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一つ目の代価
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放課後、迎えに来た広海が声をかけてもぼんやりと物思いに耽る友紀の姿に咲良と広海はこの後の事を思うと頭が痛い。
きっと、友紀の頭の中でも、俺たちと同じ事で悩んでいるのだと解る。
咲良が友紀の肩をポンと叩き、物思いに終止符をうつ。
「友紀、広海が来たから帰ろう。」
俺達に視線を彷徨わせやっと現実に戻って来た友紀と教室を出る。
この後、愁と薫も一緒に帰る約束をしている待ち合わせ場所に向かうのだが、咲良と広海は、愁が友紀の傷ついた手を見たら悲しむだろうし、事情を聞くだろう。
待ち合わせの正門が視界に入ったと同時に俺達を見つけた薫が手を挙げてるのが見えた。
やたらと緊張する俺達、俯いてしまう友紀、それでも覚悟を決めて前を向く。
「急ごう。」
広海が友紀の手首を持って駆け出す。
「ごめん。お待たせ。」
「いいよ、俺達もさっき来たとこ。」
薫が広海の手を取り恋人繋ぎをしようとして、恥ずかしいと広海に拒まれ、またいつもの口喧嘩を始めてる。それに呆れた視線を向ける咲良。いつもの光景に慣れてきた周囲も優しい雰囲気で眺めながら正門を出て帰っていく。
「友紀、帰ろう。」
優しい愁の声が友紀に向けられる。
「うん。」
いつもの癖で友紀が右手を出して固まる。
怪我をしている手を出してしまった。
包帯の巻かれた手に愁が気づき、
「これはどうしたんだ?」
「あっ、これはちょっと切ってしまったの。」
「何して切ったんだ。」
「えっと、だから、その、あの、で……。」
友紀がしどろもどろになっていたら、校門前だと言うのに愁は怪我をした友紀の手に軽く唇を当てていた。
「可哀想に、痛いだろ?おまじないだ、直ぐ治るように。」
友紀は真っ赤になって俯いてしまったが、愁が「友紀?」と、声をかけると潤んだ瞳を上目遣いに見上げた。
友紀は知らない、気づいていない。
そんな友紀がとんでもなく可愛いという事を。
正門を出て行く生徒が友紀を見て顔を赤らめているのを。
友紀と愁に集まる視線の中、氷の様に冷たい鋭い視線が混じりピリッと空気中に静電気が走る。
視線に敏感な薫が正門側の桜並木に顔を向けた時にはもう不穏な肌を刺す空気は消えていた。
「愁、早くこの場を離れた方が良さそうだぞ。大分と騒がしくなってもきた。」
「解った。嫌な視線でも感じだか?」
「そうだな。冷たい視線を感じたが、今はない。」
「わかった。友紀帰ろう。」
愁が怪我をしていない方の手を取り歩き出した。勿論、その時に友紀の鞄は愁の手の中にあった。
「愁兄、ありがとう。心配かけてごめんなさい。」
「いいよ。帰ったら聞かせてね。これは、絶対だよ。」
「わかった。」
友紀は繋いだ手から愁の温もりが感じられ、心がほわっと穏やかになるのを感じ、ほんのりと微笑んでいた。
愁は友紀が頬を染め微笑む姿に少しだけ安堵した。
友紀達は家の最寄りのバス停で先に降りた。薫だけはそのまま駅までバスで向かいバイトに行くそうだ。
「広海、迎えに行くまで友紀の所にいるようにな。じゃ、行ってくる。」
皆んなで手を振り別れた。
帰り着いた葛城家、友紀と愁が自分達の部屋がある2階に行ったのを確認した広海と咲良は、異様に疲れた身体をリビングのソファに深々と沈める。
「疲れたなぁ、愁さんに誰が説明するんだ?」
咲良が自分だよなぁと諦め半分で広海に聞く。
「現場にいたのは、誰だ。」
「はい、俺だよな。解ってるんだよ、でもなんて説明するんだ?何も解ってないのに。」
「そうだよな。状況だけ話すしかないよな。証拠の教科書は大人に取られたし。でしゃばるなと釘も刺されてる。」
「でも、愁さんも薫さんも引き下がると思います?」
無理だよなぁと二人同時に大きな溜息が出てしまった。
友紀と愁の二人がリビングに戻ってからは、いつも通りの会話がなされ、穏やかな空気の中にいる。
