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カツ丼と色々な国の強者事情。
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王都近郊の大都市ウェールズ
王都には冒険者貴族集団ラウンズが、ウェールズには様々な強者がいるが代表的な人達は5大英雄と十二星座団、隣国、中津国ミルドヴァースには十二天が存在する。
他にも様々な国に十二の数字を元に構成されている戦闘集団や四のつく称号や八人構成の称号などを持つ武人や軍人は多く存在する。
国同士は中が良くても、称号を持つ者同士はどちらが上か、どちらが優れているかで争い中が悪かったりもする。
比較的有名なのがブリタニアの従者部隊ナンバーズ、ニーアを筆頭にした5大英雄、ニーアとクリスタに鍛えられたアテナを中芯とした冒険者少女集団の十二星座団、王都の絶対防衛線ラウンズ、中津国、帝釈天のインドラが率いる12天、獣人3大獣神、ハイエルフの6賢人、エルフの七曜、龍族の八大龍王、魔族の七大罪、聖王国の6翼聖典、超大国の黙示録の四騎士、蓬莱国の三神帝、十二天将、他には天下八仙、十悪など上げたらきりがない程存在し、拮抗している。
もちろんそれ以外にも個人で名をあげている者達も多く存在していて、中には国から賜った称号だったりするので、元や旧がつく人たちもいる。
そんな中ミルドヴァースの12天が稀人奪還の為ウェールズに侵攻した話は各国に広く伝わっていた。
周りの国は、傍観を決め込み、隙があれば恩を売る形で参加しようと企むところもあったが、十二天が命令を不服と感じ禄に交戦もせずにルーファウスに投降する形で終わった。
十二天は3名に分かれ、稀人、斗真に挨拶するべく八百万を訪問予定。
だがウェールズには今、5大英雄はもちろん12星座団までがダンジョンから帰ってきている。
嫌われているミルドヴァースの王族と違い、十二天はまともな常識人なので戦闘は避けられると思うが、果たしてどうなる事か・・・・・。
そしてついに王族みずから、八百万に来店するという、稀人とはいえ相手は一国の王、動くなら斗真の方からが無難なのだが、ブリタニア国王はウェールズの斗真が建築した宿や綺麗に区画整理した街にも興味があるらしく、王自ら八百万に訪れる事を決断したとか、いったいどうなるのか?
そんなこんなで八百万、本日はカツ丼の日!定期的にやる丼の日でも特に人気のでそうな日である。
十二星座団 天秤座ライブラのアストライア 射手座サジタリウスのアルトリア 山羊座カプリコーンのトモエ
「知ってる?十二天の奴ら、ルーファウス様とマーリン様に降伏したんだって、なんでも近々ウェールズに来るらしいよ」
「うげぇ、なんでウェールズにくるんです?」
「それはきっと斗真様に会いにくるのではないでしょうか?」
アストライアは長い金髪の髪にロールがかかっているお嬢様の様な髪型で、八百万の列に並んでいる三人はスタイルもいい、十二星座団のお姉さん組でもある。
トモエは黒髪ロングの美人で華の様な凛とした立ち姿をしている。
アルトリアは肩より少し長い髪を後ろで結んでいたり、たまにお団子にしたりしている。
ちなみにアルトリアの正式な名前は、アルトリア・フォン・ドラゴン、ウェールズ領主のアーサーの妹である。
「最近は平和になったと思ったのだけど、逆にどの国も動きがないのが怖いのよね」
「まぁ久しぶりの稀人様ですからね、できる事なら自分の国に招待したいって気持ちはわかりますけど、昔は召喚騒ぎもあったくらいですからね」
「召喚術で異世界人を召喚する方法だったか、結果召喚されたのは邪神だったがな。人同士の争いはなくなったが被害も莫大なものだった。私は二度と御免です」
邪神の事を想像して三人とも顔を青くする。
