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06 フライドチキンと夢を喰うバク
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白い歯が衣に触れて軽やかな音を立てる。咀嚼に合わせて頬が動き、そして喉が嚥下する。
なんか、ずっと見てられるな、これ。
小さな口でさくさくとチキンを食むソヨンをローテーブル越しに眺めながら、千早は2本目のビール缶のプルタブを引いた。
韓国の一般的なアパートには廊下がない。ドアを開けるとすぐに居間と台所だ。古い団地なので床は板張りで、狭い居間スペースに置かれた家具はソファとローテーブル、液晶テレビだけだ。
ソヨンはソファを背もたれにしてラグに座っている。ソファがあっても床に直接座るのが韓国スタイルなので、千早もテーブルの角を挟んで胡座をかいている。
自分の部屋にソヨンがいるのはどうにも不思議な感じがする。そういえば、この部屋に誰かを招いたのも初めてだ。
さっきの。「来てくれて嬉しかった」は、脈ありと思っていいのだろうか。いや、ただのコミュニケーションの一環か。でも普通、ただのお隣さんにあんなことは言わないはず。思考が混乱する。
「千早、食べないのか?」
考えを見透かしたかのようなタイミングに、千早は慌ててチキンにかぶりついた。
年季入りの掛け時計は23時半を指している。深夜の油と肉と酒。禁断の味だ。メシは罪悪感があるものの方がうまいに決まっている。昼間のカフェインのダメージもなんのそのだ。
紙箱に食べ終わった骨を入れ、千早は立ち上がって冷蔵庫を覗いた。
「チキンだけじゃ単調だよな。キムチとか食う? オイキムチだけど」
「食べる」
「あとは、あ、チーズと林檎があるな」
「林檎」
「食うか?」
語学学校の同僚にお裾分けしてもらった日本産の林檎を見せると、ソヨンはこくりと頷いた。
「うん。果物は好きだ」
「そりゃあ良かった」
林檎をカットした後、冷蔵庫からタッパーとパック入りのチーズを、戸棚から小皿を取り出してテーブルに並べる。ついでに追加のビールとウェットティッシュも持っていく。
「千早は世話焼きなんだな。お母さんみたいだ」
お母さん。
ソヨンは尊敬の眼差しを送ってくるが、それは狙っているポジションでは全くない。
「うるせえ。なんか色々やっちまうんだよ。弟か妹がいるだろってよく言われる。一人っ子なんだけどな」
「分かる。やんちゃな弟妹が沢山いそうだ」
「いねえんだよな、これが。ソヨンは兄弟いんのか」
話を振ると、ソヨンは齧りかけの林檎を皿に置いて、「俺、双子なんだ。同じ顔の姉がいる」と言った。
「へえ、ソウルに住んでるのか?」
「麻浦区に住んでて、弘大でセラミック工学の研究してる」
「すげえな、どんな研究してるのか想像もつかねえ」
相槌を打つ千早を、ソヨンは何故か首を傾げて見てくる。
「え、何? なんかまずいこと言ったか?」
「そうじゃなくて」
「なんだよ」
「紹介してって言わないのかなと思って」
「……は?」
「姉さんの話をすると、男は決まって紹介してって言ってくるから」
テーブルを挟んで斜向かいに座るソヨンは少し気まずそうだ。
「あ、あー、そういう」
再びうさぎ林檎を齧るソヨンの顔立ちを横目に見ながら、納得する。身近に美女がいると分かれば、お近づきになりたいと思うのが男心だ。
それをそのまま口に出そうとして、しかし千早は口をつぐむ。姉の紹介を頼まれると言った時のソヨンのわずかに固い口調と瞳の揺らぎを見過ごしてはいけない気がした。
酒が入った頭を精一杯回して、誤解を与えない言葉を探す。
「紹介しなくていいよ、今はまだ」
テーブルに彷徨わせていた視線をソヨンに向けると、怪訝そうに見つめ返してくる。
「今は?」