友紀は手の怪我のため愁と一緒にキッチンに立つ事が出来ずしょんぼりとしていた。
「そんなに悲しそうに俯かない。広海や咲良と宿題でもしていろ。今日は任せなさい。」
俯く友紀の頬を両手で上げさせ愁は宥めるように額にキスをする。
「うん、治ったらまた一緒してもいい?」
「あゝいいよ。」
仲睦まじい二人を眺める広海達は、どこから見ても恋人達の語らいなのになぁと溜息が溢れる。
何故、友紀はここまで明白な愁の愛情表現に気づかないのかどうしてなのか理解出来ない。
愁が作ってくれた夕食を四人テーブルを囲み事件のことには誰も触れずに、和やかに過ぎていった。
広海が友紀の代わりに片付けを手伝い終わらせた。
「咲良、飲み物は珈琲、紅茶、ミルク、ココア、緑茶のどれがいい?」
広海が皆んなの飲み物を用意するのに咲良だけ好みが解らず確認の声をかける。
「レパートリー多いな。紅茶はミルクでもいいか?」
「ミルクティーだな、砂糖も入れるか?」
「いや、入れなくていい。」
「了解!」
広海が手際良く慣れた仕草で用意していく。
愁は、携帯に着信がありダイニングを出ていった。
友紀は、この後手の怪我の事を話さないといけない。どう話せば愁が悲しまないか必死で考えを巡らしていた。
帰路の間中、緊張しっぱなしの咲良と広海、愁が3人が見えない所で、『そんなに俺は怖いか?』とガックリと肩を落としてしまっていたんだが。
そんな事も知らずに、3人が三者三様の態度や表情で同じ事柄の事に悩んでいるのを見て、愁は3人には悪いが笑いを止められないでいた。
薫経由で友紀への嫌がらせの報告が纏められてる書類に目を通していた愁は、緊張をしてる咲良に今日の状況説明を聞く為、コトリとコーヒーカップをテーブルに戻し姿勢を正した。
「咲良、頭の中で状況説明が纏まったか?」
「簡潔にで良いですか?ほんとに見たままの事しか話せないと思います。」
「良いよ、事実だけ教えて。」
咲良からは本人が言う様に見たままを順を追っての話だけだった。
「うん、解った。今まで大小関係なく起こった事、ここに纏めたけど抜けてることあるか?」
テーブルに置かれた書類に3人が顔を寄せ眺める。
「三階からの落下物、カッターナイフとドライバー、トイレットペーパーが抜けてる。」
咲良からの指摘に広海が
「ナイフは刃が出た状態じゃないよな?」
「出た状態だよ。」
「マジか。」
広海の呟きが溜息混じりに溢れた。
「トイレの嫌がらせ、ホースで水をかけられたのが3回じゃなくて6回。」
友紀が俯いたままボソリと呟く。
ずーんと重い空気が充満するリビングの戸が開かれ、薫が顔を出す。
「随分と重い空気だな。広海、飯の用意してくれ、賄い食べずに帰ってきた。」
「うん、解った。ちょっと待っていて。」
「薫、手とうがい。」
愁の短い指摘に洗面所に薫は消えていった。
ダイニングテーブルで食事をしながら薫がリビングのソファでグッタリとする面々に呆れる。
「お前ら、いい加減にしろよ!手掛かりがないなら、予防する方法でも考えてみろよ。もしかしたら、そこから何か糸口が見つかるかもしれないだろう?」
「予防しようと俺も咲良も常に一緒に行動してる。それでもおこってるんだ。」
広海が悔しそうに言うが、薫は
「二人がいつも側にいて注意してるから、友紀は怪我をしてなかったんだろ。だったら、よくやったと俺は褒めてやるよ。」
薫が二人を労う言葉をかけ慰める。
「そうだよ。二人のおかげで僕は怪我をしてないよ。」
友紀が笑顔を見せるから、二人にも笑みが浮かぶ。
「今回使われた教科書が見たいよな。それが友紀の物なのか、違うのかで状況が変わるよな。手に入れるしかないか。」
愁が友紀の怪我をした指に指を滑らせながら今回の件について意見というか独り言に近い言葉を吐く。
予防としてやはり今まで通り咲良と広海が友紀の側に必ずどちらかがいるようにする。
後、薫からもう少し視線に敏感になれよ。と言われた。
友紀は合気道を習い始めたのだから、その訓練もやってみろと。