「それにしてもウェールズに来客が絶えないね、十二天にルーファウス様、王様も遊びにこようって計画してるって話だし」
「仕方ないよ。斗真様を王都に連れて行くより来てもらう方が安全だもん」
「そう?そんな変わらないと思うけど?ニーア姉さま達も一度ぽかしてクラウス様に雷落とされてるし」
「強者がいすぎて気配察知が雑になるのよねぇ」
「それにしても、いつものメンツがゾロゾロと並んで、みんな飽きないよねぇ」
「私達も人の事言えませんけどね」
「あたりまえです!人間は日に三回!人生で死ぬまでに食べれる食事の量は決まってるんです!一回でも無駄にはできません!」
真剣な顔で詰め寄るアルトリア。
「斗真さんの食事は美味しいですし、毎回メニュー違いますからね」
「今日は何の日?」
「カツ丼です!トンカツに近いと思います!」
そんな話をしていると三人の番が回ってくる。
「いらっしゃ~い!今日はカツ丼の日だよぉ!」
席に座ると、ほとんど同時に運ばれてくるカツ丼、回転率が速いのが良く伝わってくる、お持ち帰りもやればいいのにとか思ったりもするけど。
超極厚カツ丼!カツの大きさだけでも中々にお腹いっぱいになりそうな、超分厚い豚肉を低温と高温を使いしっかり火を通してレアな部分はなく、中までしっとり火が入っているのに、箸でつまむと柔らかくそして軽くつまんでいるのにじゅわっと脂が出る!シリーズ食材の中でも王の称号をもつ、大王豚を使ったカツ丼で、卵と出汁は後かけになっているので、カツのサクサク感が損なわれず、卵のとろりとして黄身の濃厚さと混ざると、デンプシーを食らったかの様な衝撃を味わえるカツ丼である!!
「うわぁ!丼からはみ出てるじゃん!超豪華!」
「美味しそうねぇ!」
「大王豚だってさ~」
「「「いただきま~す」」」
サックサクのもちもちぷるん!肉の繊維に沿って歯がザクザクと肉を切り裂きながらじゅわわと出る脂が甘く!王の名に恥じぬ濃厚ねっとり感!
「肉うまぁ!トンカツとは全然違うよ!」
「卵の黄身が白身と混ざってるとは思えない程濃厚で贅沢だぁ!出汁とあわせてクリーミー!」
「もぐもぐもぐぐぐもぐぐごごごごご!」
「アルトリアは飲み込んでから喋りなさいよ」
「もご!ごきゅん!こんなの!掻っ込むしか!掻っ込むしかないじゃないですか!?」
サクサクとザクザク歯がスーっと入っていく感覚が快感で、しかも時間経過によって出汁をすって最後の方はちょっとふやけてしまうのだが、むしろその変化がまたいい!しっとりまだちょっと芯がシャクシャクする衣と肉!玉ねぎもアクセントとして最高!で食べ始めると、自分達も含め辺りの席はしーんとしずまりかえり、味噌汁のすする音や水の飲む音、食器の擦れる音だけが聞こえる。
そもそもパン粉をつけて揚げるってなんだ!?パンだぞ!主食なんだぞ!?それを細かくして肉につけて揚げる!それだけで、焼いたとも煮たとも違うサックサクになる。
しかもしっかり火も入ってる!八百万は生も安全に食べれるし、生食の肉や魚目当ての客も沢山いるのだ。
この間の海鮮丼なんかを出す専門店でもきっとお客さんは絶える事はないだろう、だって生で安全に食べれるのだから!それなのにこの店は焼いたり、揚げたり、蒸したり、煮たり、しかも焼きすぎてパサパサになりやすい食材だって多いのに、綺麗にしっかり美味しい温度で出してくる。
稀人様の本職は料理人じゃないってねねちゃんと達がいっていたが本当なのだろうか?料理人以外でこんなに精密な調理ができるのか?聞けばこっちの世界の食材は扱いが難しいとかいっているではないか?それなのにこんなに毎回美味しい料理がなんで作れるんだ?
八百万で食事する人間は、もう男も女も関係ない、丼が出れば丼を片手に飯を掻っ込み!口をパンパンにして咀嚼するのだ!匂い、食感、味!そのどれもが誘惑的に誘う!
