大丈夫なのかい?」
「はい…もうすっかり。前と変わらずに動かせるし何の問題も…。ただ怪我してる間ずっと泉が頑張ってくれて…」
すずしろと遊んでいた泉も会話に入ってくる。
「透ってば…私は別に頑張ってないよ?いつも透がやってくれてた事をしただけで…結局透…怪我してるのにいつも通りやってくれちゃってたでしょ?私なんかほとんど透のお世話できなかった…」
泉が少しむくれる。
そんなオレ達を眺めてじいちゃんが微笑む。
泉のじいちゃんは忙しい人だ。
滅多に会えなくて、忙しそうだったので新年の挨拶をいつしようか泉に相談していたところふっと遊びに来てくれた。
じいちゃんおすすめのお菓子やらお土産やらをたくさん貰ったのでお茶と一緒にお菓子を出す。
じいちゃんは泉とすずしろがあそんでいる姿を楽しそうに眺めている。
…やっぱりいつまで経っても孫が可愛いのだろう。
泉と遊んでいたすずしろが何を思ったのかじいちゃんのところに歩いて行き、その膝の上に乗って丸まった。
…遊び疲れたようだ。
「あ、スーツに毛が…」
慌ててすずしろをどかそうと思ったがじいちゃんは構わないと言い、すずしろを撫でる。
「やっぱり猫はかわいいなあ…。すずちゃんいつ飼ったの?」
「この前の新年会の日に…拾って…」
じいちゃんはそう言えば…と言いながらポケットからハンカチに包まれたものを取り出した。
「これ透くんの忘れ物だろ?」
…それは無くしたネクタイピンだった。
「あっ!これっ!!」
泉がくれたネクタイピンだった。
「新年会の日に拾ってね…刻印が透くんの物だったから直接返そうと思ってね」
「ありがとうございます…良かった…。もう見つからないかと思った…」
ネクタイピンを受け取って手に取る。
ピンの背面に刻まれた刻印と嵌め込まれた石…。
ホッとしながらネクタイピンを指先でなぞる。
「良かったね透…」
泉は微笑んでネクタイピンを手に取りピンの入っていた小箱に収める。
「…これで全部…元通りだね」
そう言うと泉がにっこり笑った。
「すずしろが来てくれたからプラスだよっ★」
★
「透くんお願いがあるんだけどいいかい?」
「…?オレにできる事だったらなんでも…」
じいちゃんが鞄の中から取り出したのは年初めに出したばかりの本だった。
「サインしてもらってもいい?」
「…わざわざ買ってくれたんですか?言ってくれれば…」
聞けばじいちゃん…サインが欲しくて敢えて手が治るのを待って来てくれたらしい。
じいちゃんから本を預かってサインを入れる。
「…ありがとう、また頼むよっ★」
「透くん…これからも泉のこと頼んだよ。あとこれ…」
泉のじいちゃんが帰る間際に紙袋に入ったものをくれた。
「…?ありがとうございます」
「じゃあ泉、透くんも…すずちゃんも元気でねっ★」
じいちゃんは颯爽と帰っていった。
「透…何もらったの?」
泉は不思議そうな顔で貰った紙袋を覗き込んでくる。
「んっ?なんだろうね…サプリみたいだけど…」
泉の目の前で袋の中身を取り出してテーブルに出す。
骨にいいサプリやらビタミン系のサプリ…ふと何か毒々しい外箱の栄養ドリンクらしき物が出てくる。
「何これ…すごく高そう…何に効くのかな?」
泉が手に取って説明書きを見始める。
「滋養強壮…精力って…これは…」
「…!!!」
赤くなった泉が箱を渡してくる。
…くそう…泉のじいちゃんめっ!
たしかにちょっと前までは困ってたけど今は全然…こんな物を使うほど歳取ってないぞっ!!
