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3章 堕とされる嫁
20、断罪
しおりを挟む◻️リオンサイド
「お待たせ。リオン、ルーク、ごめんなさいね。まさかこんなことになっていただなんて。すぐに浄化するわ。」
その声はとても暖かく慈愛に満ちていた。俺たちとサキュバスたちの間に降り立ったみっちゃんに、安堵する。俺たちをキラキラとした光の粒子が降り注がれると、身体が軽くなった。さっきまで感じていた澱んだなにかが浄化されていく。
やっと支配から脱することが出来た。
「リオン、ルークごめんなさい。淫気が溜まってることは分かっていたの。でも既にもうルークのお腹には、彼らを宿していたから見守るしか出来なかった。でもこんなことになるなんて、思ってもみなかったわ。本当にごめんなさい。」
みっちゃんの顔は悲痛そうな顔をしている。ルークが、俺の手をギュッと握ってきて、見上げると力強い目が見えた。
「それについては、また後で話を聞くとして彼らをこのまま野放しにするのか?」
インキュバスとサキュバスをギリッと睨みつける。
《ひっ、パパっ、すごい顔をしているわ。》
《・・・・・・・・・。》
「もう既にあなたたちの力は封印したし、それでなくてもあなたたちの力は、もうないに等しいわ。」
《ど、どういうことよ!》
「まだ分からないの?もう魅了は使えないわよ。」
サキュバスの魅了は、固有スキルで何もしなくても備わっているものだ。だが、それを淫魔として産まれた彼らが使えないというのは。
《きゃあああっ、な、なんで?!なんで、使えないっ!さっきは使えたのに!サキュバスの王たる私がなんで?!!
何をしたの、創造神!?!》
「リオン、ルークこの子達は、あなたたちの精子と卵子を使って受肉しているわ。」
「え?」
ルークと一緒に驚く。
「俺たちの?うそだろ?こいつら、俺たちの子どもなのか?」
思わず呟くと、噛み付くように
バプゥ、バブゥ
《失礼ね!私は、ちゃんとリオンとルークの娘よ!》
何故か突然ばぶばぶと騒ぎ出すサキュバス。しかも副音声まで聞こえる。
「どういうことだ?」
バブバブ!
《ちゃんと、種を仕込む時、パパの精子とママの卵子で受精したもの!》
え?
ばばぶぶ!
《だから、散々言ってるでしょ?パバ、ママって!それに、私達の容姿を見ておいてまだそんな疑うのかしら??!》
確かに俺とルークの色を受け継いでいるけど・・・。それを素直に鵜呑みには出来ない。俺たちにあんなことを強いてきたやつらの言うことを。
そんな俺にルークが、
「多分本当だと思う。さっきから彼らを見ると、抱きしめたくてしょうがなくなる。あんなことをされたのに、彼らを憎めない・・・。」
信じられないことを言ってきた。
「何を言っているんだ?ルーク、あんなことをされたんだぞ?!」
「あぁ、それはそうなんだが。何故かやっとリオンの子を産めたっていう気持ちの方が強いんだ。」
信じられないが、ルークの顔は真剣そのもので、彼らを見る目の中に怒りとともに愛情も感じられた。
「お前たち、俺たちの本物の子どもなの?」
まだ疑心暗鬼な俺に、噛み付くように
ばぶぶーーー!
《そうだって言ってるじゃない!》
ど、どうしよう?そんな俺に、みっちゃんが、
「2人の種を使っているから、弱体化しているの。」
ばぶぶ?
《な、なによ、それ?!》
「だってリオンとルークは、聖なる精子と聖なる卵子へと進化しているの知らなかったの?
淫気を祓う力が働くに決まっているじゃない。あなたたちの身体、聖なる気を纏っているわよ。」
ばぶばぶぶーーーっ!ぶぶぶ!
