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八百万名物、カレーの日

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 八百万 カレーの日!それは斗真にとって大量に煮込んで作れる簡単で美味しい適度に手を抜きたい時に作っている料理のはずだった。 
 
 それがいつの間にか八百万名物のお祭り状態になったのは、回転率の速さや色々な人の陳情により、お祭りの屋台の様な状態となってしまった、 
 
 厨房の奥では大型の寸胴が5台、ことことカレーを煮込んでいる。 
 
 ルーこそ日本産のレトルトを複数組み合わせて、更にはチョコではなくカカオとコーヒー、そしてソースが隠し味のカレーだ。 
 
 野菜は異世界の野菜をふんだんにつかったものと、鳥と豚の骨から出しのとった旨味の強いスープや骨髄なども大量に入っている、チキンカレー、ポークカレー牛肉カレー、シーフードカレー、オーソドックスの野菜たっぷりのカレーの5種類が大鍋で煮られている。 
 
 本来ならどれか一つに絞って今日はチキン、今日はポークと分けるのだが、本日はスペシャルデーで5種類の中から選べるのだ! 
 
 そしてお値段脅威の銀貨1枚でご飯は大盛や特盛も出来る、もちろん巨人族や体の大きな種族の子には、その子達にあわせての特大サイズであげるので、人間基準だから巨人族には少ないなどといった事は起こらない!お店でお皿とスプーンも用意しているけど、自分のサイズにあったお皿を用意するとよりいいだろう。 
 
 ただでさえ色んな人が、毎日八百万に通っているのに、カレーの日になるとまさに全員集合の様に集まり列を作るのだ。 
 
 そして今回からは辛さも1段階から10段階で選べるしようとなり、みんなどの辛さに挑戦するか悩んでいる様だった。 
 
 「カレーの日だぁ!今日のカレーの主役はなんだろ?ポークは?」 
 
 「今日の豚は山間豚のポークカレーだってさ!山間豚の肉厚と脂身がカレーに溶け込んでいるらしいぜ、牛は修羅牛のぷるぷるの筋やコラーゲンたっぷりで煮込まれた肉はほどける程うめぇらしい!チキンは天空鳥の足まで使った、こっちもぷりぷりんでうまいってさ!問題はシーフードだ!なんとレンゲ陸ガメと花イカ、蜜貝にボムシュリンプがはいっていて口の中でポンとはじけるボムシュリンプが楽しい一杯らしい!ノーマルのカレーも野菜てんこもりで美味いらしいぞ!どうすんだよこれ!!」 
 
 そんな話をしていると現れたのはガウェインとガレスだった。 
 
 「やっぱり男なら修羅牛だよなぁ!ガレス!」 
 
 「嫌です!ガレスはチキンカレーと決まっているのです!濃厚なカレー!スパイスの味にチキンの旨味が混ざりまさに天国なのです!」 
 
 「マジックバックでアーサーの分も、持って帰ってやろう、あいつは絶対シーフードだ!」 
 
 そこに十二星座団のライオニアとグラナダファミリアの首領、リナリアが現れる。 
 
 「カレーと言えばシーフード!こんなの常識だろう!お前はダンジョンに籠っていた分、あの店の事がわかっていないかもしれないがな!私は店主に個人的に誘われるくらい、あの店の味については知ってるつもりだ!」 
 
 「いやいや!リナリアねぇさん!いっちゃあなんだが、カレーと言えばポークっしょ!しかも山間豚だよ!八百万の旦那の得意料理はクリスピーポークやプルドポーク!トウロンポウとかの豚の旨味全開の料理だって!旦那の豚料理は神の域に達してるね!」 
 
 「あら!レオのライオニアさん貴方新参のくせにわかっているのね!そう豚!それは魅惑のエッセンス!ラーメンも豚骨あってこその醬油!そしてカレーも豚の骨からふんだんに出汁をとったポークこそが史上最強!ですわ!ああっまだまだ私輝いちゃう!自分が眩しすぎるわ!」 
 
 「ヒルデガルド様は豚にとりつかれているだけでしょ!カレーと言えば野菜カレー!これが原点にして頂点です!野菜の酸味に甘味!色々な味が溶け、まさに至高の味に仕上がっているんですから!」 
 
