「そら」の検索結果

全体で812件見つかりました。
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ここはパーテルノステル。知る人ぞ知るのぞき部屋だ。ここに通い始めて三年経つ。 キッチンも風呂もなく学生寮みたいな小さな部屋で、おそらく共有スペースが別に用意されているんだろう。とにかくこちらののぞき窓から隅々まで見渡せる程度のこじんまりした空間で、どういう仕組みになっているのか、部屋そのものが循環式エレベーターになっているらしい。二十世紀前半にヨーロッパで人気があった様式だとかで、常にゆっくりと動き続ける乗り降り自由の観覧車というところだ。
大賞ポイント 2,525pt
文字数 11,160 最終更新日 2024.04.01 登録日 2024.04.01
統合失調症。   それは、百人に一人の割合で発症する病気。 世界中の人間の、百人に一人は、統合失調症患者だ。それは、けっして少ない数ではない。 おそらく世間一般には、 統合失調症は「幻覚、妄想を起こす病気」というイメージがあるのではないか。 しかし、この病気の本質は《自我の障害》だ。 自我とは、 《私》と《他人》を隔てる《殻》のようなものだ。 統合失調症患者は、その殻がもろくなる。そして、自分と他人の境目があいまいになっていく。 それによって、さまざまな症状が出現する。 高校生の私(夏音)は、統合失調症の素因をもっており、ストレスに対して脆弱性を抱えていた。 そんな私は、家庭環境や受験によるストレスから、徐々に精神に異常をきたしはじめる。  私の精神状態に大きな変化が起こりそうな予兆がある中、 先に精神に異常をきたしたのは兄だった。 高校三年生の夏、私の兄は、 統合失調症の診断で、 精神科病院に入院した。 兄に初恋に似た感情を抱いていた私は、兄の発病に心を乱されながらも、 精神科病院に通い、兄を見舞う日々を送る。 そんな頃、私にはもう一人、重要な人物が現れる。 兄の入院する精神科病院はとある丘に建っていた。丘には団地もあり、その団地には私と同じ高校に通う少年が住んでいた。私は、その夏、兄の見舞いの行き帰りに頻々と少年と出会う。そして、私と少年は少しずつ心の距離をつめていくこととなる。 私、兄、少年との、三人の人間模様と統合失調症という病を描いた物語。    
大賞ポイント 563pt
文字数 42,151 最終更新日 2024.04.08 登録日 2024.03.14
渋谷で出逢ったのは、妖怪なのか、神様なのか、よく分からない存在。でも私はソレにどうしようもなく惹かれ、そそられる。 だから、最悪ただの人間かもしれないソレを自分の寝床へと連れ帰り、「蛇兄さん」と呼ぶことにした。 蛇兄さんが夜ごとに語るオハナシは、不思議と真実味のある御伽噺。 空気を孕んだ低い声が紡ぐその世界は、確実に存在しているようにも感じるのだった… これは、マジョリティーの中の迷える一粒が、蛇兄さんと出逢い、夜ごとに「オハナシ」してもらうお話。 シュルレアリスムだとか、大人のための寓話とか、そんな感じのもの。
大賞ポイント 519pt
文字数 21,350 最終更新日 2024.05.14 登録日 2024.04.29
弱くて優しい少年が、恋に、運命にもがく、ちょっと不思議な成長物語 『あなたとはもう無理なの。ごめんなさい』 付き合って間もない恋人に振られた大和。別れの手紙をもらい、何がいけなかったのかを冷静に分析するも、それを彼女に伝えようとはしなかった。 そんな現状を双子の妹、栞奈に厳しく叱咤された翌日、彼に思わぬ試練が訪れて――!? 初めての絶望。交錯する想い。最初で最後の決断。 自分の気持ちを押し隠してしまう彼は、平穏で、ときに大きく変化する日常の中で、何を見つけだすのか―― 伝えたいけど伝わらない。 苦くて甘い、たくさんの「想い」が詰まった青春物語。 ※他サイトにも掲載中。
大賞ポイント 45pt
文字数 106,567 最終更新日 2024.05.03 登録日 2024.04.10