「俺はさ、ソヨンと仲良くなりたいと思ってる。それで、もっと仲良くなれたら、ソヨンのお姉さんにも紹介して欲しいなとは思ってる。だから、今はまだいいよ」
恥ずいことを言うときに恥ずかしがると余計に恥ずかしい。だから波打つ鼓動に気づかないフリをして、なんでもないことのように言い切った。
そして、居た堪れない沈黙が帷のように居間に落ちる。
耐えきれずに口を開いたのはソヨンの方で。ビール缶の縁を指先でなぞりながら、「ええと、ありがとう?」とまた首を傾げる。
「あ、いや、どういたしまして? いや、礼はおかしいだろ」
千早は立ち上がると、氷化した空気を入れ替えようと窓を開けた。深夜特有の静かで清冽な風が入り込んできて、油とキムチの匂いを洗っていく。
「千早」
「ん?」
呼ばれて振り返ると、ソヨンはビール缶を掲げてふんわり笑った。
「飲もう」
***
耳元で能天気に明るいマーチが流れている。
眠りは浅い方だ。スマホのアラームは6時にセットしているが、毎朝それよりも前に目が醒めてジョギングに行く。だから、久々に聞いたそのメロディが目覚ましだと気づくのに時間がかかった。
薄闇で瞼を開くと、カーテンの隙間から帯状に差し込む光の中、鼻が触れそうなほど間近にソヨンの顔がある。
「は?」
一気に目が醒めた。
アラームを止めて、昨夜の出来事を反芻する。
酒をしこたま飲んで、先に潰れたソヨンを居間で寝かせて、シャワーを浴びてからベッドに入った。
大丈夫だ。まずいことは何もしていない。はず。
アラームと千早の動きにも微動だにせず、ソヨンはぐっすり眠っている。横向きに丸まった姿勢で千早の右腕を抱え込んだまま。抱き枕とでも勘違いしているのか。
女顔だと思い込んでいたが、瞳を閉じていると眉の凛々しさが思いのほか際立っていて、それがとても好ましい。
なんとか静かに右腕を引き抜こうとするが、ソヨンの両手が絡みついて離れないし、指先はなめらかな肌に挟まれている。
「は?」
肌?
ぎょっとしてブランケットをめくると、千早の右手は何故か素足のソヨンの股に挟まれている。
情報量の多さに硬直して、千早は天井を仰いだ。
酒は飲んだがそこまで酔ってはいなかったし記憶は鮮明だ。昨夜の記憶を再度高速再生する。
よし、俺は何も問題行動は起こしていない。
しかし、これは無理だ。ソヨンの安眠を妨げたくはなかったが、この体勢はまずい。
ただでさえ朝で下半身に熱が溜まっているのだ。このままだと、間違いなく完勃ちする。
悶々としていると、ソヨンが身じろぎをした。
「あれ……もう朝?」
差し込む光を遮るようにソヨンが手を目元にやる。その瞬間に右手を引き抜き、転がるようにベッドから抜け出した。ソヨンはブランケットにくるまったまま、「すごい、何も夢を見なかった」と呟いている。
「夢?」
「うん。いつもは見るんだ」
「そりゃ残念だったな」
ただの世間話だろうと簡単に返すと、しかしソヨンはどこか悲しげに言った。
「ううん。見なくていいんだ。見たくない夢だから」
「じゃあきっと、獏が食べてくれたんだな」
「ばく?」
「嫌な夢を食べてくれる動物だよ」
「へえ。ソウル動物園にいるかな。見てみたい」
「いや、見るのは無理だろ」
「なんで?」
噛み合わない会話に、韓国には獏の伝説はなかっただろうかと首を捻る。後で調べて、授業の小ネタに使おう。
その前にジョギングに行こうと身支度を始めるが、ソヨンがベッドから出てくる気配はない。
「ソヨン、もう起きろよ」
「嫌だ。今日はオフだからまだ寝る」
「駄目だ。寝るなら自分の家で寝直せ。隣なんだから」
こいつ、実は寝汚い系か。千早はブランケットを剥ごうとするが、抵抗したソヨンは両脚でそれを阻止しようとする。
「布団から出たら目が覚める。ここがいい。頭痛い」
「単なる二日酔いだろ。家帰ってシャワー浴びたらすっきりすんぞ」
「千早、朝からうるさい」
ソヨンは頭ごとブランケットに入って丸まってしまう。