見てみろ!アルトリアなんかもう三杯目をお替わりしている。
あの物静かなトモエだって額に汗かきながら丼を食べている。
そんな私だって周りを気にせず思うがままに、米を掻っ込んでいる!これだ!これが気持ちいいのだ!周りを気にして、え~はずかちぃなんていってちびちび食ってらんない!
丼ってのは本能が思うがままに食らうものなのよ!海鮮丼の時はむしろ優雅に味わって上品に食べた。
けどカツ丼は違う!欲望のままに貪るのだ!大振りのカツを口いっぱいに頬張る贅沢感!
「さいっこう!」
口いっぱいに豚の旨味と脂、肉の旨味に衣の香ばしさ!色々な要素が複雑に混じりあう混沌!そこに追い打ちをかけるのは旨味を吸った出汁と卵とタマネギ!これだけ口に入ってるのに味を鮮明に選別できる、どれがどんな旨味か!どんな存在を主張しているかがわかり楽しくなる。
思えば米なんてちょっと前には全然たべたなかった。
箸なんて全然使えなかった。
八百万が出来て通う様になって、米がなきゃ物足りない体になったり、箸が扱えるようになったり、ちょっと前までの自分を振り返る。
アルトリアもトモエも私も、他のみんなも、こんなに食事に感謝した事はあっただろうか?どこか作業的な義務的な、食えればなんでもいいみたいな雑さがあった。
この店に通ってから味わうって事を知った。
アルトリアだって人生の食事の回数なんてことを言いだしたのは最近だ。
みんなみんな、どの子も笑顔が増えた。
笑う事が増えた。
楽しみが増えた。
目的が増えた。
生きる意味が増えた。
たかが飯が毎回の食事が美味いか不味いかだけなのに、たかが美味いか不味いか以上の事を運んできてくれた。
期待してわくわくして、美味しくて、期待に応えてくれて、そして食べた後の満足感。
一日を頑張れる、頑張る理由が増えた。
ライブラのアストライアは丼をダンっと置くと、お茶を飲んでほっとする。
ああ、私は今日も頑張れる、今日も乗り越えていける。
そう!私は生きてる!!
王都には冒険者貴族集団ラウンズが、ウェールズには様々な強者がいるが代表的な人達は5大英雄と十二星座団、隣国、中津国ミルドヴァースには十二天が存在する。
他にも様々な国に十二の数字を元に構成されている戦闘集団や四のつく称号や八人構成の称号などを持つ武人や軍人は多く存在する。
国同士は中が良くても、称号を持つ者同士はどちらが上か、どちらが優れているかで争い中が悪かったりもする。
比較的有名なのがブリタニアの従者部隊ナンバーズ、ニーアを筆頭にした5大英雄、ニーアとクリスタに鍛えられたアテナを中芯とした冒険者少女集団の十二星座団、王都の絶対防衛線ラウンズ、中津国、帝釈天のインドラが率いる12天、獣人3大獣神、ハイエルフの6賢人、エルフの七曜、龍族の八大龍王、魔族の七大罪、聖王国の6翼聖典、超大国の黙示録の四騎士、蓬莱国の三神帝、十二天将、他には天下八仙、十悪など上げたらきりがない程存在し、拮抗している。
もちろんそれ以外にも個人で名をあげている者達も多く存在していて、中には国から賜った称号だったりするので、元や旧がつく人たちもいる。
そんな中ミルドヴァースの12天が稀人奪還の為ウェールズに侵攻した話は各国に広く伝わっていた。
周りの国は、傍観を決め込み、隙があれば恩を売る形で参加しようと企むところもあったが、十二天が命令を不服と感じ禄に交戦もせずにルーファウスに投降する形で終わった。
十二天は3名に分かれ、稀人、斗真に挨拶するべく八百万を訪問予定。
だがウェールズには今、5大英雄はもちろん12星座団までがダンジョンから帰ってきている。
嫌われているミルドヴァースの王族と違い、十二天はまともな常識人なので戦闘は避けられると思うが、果たしてどうなる事か・・・・・。
そしてついに王族みずから、八百万に来店するという、稀人とはいえ相手は一国の王、動くなら斗真の方からが無難なのだが、ブリタニア国王はウェールズの斗真が建築した宿や綺麗に区画整理した街にも興味があるらしく、王自ら八百万に訪れる事を決断したとか、いったいどうなるのか?
