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ペネロペイアが、王子と婚約した頃の祖国では、魔法が使えなくなり始めていた。そこで、ようやく、これはおかしいと思い始めて騒ぎ始めた。


「きっと、これも、ペネロペイアが何かしているに違いない!」
「そうですわ! 逆恨みして、呪いでもしているに違いありませんわ!」
「なんて女だ! さっさと探し出して、呪いを解かせろ!!」


それこそ、魔法を全く使えなかったペネロペイアに何かできるわけがないと彼らは思わなかったのだ。よくないことは、全てペネロペイアのせいにしていればいいような人たちだったのだ。原因を探ることもせずにペネロペイアを探すことに躍起になった。

だが、ペネロペイアを探そうとするが奇妙なことに魔法を使えた者たちは、国境付近から出ることが出来ないことがわかるまでに数日かかった。

魔法が使えれば、すぐに気付けただろうが、魔法に頼りすぎていて、数日の時間を要したのだ。


「なんだ?! 結界か?」
「なぜ、こんなところに?!」


どうやら、それが最強の魔法使いが施した魔法だと判明した。生まれ変わった時に魔法で優劣の決まる国になっていたら、間違いを正すべく発動すると記されていたのを見つけることとなったのだ。


「間違いだと?」
「生まれ変わったら……? まさか、○○が、最強の魔法使いの生まれ変わりだったというのか?」
「そんな馬鹿なことがあるわけない。魔法もろくに使えない女が……、っ、!?」
「ギルバート様?」


ペネロペイアを悪く言った途端、身体が石化し始めたのだ。ペネロペイアのせいだと報告した者も、それを聞いた王族や貴族たちも、たちどころに石化を始めた。

平民の魔法が使えない者たちは、それを見て悲鳴をあげて、この国から逃げ出したのは、すぐのことだった。徐々に石化する間も、ペネロペイアへの罵詈雑言はやまず、それを口にすればするほど、早く石化していった。

そのうち、生きた人間が一人もいなくなるまで、そんなに時間はかからなかった。


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