香港ノワール 小説(外部サイト)一覧
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今は無き香港の九龍城砦が舞台。
主人公の阿雪は、九龍城砦の“城南路”で養父や地区の人々から温かな愛情を受けながら暮らしていたが、少年時代に黒社会の抗争の場として“城南路”が巻き込まれ、育ててくれていた養父や親しい人々が殺されてしまう。
その経緯から心に深い傷を負い、頭髪は白化し、精神が解離してしまうものの、今日まで何とか生きてきた。
廃墟となった城南路でなおも暮らし続ける阿雪は、普段こそ物静かで穏やかな、孤児の少年たちを気にかける優しい青年として生きているが、その不安定な精神から人格が解離してしまうと、黒社会が蔓延る危険な区画にまで乗り込み、掃き溜めのような場所で組織の下っ端たちと喧嘩をし、いかがわしい店を潰したり、時には怪しげな安宿で男たちに体を売るという自暴自棄な一面を見せる。
ふたつの顔を持ち、城砦でしか生きられないと諦めながら暮らす阿雪の前に、三不管が解除されたことで“城南路”の虐殺事件を追うために、香港警察の夏宇龍が現れる。
それと共に、黒社会の末端を相手に喧嘩に明け暮れる阿雪を興味深く見つめ続ける、城砦の主がいた。黒社会を支える金脈として君臨する、六悌会の總統、譚仁龍。
やがて阿雪は、光と闇、ふたりの龍と出会うことで生きる道を歩き始める。
登録日 2025.09.26
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