おぎゃバブ天馬

おぎゃバブ天馬

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”事件が起きる前”に解決してしまうような、空前絶後の≪名探偵≫に、私は──。 命が救われ、されども消え逝く、白の世界──。 生まれた時、不治の病を患っていた私は、一生をそんな病院で過ごすはずだった。 宣告された余命が近づいていた中──。 「これから、君には異世界に転移してもらって、他のプレイヤー──転移者と殺し合いをして欲しいんだウキ」 私は──毛むくじゃらのオランウータンによって、異世界転移デスゲームに巻き込まれ…。 何故だか、五体満足…人生初めて自由な体を手にし、ゲームに興じることを余儀なくされた。 期間は1年。 そして、プレイヤーの中で、私は特別に──。 「──君はJOKER。君だけ、何も能力を持たずして、戦わなければならないウホ」 他のプレイヤーが異能力を使える中、私だけが、《無能力者》として戦わなければならないようだ! されども、このゲーム、私にとってメリットしかない。 ”この体で1年も自由を与えられた”のだから。 だから私は、解明する。 自分が人生を捧げてきた書物──ミステリー小説の探偵のように、このデスゲームの真髄を究明する。 そんな中、転移後早々に、奇怪千万、陰惨な殺人事件に巻き込まれる。 腹部が破裂した惨殺死体──異能が絡んでいるであろう、荒唐無稽で前途多難なミステリー。 そうして私は、産声を上げた。 私は──異世界のシャーロック──いや、シャーロット・ホームズだ!
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文字数 103,700 最終更新日 2024.02.15 登録日 2024.02.03
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