 夢喰いバク。  それは歪んでしまった悪夢を修理し、人々を導く夢の中の天使。少女イオリもそんなバクのひとりだった。  人々の夢を愛し、バクとしての役目を果たしながらも、夢の中でしか生きられない自分に寂しさを感じるイオリ。ただ見つめているだけではなく、自分自身の人生を手に入れたい……。  そんな彼女はある日、くじらの夢を見る少年・圭と出会い、ある決断をする。  一方、圭は現実の世界で鬱々と日々を過ごしていた。  理由はクラスで<幽霊>としてあつかわれている、いじめられっ子の森崎そら。圭は彼女の存在を持て余していたが、とある夢をきっかけにそらに興味を抱き始める。  そして夢の世界と現実の世界が交わる時、圭とイオリは……。
大賞ポイント 14pt
文字数 88,693 最終更新日 2024.04.19 登録日 2024.04.01
 日本のどこか、おそらく本州の北側に『八岐大蛇』を信仰する限界集落『八畑村』があるという。その村には妖と戦い一族を率いる少女がいた。少女は成長しながら結婚や出産も経験し、やがて大人の女性となっていった。  少女だった頃はいつも一緒で、多くの時間を共に過ごしてきた友人知人たちとの関係性も昔のままではなく、皆それぞれが大人として社会の中で生きている。それはごく当たり前で自然なことである。  そんな生活がウン十数年続いていたある日、大分歳を召したかつての少女たちが再開する機会がやって来た。連絡を取り合ううちに気の許せる関係であることに変わりはないと感じた少女たちは、過去を思い出し振り返りながら一堂に会することを楽しみに準備を進める。  これは少女たちがたどり着く一つの可能性、『もしも』の物語。 ※『限界集落で暮らす女子中学生のお仕事はどうやらあやかし退治らしいのです』外伝となります。本編の登場人物や出来事を振り返る内容だとご承知おきください。 ※ 本編はこちら 限界集落で暮らす女子中学生のお仕事はどうやらあやかし退治らしいのです https://www.alphapolis.co.jp/novel/398438394/818841107
大賞ポイント 14pt
文字数 10,976 最終更新日 2024.04.28 登録日 2024.04.26
妻が亡くなった。 その年、初めて雪が降った日の夜に。 しかし、ある雪の夜、彼女は俺の前に現れた。 生前と変わらない笑顔を浮かべて。
大賞ポイント 12pt
文字数 22,553 最終更新日 2023.01.10 登録日 2021.09.15
青春 連載中 長編 R15
 俺の親友の鬼仏院右近は顔も良くて身長も高く実家も金持ちでおまけに性格も良い。  それに比べて俺は身長も普通で金もあるわけではなく、性格も良いとは言えない。  勉強も運動も何でも出来る鬼仏院右近は大学生になっても今までと変わらずモテているし、高校時代に比べても言い寄ってくる女の数は増えているのだ。  その言い寄ってくる女の中に俺が小学生の時からずっと好きな桜唯菜ちゃんもいるのだけれど、俺に気を使ってなのか鬼仏院右近は桜唯菜ちゃんとだけは付き合う事が無かったのだ。  鬼仏院右近と親友と言うだけで優しくしてくれる人も多くいるのだけれど、ちょっと話すだけで俺と距離をあける人間が多いのは俺の性格が悪いからだと鬼仏院右近はハッキリというのだ。そんな事を言う鬼仏院右近も性格が悪いと思うのだけれど、こいつは俺以外には優しく親切な態度を崩さない。  そんな中でもなぜか俺と話をしてくれる女性が二人いるのだけれど、鵜崎唯は重度の拗らせ女子でさすがの俺も付き合いを考えてしまうほどなのだ。だが、そんな鵜崎唯はおそらく世界で数少ない俺に好意を向けてくれている女性なのだ。俺はその気持ちに応えるつもりはないのだけれど、鵜崎唯以上に俺の事を好きになってくれる人なんていないという事は薄々感じてはいる。  俺と話をしてくれるもう一人の女性は髑髏沼愛華という女だ。こいつはなぜか俺が近くにいれば暴言を吐いてくるような女でそこまで嫌われるような事をしてしまったのかと反省してしまう事もあったのだけれど、その理由は誰が聞いても教えてくれることが無かった。  完璧超人の親友と俺の事を好きな拗らせ女子と俺の事を憎んでいる女性が近くにいるお陰で俺は恋愛が出来ないのだ。  恋愛が出来ないのは俺の性格に問題があるのではなく、こいつらがいつも近くにいるからなのだ。そう思うしかない。  俺に原因があるなんて思ってしまうと、今までの人生をすべて否定する事になってしまいかねないのだ。  いつか俺が唯菜ちゃんと付き合えるようになることを夢見ているのだが、大学生活も残りわずかとなっているし、来年からはいよいよ就職活動も始まってしまう。俺に残された時間は本当に残りわずかしかないのだ。 この作品は「小説家になろう」「ノベルアッププラス」「カクヨム」「ノベルピア」にも投稿しています。
