第14回絵本・児童書大賞終了

第14回絵本・児童書大賞

選考概要

年々応募作品数が増えている絵本・児童書大賞。第14回となる今回の応募数は1,096作品にものぼり、前回を超え過去最高のエントリー数となった。一次選考を通過したのは、絵本23作品と、児童書5作品の計28作品。今回新設されたテーマ賞に沿った絵本作品は新たに増えたが、児童書作品はやや少ない結果となった。

その後、さらに検討を続け、最終的に大賞候補としたのは、「グルメなペリカン」「たべたのなぁに?」「なんのおと?」「いぬおどり」「へんしーん!」「四尾がつむぐえにし、そこかしこ」「モグラくん そとの せかいへゆく」「魔法が使えない女の子」「はやく おおきく なりたいな」「てんとうむしさん と〜まった」「どろぼうねずみをつかまえろ!」「だれのうんち?」の12作品。
最終選考の結果、いずれも工夫にあふれ、楽しい作品ではあったが、ストーリーそして絵本の場合は画力も含め、突き抜けたレベルの作品はなかったため、残念ながら大賞はなしとなった。しかしその中でも、絵本としての完成度が高かった「たべたのなぁに?」と「モグラくん そとの せかいへゆく」の二作品を優秀賞に、日常を外れたキャラクター性とダイナミックなイラストが編集部の評価を集めた「グルメなペリカン」をアイデア賞に選出した。さらに、今回から新設されたキャラクター絵本賞に「いぬおどり」、ちょっとこわい絵本賞に「なんのおと?」、親子で遊べる絵本賞に「どろぼうねずみをつかまえろ!」、また児童書として完成度の高かった二作品、「四尾がつむぐえにし、そこかしこ」、「魔法が使えない女の子」を特別賞として選出した。
なお、最終選考に残ったものの、惜しくも授賞に至らなかった作品を奨励賞とした。


「たべたのなぁに?」は、動物園の動物たちの体の柄が、食べたものによって変わっていくストーリーが高く評価された。また、変わってしまった体の模様もうんちを出せば元通り、というオチも秀逸で、そこからさらにラストにひねりがあり……と、最後まで飽きさせない作品だった。

「モグラくん そとの せかいへゆく」は、ビビッドな色遣いと完成度の高いイラストが魅力的な絵本。モグラくんが初めて外の世界に出ていくという冒険の様子が、ダイナミックな構図やコマ割りを用いて実に楽しそうに描かれており、全体的にクオリティが高かった。

「グルメなペリカン」は、ある日女の子のもとにグルメなペリカンが訪れ、一緒に美味しいものを探した結果、なんとペリカンが大きな口でラーメンを丸呑みにしてしまうという奇想天外なお話。見開きのイラストに迫力があり、勢いを感じる作品だった。

「いぬおどり」は、犬がタオルをくわえて振り回すシーンを「いぬおどり」として捉えた、少しシュールな絵本。「いぬおどり」から思わぬ方向へ展開していく構成のアイデアと、愛嬌があり、見ていて飽きないオリジナリティのある絵柄が評価を集めた。

「なんのおと?」は、怖がりの男の子が、夜中に聞こえる音の正体を調べていく……というちょっぴりドキドキする作品。可愛らしいイラストに対して、ラストの衝撃が大きく、まさに「ちょっとこわい絵本賞」に相応しかった。

「どろぼうねずみをつかまえろ!」は、絵の中に隠れているどろぼうねずみを探すゲーム型絵本。画面いっぱいに描かれた生き物たちの動きの精巧さや面白さ、クオリティの高いキャラクターデザインに人気が集まった。

「四尾がつむぐえにし、そこかしこ」は、主人公が猫に変身してお稲荷様のミッションをこなしていく児童向け小説。個性的なキャラクターと安定感のあるストーリーで、古風な文体ながら一気に物語の世界観に引き込む力を感じさせた。

「魔法が使えない女の子」は、本の中での冒険が印象的なファンタジー作品。王道の設定と魅力あふれるキャラクター設定、冒頭からの勢いある展開が印象的で、いつの時代でも子供達を夢中にさせるような、親しみのある作品に仕上がっていた。

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応募総数1,096作品 開催期間2021年12月01日〜末日

なし


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。大好きな『あの人』を待ち続ける黒猫の健気な姿に、子どもだけでなく、思わず大人もグッときてしまうような魅力的な作品でした。最終的に素敵な飼い主と出会うことができ、ハッピーエンドで締めくくられているため、多くの読者がほっこりとした気持ちになれたのではないかと思います。


編集部より

様々な動物たちが、食べ物の模様に変わってしまうというアイデアは非常に好奇心を掻き立てられ、「次は、どんな風になるのだろう?」と楽しみながらページをめくることが出来ました。さらに、動物たちが何を食べたのか予想する展開を途中に入れることで、読み聞かせにもぴったりな作品に仕上がっていると思います。


編集部より

大胆な構図と鮮やかな色使いのイラストが魅力的で、外の世界を冒険するモグラくんのワクワク感が画面から伝わってきました。また、画面のそこここにちりばめられた、植物に齧られたり波に呑まれたりといったスリリングな場面も物語の良いアクセントになっていると思います。総合的に非常にクオリティの高い作品でした。


編集部より

ペリカンと少女の交流という大胆なアイデアが、優しいタッチで描かれたあたたかな雰囲気が魅力的な作品でした。特に一緒にラーメンを食べるシーンがユーモラスです。お箸をうまく使うことができないペリカンが可愛らしく、微笑ましい気持ちになりました。


編集部より

タオルを振り回す犬を「いぬおどりです」と断言する決めつけの導入がユーモラスでした。 その後もいぬずもう、いぬなわとびと、愉快に発想を飛躍させていく展開が大変楽しく描かれています。それぞれの言葉選びも秀逸で、細かい所まで意識された作品でした。


編集部より

夜の静かな家の中、音がいつもより大きく聞こえて怖い……という誰もが味わったことのある経験をベースに、緊張と緩和をうまく織り交ぜた秀逸な作品でした。実は男の子と猫がおばけだったというオチも、最後までホラー感をしっかり演出していました。


編集部より

どろぼうねずみを追いかけていく展開と、探し絵の組み合わせが相性抜群でした。また、何枚もの見開きにわたって詳細に描き込まれた画面も、非常に賑やかで楽しく、わくわくさせられます。まさに親子で一緒に遊べる絵本だと感じました。


編集部より

小学生の女の子を主人公に据え、人気のあやかしを取り入れた設定を個性的な文体で紡いだ異色の作品でした。事件を解決するための不思議な冒険と、クラスメイトたちとのリアルな生活の描写のバランスが絶妙で、世界観に引き込まれました。


編集部より

魔法を使えないエマと、どんな魔法でも使えるアレンという対をなす二人のキャラクターが魅力的でした。実は二人が双子のきょうだいであったり、エマが魔法を使えない理由があったりと、大筋は王道ながらもドキドキさせるストーリーに仕上がっていると思います。

※受賞作については大賞ランキングの最終順位を追記しております。

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