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最後の異世界生活~カノン編~
~大会後の日常~
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空手の大会、本選最終日から三日後。
この日、カノンは朝から部活に行くための準備を行っていた。
あの後の戦績はと言うと…。
主将もとい柊さんは決勝戦敗退で地区二位。
団体戦は準決勝で敗退、地区三位となった。
表彰式に至っては、初めての事なはずなのに、カノンは令嬢生活の事もあり、人前に出るのは慣れている為か、堂々とメダルと表彰状の授与を終えた。
カノンは帰るまで涙を流さずにいたが、表彰式の最中、そんなカノンに代わり、カノンの日頃の努力を知っている結や|原さんは目にいっぱいの涙を溜めながら表彰式を見守っていた。
徹や峰岸君も悔しそうな表情を浮かべており、要でさえも、込み上げそうになっている感情を唇を噛みながら堪えて事を見守っていた。
表彰式が終わり、カノンが皆のもとへ戻ると、ファンの皆からは労いの言葉の嵐を受け、原さんや結からは抱き着かれ、号泣された。
徹や要、峰岸君に関しては遠くからその様子を静かに、優しい笑顔で見守っていた。
カノンはそんな阿鼻叫喚の様子に少し苦笑いを浮かべながらも、皆に今までの応援の感謝を伝えた。
そのカノンの言葉に皆は一層涙し、再度言葉を掛けた。
「(あれから三日後…。個人戦は、柊さんは決勝敗退で、地区二位…わたくしは三位…。
団体戦に至っては、相手の学校…たしか、優勝候補と言われている所と対戦したのですわ。
皆さん、調子よかったにもかかわらず、準決勝で歯が立たず、惜しくも三位となったのですわよね。
……当然ですが、勝ち進むにつれて強い方ばかりで…苦戦を強いられましたわ…。
ですが、試合…楽しかったです。
初めてメダルというものも頂きましたし…頑張った成果がこうして目に見える…そして、重み…悪くないですわ。
でも、もっとあの時……いえ、反省も後悔も十分というくらい、たくさんしましたわ。
結お母様達にも気を遣わせてしまいました。
お夕食やデザート…あらゆる事に力が入っていましたものね…。
今日は帯階級の昇給試験があるのですよね…それに向けて頑張らねば!)」
カノンは時折メダルを見つつ、支度を済ませ部屋を出た。
世間は夏休み期間だが、平日の為、徹や結は仕事に出かけており、要はまだ部屋から出てきていないようだった。
その為、朝食を採るためにダイニングテーブルに来たカノンは、一人で朝食を済ませる事になった。
朝食を済ませたカノンは、必要な荷物を持って家を出て、学校の武道場に向かった。
カノンが武道場に着くと、何人かのチームメイトが既に到着しており、部活の準備を始めていた。
カノンもその準備に合流するべく、早々に着替えを済ませ、準備に合流した。
「一ノ瀬さん、おはよう!今日はいよいよ昇級試験だね!しかも、先生の計らいで、初段までの試験!」
「柊さん!おはようございます!昇級試験…ドキドキしていますわ。あと……。」
「…?」
「この試験が終わったら…部活は引退…なのですよね。それは少し寂しいです…。」
「そっか…そうだね…。私も、この夏休み中に引継ぎしなきゃだし…。でも、来ようと思えば来れるんだし、あまり気に病む事ないよ!
あー…でも、受験が控えてるし…そんな頻繁には難しいか…。」
「そうですわね。(受験…美桜さんの将来…。わたくしが決める訳にも行かないので、進路は保留にしてもらっているのですよね…。)」
カノンと柊さんが準備をしながら話していると、顧問の先生が到着し、部活が始まった。
そんな部活の最中、カノンは顧問の先生の案内で昇級試験を受けていった。
一通り試験が終わり、結果は後日という事を聞き、他の部の皆と合流し、部活終了の時間まで励んだ。
カノンは、部活終わりにいつものように校舎内の第三音楽準備室に寄り、少しだけピアノの練習をしてお昼過ぎには家に帰宅した。
その日の夜。
カノンは一ノ瀬家の皆と食卓を囲み、夕食を採っていた。
「この間の試合、惜しかったわね。」
「はい、その節はお夕食やデザートを豪華にして頂き、気を遣わせてしましました。すみません…。」
「そんな事、気にしないで。もともとお疲れ様と言う意味で、作る予定だったの。」
カノンはお箸を動かしながら、結と話しており、その会話を徹や要も箸を動かしながら静かに聞いていた。
「それにしても…また、意識が引っ張られる感覚に襲われたって…。」
「…はい…あの後、いのりちゃん達にもお話したのですが…。
どうして突如そんな事になったのか見当がつかないのです。」
「そっか…。」
「今はもう平気ですので、ご心配無用ですわ。」
カノンが心配の表情を浮かべる結を安心させるように優しく微笑むと、それまで静かに聞いていた要が二人の話に入ってきた。
「そういやお前…大会も終わって、昇級試験も終わって、今日で部活引退だったんだろ。これからどうするんだ?