《なんですってぇーーーっ!淫魔なのに聖気って何よ、それ!聞いた事ないわよ!!っ!なんで、インキュバス、黙っているのよ!あなたも何か言いなさいよ!》
ばぶぅばぶ
《・・・。もう諦めろ。サキュバス、私たちにもう出来ることはない。》
インキュバスの言葉に何か言いそうになるが、どうすることもないと思ったのか、今度は泣き始める。
うぎゃあああ、おぎゃあああー~~~~~!!!
《うわーーん、うわぁあーーーん!》
サキュバスは泣き続け、しまいにはインキュバスも泣き始めた。
「全く、今更泣いても遅いわよ!これからバシバシこき使ってやるわっ!」
みっちゃんのその言葉にまた泣き声が大きくなる。
そんなみっちゃんに、ルークが一歩前に飛び出すと、
「みっちゃんっ!あ、あの・・・」
「ルーク、それはお勧めしないわ。彼らは、あなたたちを苦しめた張本人なの。それを分かった上でもそれを望むの?」
厳しい目でルークをみつめるみっちゃんに、ルークは躊躇ったのち、力強く顔を上げると、
「確かに、散々狂いそうなぐらい酷い目にあわせられてきた。俺の気持ちを弄ばれ、しまいにはあんなことにも・・・。でも、それでもその子たちはやっと、俺が欲しかったリオンとの間の子どもなんだ!」
「・・・ふぅ、ルークはこう言っているけど、リオンはどうなの?」
ルークはその言葉にビクッと身体を震わせてると、表情を強ばらせて見てくるが、その目にはあきらめないとい意志を感じた。
「強いなルークは。そんな目で見られると俺が断れるはずないじゃない。みっちゃん、俺からも頼む。彼らを、俺とルークの子どもを奪わないでくれ。」
「・・・全く、しょうがないわね。その子たちも淫魔王としての力はもうないし、でも何かあったら問答無用で懲らしめるから!」
俺たちの願いに、最終的に折れてくれたみっちゃん。ルークと顔を合わせて、ホッと息を吐く。
そんな俺たちに、
「どういうことだ?」
アスが、声をかけてきた。その顔は、顔面蒼白で今にも倒れそうになってる。その腕の中には、泣き疲れている赤ん坊がいた。
心配になってルークをみると、痛ましい顔をしている。ルークを抱き締めて、俺の顔を向かせると、
「俺に任せて。ルークは、何も心配しなくていいから。」
そう伝える。俺の言葉に涙を潤わせると、こくんと小さく頷いてくれた。
ルークに優しく微笑むと、アスに向かい合う。
「俺とルークは、淫魔に操られていたんだ。仮面パーティで再会した時にはな。操られてなかったら、ルークを諦めていないお前には会わせなかったし、あんなことはさせなかった!
あの時操られた俺をいますぐにでも殴りたいぐらいだ。
だが、お前もその子もサキュバスたちに利用されたから、お前たちをどうにかしようとは思ってはいない。しかしお前とは、親子の縁を切る。」
「っ!!」
「お前もそれを望んでいるだろうし。そして、お前とその子は、一生ルークとは会わせない、ルークの子としても認めない。」
続けて俺が言い放つ言葉に、アスは身体を震わせている。
キッと俺を睨みつけると、怒気を含ませ
「この子は、俺とルークが愛し合って出来た子どもだ!」
「違うっ!俺は愛していない!その子も産みたくなかった!!!」
アスの言葉に畳み掛けるようにルークが、声を荒らげて否定した。子どもには罪はないが、その子がいる事でルークの心の平穏は訪れない。
アスは、愛するルークから否定されたことにショックを受けている。
「そういうことだ。お前は、もう俺たちの子でもなんでもない。赤の他人だ。だから、これからお前とその子どもとは、一生邂逅することもない。そしてそれは、破られることも無い。
