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しおりを挟むよくよく周りに聞かれたりしていたことを鑑みていたら、兆候はいくらでもあったのだ。
それにあの修学旅行で、部屋を間違えたと言っていたのも怪しかった。彼女が間違えた部屋で長居するような友達が、凛以外にいなかったのだ。
きっと、凛以外はそんな嘘に気づいていて、どこで何をしていたのかもわかっていたようだが、凛はそれにも気づかないままだった。凛は修学旅行のみならず、文化祭の実行委員を引き受けたりしていて、本当に忙しなかったのだ。
(やばい。安請け合いしすぎたかも。あー、でも、こういうのも経験だよね)
前は、いつ引っ越すことになるかがわからずに途中からだと委員会の仕事もできなかったこともあり、高校に入ってからは色んなことを引き受けていた。
持ち前のポジティブさを活かして乗り切っていた。そんな忙しいさなかでも、勉強はしっかりとやっていたのだから、凛も我ながらよく頑張っていると思っていた。
「文化祭の実行委員までやってるんだ」
「めっちゃ、忙しくて楽しいよ」
「それ、おかしくない?」
忙しすぎて、凛のテンションはかなりおかしくなっていたが、色んなところに転校しまくっていたこともあり、面白い文化祭のエピソードを委員会で話したことで採用されることになり、2年生の文化祭は今までにないくらい盛り上がった。
だが、そのせいで湊と会えなくなってしまったが、その分、親友が暇を持て余してよく一緒にいるのを凛ですら見かけた。
(クラスの方の手伝い、ちゃんとしてるのかな?)
凛は、やたらとよく見かける二人にそんなことを思っていた。カレシと親友なこともあり、二人で一緒にいるのをやたらとよく見かけても、浮気しているとまでは思っていなかった。カレシにぞっこんだったら妬いたのかも知れないが、全くなかった。
どちらも、友達が少ないことも知っていて、凛を介して仲良くしているだけだと思っていたのだ。
その判断が間違っていたと痛感することになるとは、この時の凛は思ってもみなかった。
(あー、次は何やるんだっけ?)
凛は、遅れ気味なところを見て回ったり、アクシデントで途方に暮れているところにアドバイスをして、更にいいのができたと学年問わずに感謝されて、交友関係がより深まることになった。
まぁ、その間に湊たちは暇を持て余しすぎて、2人で文化祭を回ることもなく、参加する気もなかったようでサボったようだ。
元より、あてにしてなかったようで、2人のクラスはサボっている2人がいない方が良かったようだ。それはそれで世知辛いと思ってしまったが、満喫しまくった凛には、2人の楽しみ方がいまいち理解できなかった。
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