友紀も時々殺気とは違う冷たい視線を感じてはいた。だが、それが何処からなのかまではわからなかった。
「解った、頑張る。」
きっと、友紀の頭の中でも、俺たちと同じ事で悩んでいるのだと解る。
咲良が友紀の肩をポンと叩き、物思いに終止符をうつ。
「友紀、広海が来たから帰ろう。」
俺達に視線を彷徨わせやっと現実に戻って来た友紀と教室を出る。
この後、愁と薫も一緒に帰る約束をしている待ち合わせ場所に向かうのだが、咲良と広海は、愁が友紀の傷ついた手を見たら悲しむだろうし、事情を聞くだろう。
待ち合わせの正門が視界に入ったと同時に俺達を見つけた薫が手を挙げてるのが見えた。
やたらと緊張する俺達、俯いてしまう友紀、それでも覚悟を決めて前を向く。
「急ごう。」
広海が友紀の手首を持って駆け出す。
「ごめん。お待たせ。」
「いいよ、俺達もさっき来たとこ。」
薫が広海の手を取り恋人繋ぎをしようとして、恥ずかしいと広海に拒まれ、またいつもの口喧嘩を始めてる。それに呆れた視線を向ける咲良。いつもの光景に慣れてきた周囲も優しい雰囲気で眺めながら正門を出て帰っていく。
「友紀、帰ろう。」
優しい愁の声が友紀に向けられる。
「うん。」
いつもの癖で友紀が右手を出して固まる。
怪我をしている手を出してしまった。
包帯の巻かれた手に愁が気づき、
「これはどうしたんだ?」
「あっ、これはちょっと切ってしまったの。」
「何して切ったんだ。」
「えっと、だから、その、あの、で……。」
友紀がしどろもどろになっていたら、校門前だと言うのに愁は怪我をした友紀の手に軽く唇を当てていた。
「可哀想に、痛いだろ?おまじないだ、直ぐ治るように。」
友紀は真っ赤になって俯いてしまったが、愁が「友紀?」と、声をかけると潤んだ瞳を上目遣いに見上げた。
友紀は知らない、気づいていない。
そんな友紀がとんでもなく可愛いという事を。
正門を出て行く生徒が友紀を見て顔を赤らめているのを。
友紀と愁に集まる視線の中、氷の様に冷たい鋭い視線が混じりピリッと空気中に静電気が走る。
視線に敏感な薫が正門側の桜並木に顔を向けた時にはもう不穏な肌を刺す空気は消えていた。
「愁、早くこの場を離れた方が良さそうだぞ。大分と騒がしくなってもきた。」
「解った。嫌な視線でも感じだか?」
「そうだな。冷たい視線を感じたが、今はない。」
「わかった。友紀帰ろう。」
愁が怪我をしていない方の手を取り歩き出した。勿論、その時に友紀の鞄は愁の手の中にあった。
「愁兄、ありがとう。心配かけてごめんなさい。」
「いいよ。帰ったら聞かせてね。これは、絶対だよ。」
「わかった。」
友紀は繋いだ手から愁の温もりが感じられ、心がほわっと穏やかになるのを感じ、ほんのりと微笑んでいた。
愁は友紀が頬を染め微笑む姿に少しだけ安堵した。
友紀達は家の最寄りのバス停で先に降りた。薫だけはそのまま駅までバスで向かいバイトに行くそうだ。
「広海、迎えに行くまで友紀の所にいるようにな。じゃ、行ってくる。」
皆んなで手を振り別れた。
帰り着いた葛城家、友紀と愁が自分達の部屋がある2階に行ったのを確認した広海と咲良は、異様に疲れた身体をリビングのソファに深々と沈める。
「疲れたなぁ、愁さんに誰が説明するんだ?」
咲良が自分だよなぁと諦め半分で広海に聞く。
「現場にいたのは、誰だ。」
「はい、俺だよな。解ってるんだよ、でもなんて説明するんだ?何も解ってないのに。」
「そうだよな。状況だけ話すしかないよな。証拠の教科書は大人に取られたし。でしゃばるなと釘も刺されてる。」
「でも、愁さんも薫さんも引き下がると思います?」
無理だよなぁと二人同時に大きな溜息が出てしまった。
友紀と愁の二人がリビングに戻ってからは、いつも通りの会話がなされ、穏やかな空気の中にいる。
友紀は手の怪我のため愁と一緒にキッチンに立つ事が出来ずしょんぼりとしていた。
「そんなに悲しそうに俯かない。広海や咲良と宿題でもしていろ。今日は任せなさい。」
俯く友紀の頬を両手で上げさせ愁は宥めるように額にキスをする。
