両面宿儺の末裔 小説一覧
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地獄の業火に鍛えられし、やんちゃな半鬼の少年・焔丸。
父は現世で「悪鬼」と恐れられた伝説の両面宿儺――だが真実は、国と民を守るために祈りと槍を振るった英雄だった。
その血を継ぐ焔丸は、未熟な修鬼として地獄の育成学校に通いながら、
馬頭(メズ)と牛頭(ゴズ)という二人の鬼姉御教官の下で、毎日溶岩滝登りや一騎打ちといった“寝たきり三時間コース”のスパルタ修行に明け暮れる日々を送っていた。
そんなある日、交流授業で訪れたのは、地獄の穏やかな中立区画・黄泉比良坂にあるお嬢様学校。
優雅で格式高い空気に戸惑う焔丸だが、そこで神話級の鬼娘・茨姫と模擬戦を繰り広げ、互角の勝負を演じる。
しかしその出会いが、彼を父ゆかりの地・鎮守山で進行する“外道事件”へと導くことに――。
外道とは、鬼にも人にも非ず、魂を喰らい秩序を壊す存在。
鎮守山はかつて宿儺が三十七日間祈り続け、国家安全と五穀豊穣を願った聖地であり、今は外道の影に侵されつつあった。
「貴様の拳で、守り抜け」――紅蓮覇鬼の低く響く訓示を胸に、焔丸は仲間と共に討伐へ向かう。
地獄の熱血修行、お嬢様学校での文化交流、そして父の遺志を継ぐ戦い。
少年は、恐怖と畏敬の象徴“鬼”として、真の正義を掴むことができるのか――。
文字数 30,194
最終更新日 2025.10.19
登録日 2025.08.11
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