冥代文献

宮㠘 艮

文字の大きさ
1 / 2

前書

しおりを挟む
これが冥代文献・・・

「はい。

現存する冥代文献写本はこの三巻のみの筈です。
地の巻は私が現役時代にボストン公共図書館から。
天の巻と人の巻はバチカン図書館から同僚が持ち出したものです。」

確か、海軍閏島(うりゅうじま)学校・・・の出身でしたね?
つまりこれだけ膨大な史料を記憶術のみで・・・

「はい、そうです。
要するにスパイ、謀略組織ですね。」

自身を閏島学校の出身と言う高原老人は百歳を優に越えた老齢とは思えぬ滑舌の良い受け答えをしてくれた。

あの神社にあった冥代文献原典は廃仏毀釈の時に焚書されてしまった筈ですよ。


「ええ、大部分はあの神主の手による贋作です。
だって彼自身が焚書に荷担していた訳ですからね。」

そう。彼がとんでもない過ちに気付いたのは何と昭和になってからだった。

「はい、わずかに残っていた口伝を参考に『高志古伝(こしこでん)』や『毛人国風土記(もうじんこくふどき)』『紋田家文書(もんだけもんじょ)』等といった先行する様々な偽書を剽窃しながら創作された物です。
帝大は騙せても我々の目を欺く事は出来ない。」

これをどうする気ですか?

「・・・私は元来、超古代文明と言うものの実在を全く信じてはいませんでした。
我々の冥代教への潜入捜査もあくまで主義者の教団への浸透工作の兆候を察知したからです。」

・・・

「私は霊質文明(アトランティス・サイド)の産み出した精神感応文字(ペトログリフ・ホーミー)による人類奴隷化を試みる者達を許すつもりはありません。」

しかし、あくまで仮の話ですがもしも冥代文献ですら偽書であったとしたら?
精神感応文字の脅威は別にして貴方は冥代文献を何故そこまでしてまで守って来たのですか?

「・・・」


「成る程・・・貴方方はもうそこまで掴んでいるのですか。
これは、あくまで私の推測なのですが・・・」

聞かせて下さい。

「・・・エイリアン達にとっては最初から地球人によって偽書が捏造される事すら折込み済みの計画だったのでしょう。」

は!

「タイムマシンによる未来予知によって・・・精神感応文字が偽造される事すらも彼等は知っていた。」

「冥代文献写本と本来この世に存在しない筈の冥代文献原典を読み比べてみました。」

そんな!一体どうやって?

「霊媒体質の同僚が居ましてね。
卑弥呼の居た時代にまで霊体をタイムトラベルさせ彼女達に直接話を聞いたそうです。
彼は任務を成功させた直後に絶命してしまいましたが・・・」


・・・ゴクリ

「物質文明(アース・サイド)の為政者によってどれ程内容を焚書されようとも改竄されようとも・・・"それ"を"文字そのもの"が覚えている。
あの冥代教の巫女の様な強大な霊媒者にとっては全てが一目瞭然なのでしょう。
ベートーベンの名曲の音符を例えたった一つでも消してしまえば世界中の音楽家にそれはすぐにバレてしまう。
分かりやすく言うならば文字の形状記憶合金ですな。」

!?

文体が・・・・その記述が真実でなければ、それを読む者にとって非常な不快感を与える構造になっている文字・・・美を求める者が居る限り絶対に消滅する事が無い・・・むしろ改竄されたテキストが広められる事を前提に・・・

「歴史とは実に皮肉なものです。
我々、物質文明が霊質文明の兵器を自分達でわざわざ暗号化し後生大事に守っていた訳ですからね。」



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

月弥総合病院

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし

かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし 長屋シリーズ一作目。 第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。 十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。 頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。 一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。

日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-

ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。 1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。 わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。 だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。 これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。 希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。 ※アルファポリス限定投稿

四代目 豊臣秀勝

克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。 読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。 史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。 秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。 小牧長久手で秀吉は勝てるのか? 朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか? 朝鮮征伐は行われるのか? 秀頼は生まれるのか。 秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

 神典日月神示 真実の物語

蔵屋
歴史・時代
 私は二人の方々の神憑りについて、今から25年前にその真実を知りました。 この方たちのお名前は 大本開祖•出口なお(でぐちなお)、 神典研究家で画家でもあった岡本天明(おかもとてんめい)です。  この日月神示(ひつきしんじ)または日尽神示(ひつくしんじ)は、神典研究家で画家でもあった岡本天明(おかもとてんめい)に「国常立尊(国之常立神)という高級神霊からの神示を自動書記によって記述したとされる書物のことです。  昭和19年から27年(昭和23・26年も無し)に一連の神示が降り、6年後の昭和33、34年に補巻とする1巻、さらに2年後に8巻の神示が降りたとされています。 その神示を纏めた書類です。  私はこの日月神示(ひつきしんじ)に出会い、研究し始めてもう25年になります。  日月神示が降ろされた場所は麻賀多神社(まかたじんじゃ)です。日月神示の最初の第一帖と第二帖は第二次世界大戦中の昭和19年6月10日に、この神社の社務所で岡本天明が神憑りに合い自動書記さされたのです。 殆どが漢数字、独特の記号、若干のかな文字が混じった文体で構成され、抽象的な絵のみで書記されている「巻」もあります。 本巻38巻と補巻1巻の計39巻が既に発表されているが、他にも、神霊より発表を禁じられている「巻」が13巻あり、天明はこの未発表のものについて昭和36年に「或る時期が来れば発表を許されるものか、許されないのか、現在の所では不明であります」と語っています。 日月神示は、その難解さから、書記した天明自身も当初は、ほとんど読むことが出来なかったが、仲間の神典研究家や霊能者達の協力などで少しずつ解読が進み、天明亡き後も妻である岡本三典(1917年〈大正6年〉11月9日 ~2009年〈平成21年〉6月23日)の努力により、現在では一部を除きかなりの部分が解読されたと言われているます。しかし、一方では神示の中に「この筆示は8通りに読めるのであるぞ」と書かれていることもあり、解読法の一つに成功したという認識が関係者の間では一般的です。 そのために、仮訳という副題を添えての発表もありました。 なお、原文を解読して漢字仮名交じり文に書き直されたものは、特に「ひふみ神示」または「一二三神示」と呼ばれています。 縄文人の祝詞に「ひふみ祝詞(のりと)」という祝詞の歌があります。 日月神示はその登場以来、関係者や一部専門家を除きほとんど知られていなかったが、1990年代の初め頃より神典研究家で翻訳家の中矢伸一の著作などにより広く一般にも知られるようになってきたと言われています。 この小説は真実の物語です。 「神典日月神示(しんてんひつきしんじ)真実の物語」 どうぞ、お楽しみ下さい。 『神知りて 人の幸せ 願うのみ 神のつたへし 愛善の道』  歌人 蔵屋日唱

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

処理中です...