このマジックバックには、粉ミルクと作り方が入っている。あと赤ん坊の服もな。ほら、まずは1本作ったものをあげるから、飲ませてあげろ。」
そう言うと哺乳瓶を1本わたす。アスは、ノロノロとそれを受け取ると、赤ん坊の口に含ませる。むぐむぐっ勢いよく飲んでいた。
粉ミルクは、色んなところに輸出されているし、王国の製品じゃなければどこでも手に入る。それにアスも今まで弟妹の世話をしていたから、育児は問題ないだろう。
後ろを振り返ってみっちゃんをみると、頷いてくれた。
みっちゃんによって、赤ん坊の中にある妖精の血を封印する。子孫代々続く封印だ。誰であろうともそれは解くことは出来ない。
「元気で暮らせよ。じゃあな、アス。」
そう言うと、マジックバック内から一言も声を発する間もなく排出した。
俺の身体を抱きしめてくるルーク。その腕は震えていた。
「大丈夫だ。アスは、強い。ルークは、俺の事だけ考えておけばいい。それにすぐに俺以外考えられなくしてあげるから♡」
そう言葉にこれから始まることを含ませると、「馬鹿っ」 って言いながら顔を赤く染めてくれる。
そんな俺たちに、
ばぶばぶぅ
《お腹すいたぁ。ママ、おっぱいちょうだい。
ちょうだいったら、ちょうだい、うぇえーーーん!ほら、インキュバスも何遠い目をしているのよ!》
ばぶぶぅ、ばぶぅううーーーー!
《ま、そういう事だ。リオン、ルーク、これからよろしく頼む。うぇーーーーん!!》
2人の赤ん坊に殺意が湧くがルークは大変っていいながら、ワンピースのボタンを外すと、抱き寄せてお乳をあげ始めた。
むぐっむぐっむぐっ♡
うっ、やっぱり豊満な雄っぱいに赤ちゃんの光景は、股間に来るものがある。しかし飲み方が必死すぎて、本当に普通の赤ん坊みたいだ。
「本当に良かったの?」
みっちゃんが、呆れながらもそう聞いてくる。俺たちが既に彼らを受け入れているのを分かっているのか、笑顔だ。
「ありがとう。みっちゃん、感謝している。」
「ルークのお願いだからね。あの時、なんであんな願いを言ったのか分からなかったけど。」
当時を思い出しながらそう言うみっちゃんに、苦笑すると
「まぁ、こんなことになるとは、思ってもみなかったけど、本当にありがとう。」
お礼を口にする。
やっとサキュバスとインキュバスが、満足したのか乳首から口を離すとぷわぁと満足そうに声を出した。ルークによって背中をトントンされ、げっぷしている。
ばぶばぶばっぶぅ♡
《ぷはっ♡美味しかったぁ。初めて飲んだけど、最高だわっ!私、気に入った♡♡♡》
ばぶぅばぶばぶ
《私も、母乳というのを初めて飲んだが、こんなにもまろやかかで、美味しいものなのか。これは確かにリオンが、毎朝飲むのがわかるな。》
「な、な、なっ!み、見ていたのか?!」
ばぶ、ばぶばぶ。
《お前たちを申し子にしてからは、常に傍にいたぞ。あと、ちゃんとこれは言っておいたほうがいいな。
お前がアスとの営みに、我を忘れるほど快楽に陥ったのは、私たちのせいだ。》
「「っ!!!!」」
「それは、どういうことだ?」
ばぶばぶばぶぶ
《リオンが、ルークの胎内に抑制を掛けただろう?そのため、アスが快感を与えようと今一歩のところで、ルークが完全に落ちない。だからこそ、サキュバスによって快感を増幅させていたのだ。》
「あの乱れようは、そういうことか。」
ばぶばぶぶぅ♡
《そうよぉ。そりゃ、童貞卒業して何ヶ月って男が、エロエロルークを落とせるわけないじゃない。リオンに身も心も完全に堕ちているのに♡♡♡》
その言葉に、ルークの顔が真っ赤に染まって、俺の頬はだらしなく緩んでしまった。
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