そんなこんなで八百万、本日はカツ丼の日!定期的にやる丼の日でも特に人気のでそうな日である。
十二星座団 天秤座ライブラのアストライア 射手座サジタリウスのアルトリア 山羊座カプリコーンのトモエ
「知ってる?十二天の奴ら、ルーファウス様とマーリン様に降伏したんだって、なんでも近々ウェールズに来るらしいよ」
「うげぇ、なんでウェールズにくるんです?」
「それはきっと斗真様に会いにくるのではないでしょうか?」
アストライアは長い金髪の髪にロールがかかっているお嬢様の様な髪型で、八百万の列に並んでいる三人はスタイルもいい、十二星座団のお姉さん組でもある。
トモエは黒髪ロングの美人で華の様な凛とした立ち姿をしている。
アルトリアは肩より少し長い髪を後ろで結んでいたり、たまにお団子にしたりしている。
ちなみにアルトリアの正式な名前は、アルトリア・フォン・ドラゴン、ウェールズ領主のアーサーの妹である。
「最近は平和になったと思ったのだけど、逆にどの国も動きがないのが怖いのよね」
「まぁ久しぶりの稀人様ですからね、できる事なら自分の国に招待したいって気持ちはわかりますけど、昔は召喚騒ぎもあったくらいですからね」
「召喚術で異世界人を召喚する方法だったか、結果召喚されたのは邪神だったがな。人同士の争いはなくなったが被害も莫大なものだった。私は二度と御免です」
邪神の事を想像して三人とも顔を青くする。
「それにしてもウェールズに来客が絶えないね、十二天にルーファウス様、王様も遊びにこようって計画してるって話だし」
「仕方ないよ。斗真様を王都に連れて行くより来てもらう方が安全だもん」
「そう?そんな変わらないと思うけど?ニーア姉さま達も一度ぽかしてクラウス様に雷落とされてるし」
「強者がいすぎて気配察知が雑になるのよねぇ」
「それにしても、いつものメンツがゾロゾロと並んで、みんな飽きないよねぇ」
「私達も人の事言えませんけどね」
「あたりまえです!人間は日に三回!人生で死ぬまでに食べれる食事の量は決まってるんです!一回でも無駄にはできません!」
真剣な顔で詰め寄るアルトリア。
「斗真さんの食事は美味しいですし、毎回メニュー違いますからね」
「今日は何の日?」
「カツ丼です!トンカツに近いと思います!」
そんな話をしていると三人の番が回ってくる。
「いらっしゃ~い!今日はカツ丼の日だよぉ!」
席に座ると、ほとんど同時に運ばれてくるカツ丼、回転率が速いのが良く伝わってくる、お持ち帰りもやればいいのにとか思ったりもするけど。
超極厚カツ丼!カツの大きさだけでも中々にお腹いっぱいになりそうな、超分厚い豚肉を低温と高温を使いしっかり火を通してレアな部分はなく、中までしっとり火が入っているのに、箸でつまむと柔らかくそして軽くつまんでいるのにじゅわっと脂が出る!シリーズ食材の中でも王の称号をもつ、大王豚を使ったカツ丼で、卵と出汁は後かけになっているので、カツのサクサク感が損なわれず、卵のとろりとして黄身の濃厚さと混ざると、デンプシーを食らったかの様な衝撃を味わえるカツ丼である!!
「うわぁ!丼からはみ出てるじゃん!超豪華!」
「美味しそうねぇ!」
「大王豚だってさ~」
「「「いただきま~す」」」
サックサクのもちもちぷるん!肉の繊維に沿って歯がザクザクと肉を切り裂きながらじゅわわと出る脂が甘く!王の名に恥じぬ濃厚ねっとり感!
