人身売買小説(外部サイト)一覧

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 人身売買が許されるようになった世の中。檻の中から私を睨みつけてきたのは、鈴木拓という15歳の少年だった。  毎月2万払いで拓を買った私。無愛想なだけだと思っていたが、どうやら拓は喋れないらしい。  そんな拓の家庭力に驚かされながらも、夏を越え、秋を越え、そして冬を過ごしていく。拓は少しずつ、笑顔を見せてくれるようになった。  順調だと思っていた。でもそれは、きっと勘違いだった。氷のような風が肌を刺す、真冬、拓は突然いなくなった。  仕事から帰ったら、いつもなら家で待ってくれていた拓の姿が、その日は何処にも無かった。  なんの前触れもなく消えた拓。1人分にしては多すぎる料理と、割れた茶碗を台所に残して――
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登録日 2019.03.03
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