こっちに来た時に言ってた知識向上とか、技術向上をするのか?」
「そう…ですわね…。必要と思う知識はもう、ルーズリーフいっぱいに書き込みましたし…。あとはひたすら復習するだけですわ。」
「ふーん…。この間、インテリアとかも勉強してなかったか?図書館で雑誌まで借りて…何かいる知識なのか?」
要はぶっきらぼうだが、少し気になった事をカノンに聞いてみた。
そんな要の問いに、カノンは箸を動かしながらも答えた。
「インテリアは…療養施設用に勉強しているのですわ。」
「療養…?」
カノンと要の話に入ってきたのは徹だった。
「…とある事件で、心を痛めた女性が多くいるのですわ…。
その方達の心を休める為の施設に、配置する家具などを勉強しているのです。
いのりちゃんに教えてもらった音楽療法や、カウンセリングの勉強もしていますの。」
「そうか…。カノンさんの国にもそんな事が…。」
「はい…。初めてこちらの世界に来た時、わたくしも同じ事思いましたわ。
どの世界にも、似たような事が起こるのだと…。
あ!そうですわ!療養施設で思い出した事があるのですが、来週の日曜日、皆さんのお時間、頂けませんか?」
「「「???」」」
カノンのふと思い出した要件に三人は、疑問の表情を浮かべ、徹と結は快く頷き、要だけは相変わらずぶっきらぼうに頷いた。
この日、カノンは朝から部活に行くための準備を行っていた。
あの後の戦績はと言うと…。
主将もとい柊さんは決勝戦敗退で地区二位。
団体戦は準決勝で敗退、地区三位となった。
表彰式に至っては、初めての事なはずなのに、カノンは令嬢生活の事もあり、人前に出るのは慣れている為か、堂々とメダルと表彰状の授与を終えた。
カノンは帰るまで涙を流さずにいたが、表彰式の最中、そんなカノンに代わり、カノンの日頃の努力を知っている結や|原さんは目にいっぱいの涙を溜めながら表彰式を見守っていた。
徹や峰岸君も悔しそうな表情を浮かべており、要でさえも、込み上げそうになっている感情を唇を噛みながら堪えて事を見守っていた。
表彰式が終わり、カノンが皆のもとへ戻ると、ファンの皆からは労いの言葉の嵐を受け、原さんや結からは抱き着かれ、号泣された。
徹や要、峰岸君に関しては遠くからその様子を静かに、優しい笑顔で見守っていた。
カノンはそんな阿鼻叫喚の様子に少し苦笑いを浮かべながらも、皆に今までの応援の感謝を伝えた。
そのカノンの言葉に皆は一層涙し、再度言葉を掛けた。
「(あれから三日後…。個人戦は、柊さんは決勝敗退で、地区二位…わたくしは三位…。
団体戦に至っては、相手の学校…たしか、優勝候補と言われている所と対戦したのですわ。
皆さん、調子よかったにもかかわらず、準決勝で歯が立たず、惜しくも三位となったのですわよね。
……当然ですが、勝ち進むにつれて強い方ばかりで…苦戦を強いられましたわ…。
ですが、試合…楽しかったです。
初めてメダルというものも頂きましたし…頑張った成果がこうして目に見える…そして、重み…悪くないですわ。
でも、もっとあの時……いえ、反省も後悔も十分というくらい、たくさんしましたわ。
結お母様達にも気を遣わせてしまいました。
お夕食やデザート…あらゆる事に力が入っていましたものね…。
今日は帯階級の昇給試験があるのですよね…それに向けて頑張らねば!)」
カノンは時折メダルを見つつ、支度を済ませ部屋を出た。
世間は夏休み期間だが、平日の為、徹や結は仕事に出かけており、要はまだ部屋から出てきていないようだった。
その為、朝食を採るためにダイニングテーブルに来たカノンは、一人で朝食を済ませる事になった。