こいつ……。あのクールな警官はどこに行ったよ。けど理不尽に我儘なこっちの方が可愛らしと思っちまうとかなんなんだよ。
恋心は救い難い。千早は諦めの境地で大きくため息をついた。
なんか、ずっと見てられるな、これ。
小さな口でさくさくとチキンを食むソヨンをローテーブル越しに眺めながら、千早は2本目のビール缶のプルタブを引いた。
韓国の一般的なアパートには廊下がない。ドアを開けるとすぐに居間と台所だ。古い団地なので床は板張りで、狭い居間スペースに置かれた家具はソファとローテーブル、液晶テレビだけだ。
ソヨンはソファを背もたれにしてラグに座っている。ソファがあっても床に直接座るのが韓国スタイルなので、千早もテーブルの角を挟んで胡座をかいている。
自分の部屋にソヨンがいるのはどうにも不思議な感じがする。そういえば、この部屋に誰かを招いたのも初めてだ。
さっきの。「来てくれて嬉しかった」は、脈ありと思っていいのだろうか。いや、ただのコミュニケーションの一環か。でも普通、ただのお隣さんにあんなことは言わないはず。思考が混乱する。
「千早、食べないのか?」
考えを見透かしたかのようなタイミングに、千早は慌ててチキンにかぶりついた。
年季入りの掛け時計は23時半を指している。深夜の油と肉と酒。禁断の味だ。メシは罪悪感があるものの方がうまいに決まっている。昼間のカフェインのダメージもなんのそのだ。
紙箱に食べ終わった骨を入れ、千早は立ち上がって冷蔵庫を覗いた。
「チキンだけじゃ単調だよな。キムチとか食う? オイキムチだけど」
「食べる」
「あとは、あ、チーズと林檎があるな」
「林檎」
「食うか?」
語学学校の同僚にお裾分けしてもらった日本産の林檎を見せると、ソヨンはこくりと頷いた。
「うん。果物は好きだ」
「そりゃあ良かった」
林檎をカットした後、冷蔵庫からタッパーとパック入りのチーズを、戸棚から小皿を取り出してテーブルに並べる。ついでに追加のビールとウェットティッシュも持っていく。
「千早は世話焼きなんだな。お母さんみたいだ」
お母さん。
ソヨンは尊敬の眼差しを送ってくるが、それは狙っているポジションでは全くない。
「うるせえ。なんか色々やっちまうんだよ。弟か妹がいるだろってよく言われる。一人っ子なんだけどな」
「分かる。やんちゃな弟妹が沢山いそうだ」
「いねえんだよな、これが。ソヨンは兄弟いんのか」
話を振ると、ソヨンは齧りかけの林檎を皿に置いて、「俺、双子なんだ。同じ顔の姉がいる」と言った。
「へえ、ソウルに住んでるのか?」
「麻浦区に住んでて、弘大でセラミック工学の研究してる」
「すげえな、どんな研究してるのか想像もつかねえ」
相槌を打つ千早を、ソヨンは何故か首を傾げて見てくる。
「え、何? なんかまずいこと言ったか?」
「そうじゃなくて」
「なんだよ」
「紹介してって言わないのかなと思って」
「……は?」
「姉さんの話をすると、男は決まって紹介してって言ってくるから」
テーブルを挟んで斜向かいに座るソヨンは少し気まずそうだ。
「あ、あー、そういう」
再びうさぎ林檎を齧るソヨンの顔立ちを横目に見ながら、納得する。身近に美女がいると分かれば、お近づきになりたいと思うのが男心だ。
それをそのまま口に出そうとして、しかし千早は口をつぐむ。姉の紹介を頼まれると言った時のソヨンのわずかに固い口調と瞳の揺らぎを見過ごしてはいけない気がした。
酒が入った頭を精一杯回して、誤解を与えない言葉を探す。
「紹介しなくていいよ、今はまだ」
テーブルに彷徨わせていた視線をソヨンに向けると、怪訝そうに見つめ返してくる。
「今は?」
「俺はさ、ソヨンと仲良くなりたいと思ってる。それで、もっと仲良くなれたら、ソヨンのお姉さんにも紹介して欲しいなとは思ってる。だから、今はまだいいよ」
恥ずいことを言うときに恥ずかしがると余計に恥ずかしい。だから波打つ鼓動に気づかないフリをして、なんでもないことのように言い切った。
