ゆっこ

ゆっこ

23 12
恋愛 完結 長編
「リリアーヌ・セリーニャ嬢。貴女との婚約は、本日をもって破棄させていただく!」  煌びやかな舞踏会の最中、王太子ユリウスが高らかにそう告げたとき、会場の空気は一瞬で凍りついた。  その視線の先には、琥珀の瞳を驚きの色に染めた、金髪の令嬢――私、リリアーヌが立っていた。 「……理由を、お伺いしてもよろしいですか、殿下?」  周囲が息を飲む中、私は静かに問い返した。取り乱すことも、涙を流すこともない。けれど、胸の奥がひどく痛む。 「君は冷酷で、他人を見下し、思いやりに欠ける。今日ここにいるみんなが、そのことを知っている」
24h.ポイント 7pt
小説 37,078 位 / 227,410件 恋愛 16,419 位 / 66,141件
文字数 12,844 最終更新日 2025.07.04 登録日 2025.07.04
恋愛 完結 長編
 王城の大広間に、ざわめきが満ちていた。  白いドレスを纏った令嬢が、赤絨毯の上で膝をついている。その顔には涙はない。どこか達観したような――いや、むしろ笑みさえ浮かんでいた。 「レティシア=ヴァルフォード。お前は数々の嫌がらせをフィオナに行い、彼女を何度も危険に晒した。それらの罪により、王国より追放とする!」  王太子、アレクシスが声を張り上げる。隣には、聖女として召喚されたフィオナ=スノウが寄り添っていた。小動物のように震えながら、王太子にしがみつくその姿に、周囲の貴族たちは同情の声を漏らす。  けれど、当のレティシアはうっすらと微笑んだまま、ひとこと。 「……それで、満足かしら?」 「なっ……お前っ!」
24h.ポイント 14pt
小説 30,348 位 / 227,410件 恋愛 13,238 位 / 66,141件
文字数 12,683 最終更新日 2025.07.02 登録日 2025.07.02
恋愛 完結 長編
 王都アルヴェリアの中心にある王城。その豪奢な大広間で、今宵は王太子主催の舞踏会が開かれていた。貴族の子弟たちが華やかなドレスと礼装に身を包み、音楽と笑い声が響く中、私——リシェル・フォン・アーデンフェルトは、端の席で静かに紅茶を飲んでいた。  私は公爵家の長女であり、かつては王太子殿下の婚約者だった。……そう、「かつては」と言わねばならないのだろう。今、まさにこの瞬間をもって。 「リシェル・フォン・アーデンフェルト。君との婚約を、ここに正式に破棄する!」  唐突な宣言。静まり返る大広間。注がれる無数の視線。それらすべてを、私はただ一口紅茶を啜りながら見返した。  婚約破棄の相手、王太子レオンハルト・ヴァルツァーは、金髪碧眼のいかにも“主役”然とした青年である。彼の隣には、勝ち誇ったような笑みを浮かべる少女が寄り添っていた。 「そして私は、新たにこのセシリア・ルミエール嬢を伴侶に選ぶ。彼女こそが、真に民を導くにふさわしい『聖女』だ!」  ああ、なるほど。これが今日の筋書きだったのね。
24h.ポイント 213pt
小説 6,707 位 / 227,410件 恋愛 3,266 位 / 66,141件
文字数 12,926 最終更新日 2025.06.20 登録日 2025.06.20
23 12