「肉うまぁ!トンカツとは全然違うよ!」
「卵の黄身が白身と混ざってるとは思えない程濃厚で贅沢だぁ!出汁とあわせてクリーミー!」
「もぐもぐもぐぐぐもぐぐごごごごご!」
「アルトリアは飲み込んでから喋りなさいよ」
「もご!ごきゅん!こんなの!掻っ込むしか!掻っ込むしかないじゃないですか!?」
サクサクとザクザク歯がスーっと入っていく感覚が快感で、しかも時間経過によって出汁をすって最後の方はちょっとふやけてしまうのだが、むしろその変化がまたいい!しっとりまだちょっと芯がシャクシャクする衣と肉!玉ねぎもアクセントとして最高!で食べ始めると、自分達も含め辺りの席はしーんとしずまりかえり、味噌汁のすする音や水の飲む音、食器の擦れる音だけが聞こえる。
そもそもパン粉をつけて揚げるってなんだ!?パンだぞ!主食なんだぞ!?それを細かくして肉につけて揚げる!それだけで、焼いたとも煮たとも違うサックサクになる。
しかもしっかり火も入ってる!八百万は生も安全に食べれるし、生食の肉や魚目当ての客も沢山いるのだ。
この間の海鮮丼なんかを出す専門店でもきっとお客さんは絶える事はないだろう、だって生で安全に食べれるのだから!それなのにこの店は焼いたり、揚げたり、蒸したり、煮たり、しかも焼きすぎてパサパサになりやすい食材だって多いのに、綺麗にしっかり美味しい温度で出してくる。
稀人様の本職は料理人じゃないってねねちゃんと達がいっていたが本当なのだろうか?料理人以外でこんなに精密な調理ができるのか?聞けばこっちの世界の食材は扱いが難しいとかいっているではないか?それなのにこんなに毎回美味しい料理がなんで作れるんだ?
八百万で食事する人間は、もう男も女も関係ない、丼が出れば丼を片手に飯を掻っ込み!口をパンパンにして咀嚼するのだ!匂い、食感、味!そのどれもが誘惑的に誘う!
見てみろ!アルトリアなんかもう三杯目をお替わりしている。
あの物静かなトモエだって額に汗かきながら丼を食べている。
そんな私だって周りを気にせず思うがままに、米を掻っ込んでいる!これだ!これが気持ちいいのだ!周りを気にして、え~はずかちぃなんていってちびちび食ってらんない!
丼ってのは本能が思うがままに食らうものなのよ!海鮮丼の時はむしろ優雅に味わって上品に食べた。
けどカツ丼は違う!欲望のままに貪るのだ!大振りのカツを口いっぱいに頬張る贅沢感!
「さいっこう!」
口いっぱいに豚の旨味と脂、肉の旨味に衣の香ばしさ!色々な要素が複雑に混じりあう混沌!そこに追い打ちをかけるのは旨味を吸った出汁と卵とタマネギ!これだけ口に入ってるのに味を鮮明に選別できる、どれがどんな旨味か!どんな存在を主張しているかがわかり楽しくなる。
思えば米なんてちょっと前には全然たべたなかった。
箸なんて全然使えなかった。
八百万が出来て通う様になって、米がなきゃ物足りない体になったり、箸が扱えるようになったり、ちょっと前までの自分を振り返る。
アルトリアもトモエも私も、他のみんなも、こんなに食事に感謝した事はあっただろうか?どこか作業的な義務的な、食えればなんでもいいみたいな雑さがあった。
この店に通ってから味わうって事を知った。
アルトリアだって人生の食事の回数なんてことを言いだしたのは最近だ。
みんなみんな、どの子も笑顔が増えた。
笑う事が増えた。
楽しみが増えた。
目的が増えた。
生きる意味が増えた。
たかが飯が毎回の食事が美味いか不味いかだけなのに、たかが美味いか不味いか以上の事を運んできてくれた。
期待してわくわくして、美味しくて、期待に応えてくれて、そして食べた後の満足感。
一日を頑張れる、頑張る理由が増えた。
ライブラのアストライアは丼をダンっと置くと、お茶を飲んでほっとする。
ああ、私は今日も頑張れる、今日も乗り越えていける。
そう!私は生きてる!!
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