大賞ポイント 3pt
文字数 267,439 最終更新日 2023.08.07 登録日 2023.04.30
たまには、ほのぼのとしたハッピーエンドの話しを書いてみました。人類滅亡の話しなんですけど。 おそらく、これまでにない話しだと思うので、お楽しみください。
大賞ポイント 3pt
文字数 7,946 最終更新日 2023.10.03 登録日 2023.10.03
何の変哲もない駅から、いつものように片道切符を握りしめた少女が乗りこむ。 彼女の名は星影 氷空(ほしかげ そら)。 いつもと雰囲気が異なる列車に飛び乗った氷空が見たのは、車掌姿の転校生・宵月 氷雨(よいづき ひさめ)だった。 「何故生者が紛れこんでいるのでしょう」 「いきなり何を……」 訳も分からず、空を駆ける列車から呆然と外を眺める氷空。 氷雨いわく、死者専用の列車らしく…。 少女が列車の片道切符を持っていた理由、少年に隠された過去と悲しき懺悔…ふたりは手を取り歩きだす。 これは、死者たちを見送りながら幸福を求める物語。
大賞ポイント 0pt
文字数 270,551 最終更新日 2022.12.06 登録日 2022.04.15
高校生の心結(みゆう)は、とあるカラオケボックスの常連客。 そのカラオケボックスは、町にある小さな店舗。すっかり馴染みとなってしまったおじさんが、1人で経営している。 月・水・金・日。1週間のうち4日間しか開かないその店で、週に1度水曜日にだけ聞こえる歌声がある。 ──水曜日の歌声。 それは、心結が勝手に名付けた男性の歌声。 名前も顔も知らないながら、心結は初めて聴いた時からその声に惹き付けられ続けている。 カラオケ大好き女子高生、心結。 男とは思えない程透き通った歌声を持つ青年、響(ひびき)。 カラオケを通して出逢った二人の、夢へと繋がる物語。
大賞ポイント 0pt
登録日 2024.04.06
これは当アルファポリス誌に既掲載中の「阿漕の浦奇談」の時代を超えた続きです。待賢門璋子が現代に生まれ変わってからのストーリーとなります。みなさんは転生輪廻をご存知ですか?同じ人間(魂)が何回も何回も名と身体を変えて生まれ死に生まれ死にすることを云うのです。でも人はいったい何のためにそのような生まれ死にを繰り返すのでしょうか?おそらくそこには一回の人生ではカバーしきれない、その人なりの、時代を超えた命題があるからではないでしょうか。にもかかわらず一度死んで生まれ変わってしまうと、およそすべての人がその命題の「め」の字も忘れ果ててしまいます。それどころか前生とまったく同じような人生を、同じ過ちを何度でも仕出かしてしまうのかも知れません。この有り様と、しかしそこから少しでも脱しよう、進歩しようとする、時代を超えて人に内在されたもの(それは果してなんでしょうか?)を描きたくペンを起こしました。また彼の西行法師の、今に残る数々の名歌に啓発されて書き出したというのも、前作「阿漕の浦奇談」ともどもに、その抑々の所以でもあります。換言すれば六道輪廻からの脱出、真の出家の心とは?…が小説の命題となりましょうか。凡夫の私には過ぎたる命題ですが、しかしそれゆえにカオスへ肉迫しようとする姿が、ひょっとしたらそこに見受けられるやも知れません。その苦闘する姿こそが皆様にとって読み応えになるやも知れない…そのことを信じてひたすらタイピングをしてまいります。どうぞ笑いながらでも、ご教示がてらにお読みくだされば幸甚です。多谷昇太。
大賞ポイント 0pt
文字数 52,424 最終更新日 2021.06.22 登録日 2021.05.21
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