 ハイエルフのヒルデガルド、エルフのエーテルまでがそんなカレー談義に参加していく。 
 
 「か~やっぱりこの日は大物が多いや!まぁどいつがどのカレーが好みか情報が手に入って丁度いいや」 
 
 「休みの日でも情報収集の癖は抜けないのか、トムソン」 
 
 「あたりまえだぜ、アステリオスの旦那、旦那だっていつかあのカレーってやつ、自分流のカレーが作りたくて勉強しに食いにきてるんでしょ?」 
 
 「もちろん、修行もこみだが、それを忘れるほど八百万の料理は美味いからな。ここで飯を食うのが半分趣味になっている」 
 
 ウェールズ料理店のアステリオスに情報屋トムソン、彼らもカレーに釣られて集まった人物達である、そして更にもう一人。 
 
 ハイリューン・シグルドリーヴァ(潜伏中) 
 
 「まぁ!お姉様ったら隠蔽魔法も使わずにあんなに堂々と、くぅ楽しそうですわ!それにしてもカレーどんな料理なのかしら?楽しみですわ!」 
 
 影に密かに守られているとも知らない、ハイリューンのお姫様姉妹・・・・・。 
 
 メフィストフェレスとシスティーナ親子 
 
 「お父様!カレーの日ですわ!きっとお父様も気に入りますわ!」 
 
 「いやぁ、八百万で食事する様になって、ちょっとふっくらしたのか、僕を気味悪がる人間が減って嬉しいよ」 
 
 「お父様は元々素敵な見た目をしてましたの、寝不足とか過労で目がバキバキに充満して、ほほもこけて、青筋たててたら誰だって怖いですわ」 
 
 「研究に集中すると、どうも食事と睡眠をおろそかにする癖がね。彼の店のおかげで食事にも大分興味が出てきたところだよ」 
 
 やはり料理も研究者としての目線が外せないメフィストフェレス。 
 
 獣人のミニャ 
 
 「ミニャはシーフード一択にゃ!まっしぐらにゃん!」 
 
 行商人タント老 
 
 「お~お~丁度いい時にきたもんだ。八百万の名物カレーの日、商隊のみんなも腹減ってるだろう、皿をもって並ぼう」 
 
 「タントさんやたら急がせると思ったら、これ目当てだったんですね!ラッキー俺達も八百万のカレーが食べれる、野郎ども!騒ぎおこすんじゃね~ぞ!」 
 
 「「「うっす」」」 
 
 オールウェイ・フォン・サウザント 
 
 「まったく私はこんな祭りの様な催しには一切興味はないのだがね!カレー・・・・・・・どのカレーにするか・・・・・悩ましくて決められない!私をどれだけ!私をどれだけ手のひらの上で転がせば気が済むと言うのだ!八百万!!くぅううう!」 
 
 「おい!あれ!」 
 
 「ああっ王都絶対主義のサウザント家のオールウェイだろ、なんかウェールズに事務所かまえて頻繁に出入りしているらしいぞ」 
 
 「最初こそ八百万の引き抜きだとおもってたんだけどな、斗真の旦那を王都に何度も呼んでたみたいだし、しかも丁寧にさあのオールウェイがだぞ」 
 
 ウェールズの五大英雄 SSS冒険者 
 
 ルーカス、フィガロ、クリスタ、ニーア、ギムレッド 
 
 「相変わらず八百万の行列はすげぇなぁ!」 
 
 「俺達が焚きつけたとは言え、ここまで繁盛するのはあの子達の努力の賜物ですよ」 
 
 「最近はうちやルーカスのとこにも仕入れにこなくても、冒険者やら各名家から食材が送られて処理しきれんみたいだしな、マジックバックにしこたま材料がはいってる」 
  
 「いいことじゃない!美味しいもの斗真くんの料理」 
 
 「お~い!いこうぜ!あたしも腹減っちまったよぅ」 
 
 「はいはい、じゃあ我々はいつも通り裏から入らせてもらいますか」 
 
 5大英雄や特別な常連客は、店の裏からはいって、斗真達の家の居間で食事を堪能するのだった。 
 
 もちろん気分などで店で食べる事も多いが、特別常連たちは列に並ぶの免除されている。 
 
 大々的に割り込みはできないので、裏から入ってもらって家の居間で食事してもらうのだ。 
 
 オグレス 
 
 「オグレス!カレー大好き!みて!大きな皿!これでカレーたべるの!銀貨一枚で美味しくておなかいっぱい!」 
 
 嬉しそうに並ぶオグレスは有名で、にこにこと笑顔で並ぶオグレスに、みんなはよかったな!腹いっぱい食べなよ!など様々に声をかける。 
 
 その声にまた笑顔になるオグレスだったのだった。
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