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Episode3 プロデュース第二弾
キスってとても難しい(龍輝side)①
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三回目のデートは一つの分岐点―――マッチングアプリの大先輩である五十嵐からはそう言われた。
これから深まる付き合いとなるのか、それとももう未来はなくなるのか。
幸い、俺たちは二回目のデートで互いの気持ちを確かめ合えた……はず。
龍輝はそう思ってほうっと安堵の息を漏らした。
そうなると、三回目のデートは付き合いたてほやほやのカップルデートとなる。
互いをもっと知るために、今までとは違った一面を見せ合うために、趣向を変えたデートにするといいとアドバイスされた。
でも、どうすればいいのかな?
と思っていたら、早速一華からナイスな提案があった。
スポーツジムって、流石だな、一華さん。
今までと全然違うから楽しそうだ。
そう言えば、ここのところ仕事にかまけて体をまともに動かしていなかったなと後悔する。学生時代とは違って、疲れて痩せて枯れている。
これはまずいなと思った。
よし、これからはちょっと筋トレもしよう!
そうは思っても、帰ればいつも日付が変わる日々は体力がギリギリだった。
こんな生活も、少しずつ見直して仕事の仕方も調整していかないといけないな。
今までは興味に任せて、あれもこれも手を出してきた仕事を、少し整理しようと思った。
五十嵐さんは結婚してから、ちゃんと仕事の配分をしている。もちろん、どうしても残業しないといけない時も多いけれど、帰れるときはスパッと帰って、ちゃんと奥さんとの時間も大切にしているよな。見習わないと。
頼れる先輩の背を、感謝と尊敬の念を込めて見つめたのだった。
「な、なんか視線を感じる」
ぞわっとして振り向いた五十嵐。にっこり微笑み返す龍輝。
「なんだ、お前か。その意味深な笑みはなんだ?」
「いえ、五十嵐さんと会えて良かったなって、つくづく感謝していたところです」
「……それ、なんか使いどころ間違ってないか? そう言うのは彼女に言うもんだろうが」
「一華さんにも……いつかちゃんと伝えます」
「うおーっと、さらりと惚気やがって」
「でも今は、五十嵐さんに感謝しています。一華さんと出会えたのだって、五十嵐さんのお陰だし」
「おう。じゃあ、いつか倍返ししてもらうからな」
「はい!」
ふっと笑った五十嵐。早速お節介心が疼く。
「で、三回目のデートはどうするんだよ」
「スポーツジムに行くことになりました」
「おお、いいじゃん。二人で一緒に体を動かして、汗をかいて楽しむのはいいな。で、筋肉痛になって翌日撃沈。歳を感じて早く結婚しようと思う」
「アハハ!」
「笑いごとじゃ無いぞ。いつまでも若くないからな。彼女に情けないところ見せたく無かったら、少しずつ体を慣らしていった方がいいぞ」
「そうですね。そうします」
今夜から寝る前に筋トレだ! と龍輝は密かに決意したのだった。
これから深まる付き合いとなるのか、それとももう未来はなくなるのか。
幸い、俺たちは二回目のデートで互いの気持ちを確かめ合えた……はず。
龍輝はそう思ってほうっと安堵の息を漏らした。
そうなると、三回目のデートは付き合いたてほやほやのカップルデートとなる。
互いをもっと知るために、今までとは違った一面を見せ合うために、趣向を変えたデートにするといいとアドバイスされた。
でも、どうすればいいのかな?
と思っていたら、早速一華からナイスな提案があった。
スポーツジムって、流石だな、一華さん。
今までと全然違うから楽しそうだ。
そう言えば、ここのところ仕事にかまけて体をまともに動かしていなかったなと後悔する。学生時代とは違って、疲れて痩せて枯れている。
これはまずいなと思った。
よし、これからはちょっと筋トレもしよう!
そうは思っても、帰ればいつも日付が変わる日々は体力がギリギリだった。
こんな生活も、少しずつ見直して仕事の仕方も調整していかないといけないな。
今までは興味に任せて、あれもこれも手を出してきた仕事を、少し整理しようと思った。
五十嵐さんは結婚してから、ちゃんと仕事の配分をしている。もちろん、どうしても残業しないといけない時も多いけれど、帰れるときはスパッと帰って、ちゃんと奥さんとの時間も大切にしているよな。見習わないと。
頼れる先輩の背を、感謝と尊敬の念を込めて見つめたのだった。
「な、なんか視線を感じる」
ぞわっとして振り向いた五十嵐。にっこり微笑み返す龍輝。
「なんだ、お前か。その意味深な笑みはなんだ?」
「いえ、五十嵐さんと会えて良かったなって、つくづく感謝していたところです」
「……それ、なんか使いどころ間違ってないか? そう言うのは彼女に言うもんだろうが」
「一華さんにも……いつかちゃんと伝えます」
「うおーっと、さらりと惚気やがって」
「でも今は、五十嵐さんに感謝しています。一華さんと出会えたのだって、五十嵐さんのお陰だし」
「おう。じゃあ、いつか倍返ししてもらうからな」
「はい!」
ふっと笑った五十嵐。早速お節介心が疼く。
「で、三回目のデートはどうするんだよ」
「スポーツジムに行くことになりました」
「おお、いいじゃん。二人で一緒に体を動かして、汗をかいて楽しむのはいいな。で、筋肉痛になって翌日撃沈。歳を感じて早く結婚しようと思う」
「アハハ!」
「笑いごとじゃ無いぞ。いつまでも若くないからな。彼女に情けないところ見せたく無かったら、少しずつ体を慣らしていった方がいいぞ」
「そうですね。そうします」
今夜から寝る前に筋トレだ! と龍輝は密かに決意したのだった。
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