朝食を済ませたカノンは、必要な荷物を持って家を出て、学校の武道場に向かった。
カノンが武道場に着くと、何人かのチームメイトが既に到着しており、部活の準備を始めていた。
カノンもその準備に合流するべく、早々に着替えを済ませ、準備に合流した。
「一ノ瀬さん、おはよう!今日はいよいよ昇級試験だね!しかも、先生の計らいで、初段までの試験!」
「柊さん!おはようございます!昇級試験…ドキドキしていますわ。あと……。」
「…?」
「この試験が終わったら…部活は引退…なのですよね。それは少し寂しいです…。」
「そっか…そうだね…。私も、この夏休み中に引継ぎしなきゃだし…。でも、来ようと思えば来れるんだし、あまり気に病む事ないよ!
あー…でも、受験が控えてるし…そんな頻繁には難しいか…。」
「そうですわね。(受験…美桜さんの将来…。わたくしが決める訳にも行かないので、進路は保留にしてもらっているのですよね…。)」
カノンと柊さんが準備をしながら話していると、顧問の先生が到着し、部活が始まった。
そんな部活の最中、カノンは顧問の先生の案内で昇級試験を受けていった。
一通り試験が終わり、結果は後日という事を聞き、他の部の皆と合流し、部活終了の時間まで励んだ。
カノンは、部活終わりにいつものように校舎内の第三音楽準備室に寄り、少しだけピアノの練習をしてお昼過ぎには家に帰宅した。
その日の夜。
カノンは一ノ瀬家の皆と食卓を囲み、夕食を採っていた。
「この間の試合、惜しかったわね。」
「はい、その節はお夕食やデザートを豪華にして頂き、気を遣わせてしましました。すみません…。」
「そんな事、気にしないで。もともとお疲れ様と言う意味で、作る予定だったの。」
カノンはお箸を動かしながら、結と話しており、その会話を徹や要も箸を動かしながら静かに聞いていた。
「それにしても…また、意識が引っ張られる感覚に襲われたって…。」
「…はい…あの後、いのりちゃん達にもお話したのですが…。
どうして突如そんな事になったのか見当がつかないのです。」
「そっか…。」
「今はもう平気ですので、ご心配無用ですわ。」
カノンが心配の表情を浮かべる結を安心させるように優しく微笑むと、それまで静かに聞いていた要が二人の話に入ってきた。
「そういやお前…大会も終わって、昇級試験も終わって、今日で部活引退だったんだろ。これからどうするんだ?
こっちに来た時に言ってた知識向上とか、技術向上をするのか?」
「そう…ですわね…。必要と思う知識はもう、ルーズリーフいっぱいに書き込みましたし…。あとはひたすら復習するだけですわ。」
「ふーん…。この間、インテリアとかも勉強してなかったか?図書館で雑誌まで借りて…何かいる知識なのか?」
要はぶっきらぼうだが、少し気になった事をカノンに聞いてみた。
そんな要の問いに、カノンは箸を動かしながらも答えた。
「インテリアは…療養施設用に勉強しているのですわ。」
「療養…?」
カノンと要の話に入ってきたのは徹だった。
「…とある事件で、心を痛めた女性が多くいるのですわ…。
その方達の心を休める為の施設に、配置する家具などを勉強しているのです。
いのりちゃんに教えてもらった音楽療法や、カウンセリングの勉強もしていますの。」
「そうか…。カノンさんの国にもそんな事が…。」
「はい…。初めてこちらの世界に来た時、わたくしも同じ事思いましたわ。
どの世界にも、似たような事が起こるのだと…。
あ!そうですわ!療養施設で思い出した事があるのですが、来週の日曜日、皆さんのお時間、頂けませんか?」
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