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花に魔力を与え、国を豊かにする「花守」の一族に生まれながら、一本の花も咲かせられない伯爵令嬢リディア。王太子との婚約を妹に奪われ、役立たずの烙印を押された彼女は、北の果てに住む“呪われ公爵”アレクシスのもとへ、事実上の人質として嫁がされる。
月のない夜になると身体が黒い茨に覆われ、やがて命を失う――そんな呪いを抱えるアレクシスは、リディアに冷たく告げた。
「愛するつもりはない。君も、ここでは何も望むな」
けれどリディアには、誰にも言えなかった秘密があった。彼女の力は花を咲かせるためのものではない。枯れた花に残された“記憶”を読み、その痛みを引き受ける力だったのだ。
公爵邸の温室で十年前に枯れた青い薔薇に触れたとき、リディアはアレクシスの呪いと王家が隠してきた罪を知る。利用され、捨てられた二人が互いの孤独をほどきながら、自分たちの未来を選び直す、逆転と再生の異世界恋愛物語。
文字数 23,403
最終更新日 2026.08.28
登録日 2026.08.28
文字数 18,242
最終更新日 2026.07.27
登録日 2026.07.27
「私たちはきっと、同じ夜の、違うスピードの電車に乗っていた——」
橘 葵(たちばな あおい)、27歳。
地元・京都から上京して4年。文具メーカーで働く彼女の日常は、東京のスピードに必死についていくことで精一杯だった。
遠距離恋愛の末、2年前に別れた元カレ・瀬尾 航平(せお こうへい)への未練を、都会の喧騒に隠しながら。
午前二時、静まり返ったワンルームマンション。
孤独に耐えかねて点けた古いラジカセのノイズの向こうから、聞き覚えのある不器用な声が流れてくる。
それは、地元で音声エディターとして働く、航平の声だった。
深夜ラジオの電波に乗って、突然語られ始めた「二人の過去」。
そして彼の口から飛び出したのは、上京する直前、最後に二人で引いたあの懐かしい**『一禅堂の恋みくじ』**の名前だった——。
【言葉を惜しめば縁は解け、本音を語れば絆は深まる】
2年間の沈黙を破り、深夜の電波が明かしていく、お互いを思いやるあまりについていた「二つの嘘」。
東京と京都、深夜二時に繋がる15分間の奇跡。
忘れたはずの恋の痛みが、優しい涙に変わる、大人のための再生と純愛の物語。
(※読了時間:約15分。静かな夜に、そっとラジオを聴くような感覚でお楽しみください)
文字数 3,711
最終更新日 2026.07.03
登録日 2026.07.03
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