そして、居た堪れない沈黙が帷のように居間に落ちる。
耐えきれずに口を開いたのはソヨンの方で。ビール缶の縁を指先でなぞりながら、「ええと、ありがとう?」とまた首を傾げる。
「あ、いや、どういたしまして? いや、礼はおかしいだろ」
千早は立ち上がると、氷化した空気を入れ替えようと窓を開けた。深夜特有の静かで清冽な風が入り込んできて、油とキムチの匂いを洗っていく。
「千早」
「ん?」
呼ばれて振り返ると、ソヨンはビール缶を掲げてふんわり笑った。
「飲もう」
***
耳元で能天気に明るいマーチが流れている。
眠りは浅い方だ。スマホのアラームは6時にセットしているが、毎朝それよりも前に目が醒めてジョギングに行く。だから、久々に聞いたそのメロディが目覚ましだと気づくのに時間がかかった。
薄闇で瞼を開くと、カーテンの隙間から帯状に差し込む光の中、鼻が触れそうなほど間近にソヨンの顔がある。
「は?」
一気に目が醒めた。
アラームを止めて、昨夜の出来事を反芻する。
酒をしこたま飲んで、先に潰れたソヨンを居間で寝かせて、シャワーを浴びてからベッドに入った。
大丈夫だ。まずいことは何もしていない。はず。
アラームと千早の動きにも微動だにせず、ソヨンはぐっすり眠っている。横向きに丸まった姿勢で千早の右腕を抱え込んだまま。抱き枕とでも勘違いしているのか。
女顔だと思い込んでいたが、瞳を閉じていると眉の凛々しさが思いのほか際立っていて、それがとても好ましい。
なんとか静かに右腕を引き抜こうとするが、ソヨンの両手が絡みついて離れないし、指先はなめらかな肌に挟まれている。
「は?」
肌?
ぎょっとしてブランケットをめくると、千早の右手は何故か素足のソヨンの股に挟まれている。
情報量の多さに硬直して、千早は天井を仰いだ。
酒は飲んだがそこまで酔ってはいなかったし記憶は鮮明だ。昨夜の記憶を再度高速再生する。
よし、俺は何も問題行動は起こしていない。
しかし、これは無理だ。ソヨンの安眠を妨げたくはなかったが、この体勢はまずい。
ただでさえ朝で下半身に熱が溜まっているのだ。このままだと、間違いなく完勃ちする。
悶々としていると、ソヨンが身じろぎをした。
「あれ……もう朝?」
差し込む光を遮るようにソヨンが手を目元にやる。その瞬間に右手を引き抜き、転がるようにベッドから抜け出した。ソヨンはブランケットにくるまったまま、「すごい、何も夢を見なかった」と呟いている。
「夢?」
「うん。いつもは見るんだ」
「そりゃ残念だったな」
ただの世間話だろうと簡単に返すと、しかしソヨンはどこか悲しげに言った。
「ううん。見なくていいんだ。見たくない夢だから」
「じゃあきっと、獏が食べてくれたんだな」
「ばく?」
「嫌な夢を食べてくれる動物だよ」
「へえ。ソウル動物園にいるかな。見てみたい」
「いや、見るのは無理だろ」
「なんで?」
噛み合わない会話に、韓国には獏の伝説はなかっただろうかと首を捻る。後で調べて、授業の小ネタに使おう。
その前にジョギングに行こうと身支度を始めるが、ソヨンがベッドから出てくる気配はない。
「ソヨン、もう起きろよ」
「嫌だ。今日はオフだからまだ寝る」
「駄目だ。寝るなら自分の家で寝直せ。隣なんだから」
こいつ、実は寝汚い系か。千早はブランケットを剥ごうとするが、抵抗したソヨンは両脚でそれを阻止しようとする。
「布団から出たら目が覚める。ここがいい。頭痛い」
「単なる二日酔いだろ。家帰ってシャワー浴びたらすっきりすんぞ」
「千早、朝からうるさい」
ソヨンは頭ごとブランケットに入って丸まってしまう。
こいつ……。あのクールな警官はどこに行ったよ。けど理不尽に我儘なこっちの方が可愛らしと思っちまうとかなんなんだよ。
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