「うん、治ったらまた一緒してもいい?」
「あゝいいよ。」
仲睦まじい二人を眺める広海達は、どこから見ても恋人達の語らいなのになぁと溜息が溢れる。
何故、友紀はここまで明白な愁の愛情表現に気づかないのかどうしてなのか理解出来ない。
愁が作ってくれた夕食を四人テーブルを囲み事件のことには誰も触れずに、和やかに過ぎていった。
広海が友紀の代わりに片付けを手伝い終わらせた。
「咲良、飲み物は珈琲、紅茶、ミルク、ココア、緑茶のどれがいい?」
広海が皆んなの飲み物を用意するのに咲良だけ好みが解らず確認の声をかける。
「レパートリー多いな。紅茶はミルクでもいいか?」
「ミルクティーだな、砂糖も入れるか?」
「いや、入れなくていい。」
「了解!」
広海が手際良く慣れた仕草で用意していく。
愁は、携帯に着信がありダイニングを出ていった。
友紀は、この後手の怪我の事を話さないといけない。どう話せば愁が悲しまないか必死で考えを巡らしていた。
帰路の間中、緊張しっぱなしの咲良と広海、愁が3人が見えない所で、『そんなに俺は怖いか?』とガックリと肩を落としてしまっていたんだが。
そんな事も知らずに、3人が三者三様の態度や表情で同じ事柄の事に悩んでいるのを見て、愁は3人には悪いが笑いを止められないでいた。
薫経由で友紀への嫌がらせの報告が纏められてる書類に目を通していた愁は、緊張をしてる咲良に今日の状況説明を聞く為、コトリとコーヒーカップをテーブルに戻し姿勢を正した。
「咲良、頭の中で状況説明が纏まったか?」
「簡潔にで良いですか?ほんとに見たままの事しか話せないと思います。」
「良いよ、事実だけ教えて。」
咲良からは本人が言う様に見たままを順を追っての話だけだった。
「うん、解った。今まで大小関係なく起こった事、ここに纏めたけど抜けてることあるか?」
テーブルに置かれた書類に3人が顔を寄せ眺める。
「三階からの落下物、カッターナイフとドライバー、トイレットペーパーが抜けてる。」
咲良からの指摘に広海が
「ナイフは刃が出た状態じゃないよな?」
「出た状態だよ。」
「マジか。」
広海の呟きが溜息混じりに溢れた。
「トイレの嫌がらせ、ホースで水をかけられたのが3回じゃなくて6回。」
友紀が俯いたままボソリと呟く。
ずーんと重い空気が充満するリビングの戸が開かれ、薫が顔を出す。
「随分と重い空気だな。広海、飯の用意してくれ、賄い食べずに帰ってきた。」
「うん、解った。ちょっと待っていて。」
「薫、手とうがい。」
愁の短い指摘に洗面所に薫は消えていった。
ダイニングテーブルで食事をしながら薫がリビングのソファでグッタリとする面々に呆れる。
「お前ら、いい加減にしろよ!手掛かりがないなら、予防する方法でも考えてみろよ。もしかしたら、そこから何か糸口が見つかるかもしれないだろう?」
「予防しようと俺も咲良も常に一緒に行動してる。それでもおこってるんだ。」
広海が悔しそうに言うが、薫は
「二人がいつも側にいて注意してるから、友紀は怪我をしてなかったんだろ。だったら、よくやったと俺は褒めてやるよ。」
薫が二人を労う言葉をかけ慰める。
「そうだよ。二人のおかげで僕は怪我をしてないよ。」
友紀が笑顔を見せるから、二人にも笑みが浮かぶ。
「今回使われた教科書が見たいよな。それが友紀の物なのか、違うのかで状況が変わるよな。手に入れるしかないか。」
愁が友紀の怪我をした指に指を滑らせながら今回の件について意見というか独り言に近い言葉を吐く。
予防としてやはり今まで通り咲良と広海が友紀の側に必ずどちらかがいるようにする。
後、薫からもう少し視線に敏感になれよ。と言われた。
友紀は合気道を習い始めたのだから、その訓練もやってみろと。
友紀も時々殺気とは違う冷たい視線を感じてはいた。だが、それが何処からなのかまではわからなかった。
「解った、頑張る。」
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