貰った物を袋に戻す。
泉は泉で赤くなったままちょこんと隣に座っている。
…。
こっちまでなんだか照れ臭くなってしまう。
「…まあこういうことは…自然に任せて…ねっ?」
「私はもう少し透と二人でも良いかって思ってるけど…透が欲しいなら…良いよ」
照れたように泉が笑った。
…泉が愛おしくて…たまらなくなった。
「はい…もうすっかり。前と変わらずに動かせるし何の問題も…。ただ怪我してる間ずっと泉が頑張ってくれて…」
すずしろと遊んでいた泉も会話に入ってくる。
「透ってば…私は別に頑張ってないよ?いつも透がやってくれてた事をしただけで…結局透…怪我してるのにいつも通りやってくれちゃってたでしょ?私なんかほとんど透のお世話できなかった…」
泉が少しむくれる。
そんなオレ達を眺めてじいちゃんが微笑む。
泉のじいちゃんは忙しい人だ。
滅多に会えなくて、忙しそうだったので新年の挨拶をいつしようか泉に相談していたところふっと遊びに来てくれた。
じいちゃんおすすめのお菓子やらお土産やらをたくさん貰ったのでお茶と一緒にお菓子を出す。
じいちゃんは泉とすずしろがあそんでいる姿を楽しそうに眺めている。
…やっぱりいつまで経っても孫が可愛いのだろう。
泉と遊んでいたすずしろが何を思ったのかじいちゃんのところに歩いて行き、その膝の上に乗って丸まった。
…遊び疲れたようだ。
「あ、スーツに毛が…」
慌ててすずしろをどかそうと思ったがじいちゃんは構わないと言い、すずしろを撫でる。
「やっぱり猫はかわいいなあ…。すずちゃんいつ飼ったの?」
「この前の新年会の日に…拾って…」
じいちゃんはそう言えば…と言いながらポケットからハンカチに包まれたものを取り出した。
「これ透くんの忘れ物だろ?」
…それは無くしたネクタイピンだった。
「あっ!これっ!!」
泉がくれたネクタイピンだった。
「新年会の日に拾ってね…刻印が透くんの物だったから直接返そうと思ってね」
「ありがとうございます…良かった…。もう見つからないかと思った…」
ネクタイピンを受け取って手に取る。
ピンの背面に刻まれた刻印と嵌め込まれた石…。
ホッとしながらネクタイピンを指先でなぞる。
「良かったね透…」
泉は微笑んでネクタイピンを手に取りピンの入っていた小箱に収める。
「…これで全部…元通りだね」
そう言うと泉がにっこり笑った。
「すずしろが来てくれたからプラスだよっ★」
★
「透くんお願いがあるんだけどいいかい?」
「…?オレにできる事だったらなんでも…」
じいちゃんが鞄の中から取り出したのは年初めに出したばかりの本だった。
「サインしてもらってもいい?」
「…わざわざ買ってくれたんですか?言ってくれれば…」
聞けばじいちゃん…サインが欲しくて敢えて手が治るのを待って来てくれたらしい。
じいちゃんから本を預かってサインを入れる。
「…ありがとう、また頼むよっ★」
「透くん…これからも泉のこと頼んだよ。あとこれ…」
泉のじいちゃんが帰る間際に紙袋に入ったものをくれた。
「…?ありがとうございます」
「じゃあ泉、透くんも…すずちゃんも元気でねっ★」
じいちゃんは颯爽と帰っていった。
「透…何もらったの?」
泉は不思議そうな顔で貰った紙袋を覗き込んでくる。
「んっ?なんだろうね…サプリみたいだけど…」
泉の目の前で袋の中身を取り出してテーブルに出す。
骨にいいサプリやらビタミン系のサプリ…ふと何か毒々しい外箱の栄養ドリンクらしき物が出てくる。
「何これ…すごく高そう…何に効くのかな?」
泉が手に取って説明書きを見始める。
「滋養強壮…精力って…これは…」
「…!!!」
赤くなった泉が箱を渡してくる。
…くそう…泉のじいちゃんめっ!
たしかにちょっと前までは困ってたけど今は全然…こんな物を使うほど歳取ってないぞっ!!
貰った物を袋に戻す。
泉は泉で赤くなったままちょこんと隣に座っている。
…。
こっちまでなんだか照れ臭くなってしまう。
「…まあこういうことは…自然に任せて…ねっ?」
「私はもう少し透と二人でも良いかって思ってるけど…透が欲しいなら…良いよ」
照れたように泉が笑った。
…泉が愛おしくて…たまらなくなった。
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