ひとしずく

ひとしずく

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__ここは、ある魔法の世界。   この世界では、下級の3流魔法使い《ラリナ》、中級の2流魔法使い《ファリナ》…そして、上級の1流魔法使い《アリナ》と分かれている。 1流、2流、3流の魔法使いは、全て家系で決まる。   魔法で勝敗を決め、魔法で人を殺す。 魔法で、自分の人生全てが決まる。   そんな残酷な世界の中で、ある一人の少女がいた。苗字のない、ただ1人で旅をする少女…   その少女は、"ユキ"といった。   少女は、冷徹で、子供にして魔法の扱いが上手くて、けど力不足で、負けず嫌いで……そして、   __この世で1番、姉さんが大好きだった。   誰よりも大切だった。少女の、たった1人の"家族"だった。憧れていた、いつかは自分が姉さんを守ろう、そう思っていた。   しかし、あの日を境に、少女は目の光を消した。     …少女は絶望した。自分は無力だ、そう改めて叩きつけられ、実感した。自分を責めた。     "私のせいだ"と。     『貴方に魔法使いなんて、名乗る資格はないわ、"あの子"を……"あの子"を、返してよ!!!!』     ___〖姉さんの仇を討つ〗、〖犯人を見つけ出す〗   今の私の使命はそれだけ。今の私ができること。やらなければいけないこと。 それ以外に、私の生きる理由はない。     でも、私の生きる理由を…一緒に見つけてくれて、与えてくれたのは………       『ねぇ、ユキ!』   『ユキちゃん…!!』   『ユキくん。』     なんとも個性的な貴方達だった。けど__       『私も…………×××みたいに………』   『俺だって……誰かの××になりたかったんだ…』   『……僕は………』       __私と同じように過去を背負った貴方達でもあった。 これは、私の…私たちの、過去のお話。  ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ⚠不定期更新 5話まで一気にあげています
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文字数 17,845 最終更新日 2023.07.24 登録日 2021.12.29
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