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――王太子からの婚約破棄。それは“終わり”ではなく、“始まり”だった。
侯爵令嬢レティシア=マルグリット=ヴェルディーユは、王太子アレクシスから一方的に婚約を破棄される。
理由は“聖女”と呼ばれる平民少女リリィへの恋。
しかしレティシアは動じなかった。
むしろ、自由を得たと静かに笑い、貴族社会と王政の欺瞞に立ち向かうことを決意する。
――私は、ただの“捨てられた令嬢”では終わらない。
やがて、王政の矛盾、神殿と王家の癒着、貴族たちの既得権益といった国家の深層へと踏み込むレティシア。
第二王子ノアや有能な側近たちと手を組み、時に皮肉を、時に理を武器に、静かに、そして確実に“国の形”を書き換えていく。
一方、リリィの“奇跡”には不自然な点が浮かび始め、アレクシスの理想も崩れ、王妃イザベルすら動き出す。
神殿は“新たな聖女”を擁立して逆襲を仕掛けるが、レティシアは理と言葉で人々の心を動かし、ついに国家法の見直しを成し遂げる。
――これは、“誰かに選ばれなかった”令嬢が、自らの意思で“国の未来”を選び取った物語。
そして彼女は言う。
「婚約破棄? むしろ、ご褒美ですわね」
文字数 28,993
最終更新日 2025.06.10
登録日 2025.05.16
「君には神の加護も、美徳もない」
王太子から婚約破棄と断罪を受けた公爵令嬢ユスティーナは、聖女制度に従属する王国から追放される。
すべてを失ったその先で出会ったのは、加護を剥奪され、辺境へ追放された“第二王子”ライオネル。
ふたりは契約を交わす。
目的は、加護にも王にも頼らない“もうひとつの国”を築くこと――。
神の声が届かぬ辺境で、信仰の支配を超えて、人と人が共に在る社会を模索していくユスティーナたち。
その姿はやがて、王都の民の心をも動かし、“語る者たち”による静かな革命が始まる。
これは、断罪された悪役令嬢が、
言葉と共に立ち上がり、
国の形そのものを問い直す、希望と対話の再生譚。
文字数 47,565
最終更新日 2025.05.16
登録日 2025.05.16
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