──王立アカデミー、卒業舞踏会の日。
わたくし、エリザベート・フォン・ローデンベルクは、生まれてこのかた最大の屈辱を味わっていた。
「エリザベート・フォン・ローデンベルク嬢。貴女との婚約を、ここに破棄させていただく!」
婚約者である第二王子・アレクシス殿下の高らかな声が、大広間に響き渡る。
わたくしのドレスの裾が揺れる。会場がざわめくのがわかる。アレクシス殿下の隣には、庶民出身の転入生、ミリア・スノウ嬢が寄り添っている。
──なるほど、噂は本当だったというわけね。
「理由をお聞かせ願えますか、殿下?」
文字数 16,151
最終更新日 2025.06.16
登録日 2025.06.16