第9回ミステリー小説大賞終了

第9回ミステリー小説大賞

選考概要

編集部内で大賞候補作としたのは、「自意識過剰探偵の事件簿」「GAME ――君の言葉で誰かが死ぬ――」「契鬼伝説殺人事件」「スナック【サンテラス】の事件奇譚 ―今日も彼女はカウンター越しに笑みを浮かべる―」の4作品。最終選考の結果、「契鬼伝説殺人事件」「スナック【サンテラス】の事件奇譚 ―今日も彼女はカウンター越しに笑みを浮かべる―」の2作を特別賞に選出することとした。


「契鬼伝説殺人事件」は、土地にまつわる伝説になぞらえた事件が起こるという、推理小説の王道を押さえた作品。謎の提示から推理、トリック、動機などの要素が丁寧に描かれており、推理小説としての完成度の高さが評価された。その一方、主人公のキャラクター設定に物足りなさがあり、説明的な文体も相まって全体的に淡白な印象を受ける点が惜しかった。

「スナック【サンテラス】の事件奇譚 ―今日も彼女はカウンター越しに笑みを浮かべる―」は、お客から持ち込まれる未解決の事件をスナックのママが解決していくというユニークな設定で、テンポよく読める作品。しかしながら、各エピソードに起伏が少なく、加えて主人公であるママの存在感が足りない点が残念だった。

また受賞には至らなかったが、「自意識過剰探偵の事件簿」は、自意識過剰な探偵というテーマが魅力的で、幼馴染二人のかけあいも軽快。ただテーマを活かしきれておらず、今一歩引きにかける印象を受けた。

「GAME ――君の言葉で誰かが死ぬ――」は、粗削りながらも読者を引き込む熱量のある作品だったが、他の候補作に比べてミステリー要素が薄い点がマイナスとなった。

今回集まった作品の中にはオーソドックスな推理系のストーリーが多かった。現代ならではの発想の新しい作品を、次回以降の「ミステリー小説大賞」では期待したい。

応募総数149作品 開催期間2016年07月01日〜末日

なし


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。男が自らの能力を利用して元恋人を助けようとし迎えることとなった予想外の結末に、ぐっと引き込まれた作品でした。妻や秘書など、彼の周囲の人間の思惑は非常に生々しく、臨場感あふれる描写に恐怖をかき立てられた読者も多かったのではないかと思います。


編集部より

謎解きや推理といったミステリー小説の基本がしっかりと練り込まれた、読み応えのある作品でした。読みやすい文章とわかりやすい状況描写で、推理の過程が丁寧に描かれていることも魅力的です。連続して起こる事件からはミステリーらしい緊迫した雰囲気が漂い、全容が明らかになった後の爽快感も楽しめました。


編集部より

場末のスナックへ事件解決の相談をすべくお客がやってくる、という設定に引きつけられる作品でした。また、提示される謎はよく練られており、どのエピソードも綺麗にまとまっていてさくさく読み進められます。ラストで別のエピソードがひとつの謎に繋がっていく展開もうまく、もっと続きを読みたいと思わせる力がありました。

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