「異端者だ」と追放された三十路男、実は転生最強【魔術師】!〜魔術の廃れた千年後を、美少女教え子とともにやり直す〜

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三章 古の対峙

71話 その男、場所を特定する


その後、俺は気を取り直して。オレステ・オレンの動きを【位置測定】により、確認し続けた。
そうしたところ、どうだ。

彼はしばらく王都内の路地を無駄に周るように練り歩いた末、やはりダンジョンへと向かっていた。

ただし、正規のルートではない。
彼がダンジョンへと入っていった場所に向かえば、そこにあったのは、なんの変哲もない壁だ。

王都とその外とを隔離するもので、魔物避け効果のある魔石などが組み込まれることで、人々の安全を守っている。

その高さは、身長の十倍以上、そう簡単に通れるものではない。


が、確実にオレステ・オレンはここを通った。それも見ていたところ、すんなりと。
つまりは、ここになにか仕掛けがあるのだろう。

「リーナ、少し回りを警戒していてくれ」

俺はそう言いながら、壁に両手を触れて【鑑定】の魔術を発動する。
そのうえで、見えたものには驚かざるをえない。

なんと【視認阻害】がそこにはかけられていたのだ。

そこで俺は、【視認阻害】を解除する魔術・【視認正常】を発動する。
かけることができるなら、解くこともできる。それが魔術だ。

そうして見てみれば、そこにはちょうど人が屈めば通れる穴が開けられている。

これはもしかすると、例のアーマヅラの暴走を引き起こした奴と同じ人物の仕業なのかもしれない。

術が発動されたのは、もう数刻以上前だ。
それだけ長く維持できる魔術をかけられる人間は、そういない。

【位置測定】の片手間に【探索】を使ってはみるのだが、前に王都で魔術の痕跡を見たときと同じだ。いくつかの跡が混ざっていて、特定できない。

「先生、なにかありましたか」
「あぁ、魔術が使用されていたよ。それもかなりレベルが高い」

「……魔術を。先生が言っていた者の仕業かもしれませんね」
「うん。その可能性が高いね」
「オレステ・オレンがやった可能性もあるのでしょうか」
「それは、ないだろうね。術の発動からはかなり時間が経っている。他にやった人間がいるとみたほうがいい。とりあえず、この抜け穴を通ってしまったら俺たちも同罪だ。ダンジョンに不正に立ち入ることは禁止されているからね。正規のルートから回りこもうか」

なかなか厄介なことをしてくれるものだ。
俺とリーナは夜道を早足で急ぎ、正規の入口からダンジョンへと入った。

『惑いの森林』という名をつけられるだけのことはある。
背丈の高い木々が覆うダンジョン内は、月明りもほとんど届かない。

そこで、いつかフェデリカに貰った魔導灯で夜道を照らしながら、俺たちは【位置測定】を頼りに、オレステ・オレンのほうへと近づいていく。

そうしてある程度接近したところで行き当たったのは、鬱蒼と茂って少し先も伺えないような深い緑だ。その奥にが反り立つような断崖絶壁すら見える。

が、オレステ・オレンの魔力反応はこの奥にあった。

「……また【視認阻害】ですか。しかも、本来の崖もこの少し先にあります。なかなか手が込んでいますね」
「うん。夜でそもそも人が少ないダンジョン内でやるんだ。よほど隠したいことがあるらしいな」

もうなにかあるのは、間違いない。
俺がさっそく【視認阻害】の魔術を解こうとしていたら、隣から待ったが入る。

「先生。ただでさえ追跡で魔力を消費しているんです。その指輪が溜めて置ける量も限度がありますでしょう? ここは、私に任せてください」

いつのまに、こんなに頼もしくなったのやら。

俺はふっと笑って、手をひっこめる。すると彼女は、少し時間をかけながら、それでも丁寧に魔術円を描いて、それを解除してみせた。

視界が正常化されると、行き止まりに見えていた先に、道が現れる。

「……ありがとう。いい術式だった」
「ふふ、正確性は自信がありますよ」

こう会話を交わしながら俺たちは、さらに奥へと進む。

すると、少し先からなにやら音が聞こえてくる。
どうやらこの先に、オレステ・オレンはいるらしい。
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