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「こんな男、現実にいるわけない」
前世の私は、乙女ゲームに登場する完璧で一途な公爵令息を見て、そう笑っていた。
ところが高熱をきっかけに前世の記憶を取り戻すと、私はそのゲームのヒロイン、フィオナ・レイベルに転生していた。
しかも目の前には、八歳の春から八年間、一日も欠かさず私へ求婚を続けてきた幼馴染、レオニス・グランヴェルがいる。
七日後には王立学園へ入学し、王太子や騎士団長の息子との出会いも待っている。すべてはゲームで知っている筋書きのはずだった。
けれど、選択肢の表示されない世界で彼らと向き合ううちに、画面にはなかった表情や言葉、迷いが見え始める。
彼らの「好き」は、設定どおりに与えられたものなのか。
それとも、ここで生きてきた彼ら自身の気持ちなのか。
そして、彼らに惹かれていく私の心まで、物語に決められているのだろうか。
正解の選択肢には頼らない。
知っている筋書きだけで誰かを決めつけない。
恋を信じられない転生ヒロインが、画面の向こうにいた人たちを一人の人間として知り、自分の意思で未来を選び直す恋愛ファンタジー。
文字数 76,747
最終更新日 2026.10.17
登録日 2026.09.26
「心配しすぎで役立たずだ」
婚約披露の場で王太子レオンハルトから婚約を破棄された公爵令嬢ミレーヌ。
彼女には、地中を巡る金色の流れと、災厄の前兆である黒い亀裂が見えていた。だが、いくら危険を訴えても「考えすぎ」と退けられ、ついには居場所まで失ってしまう。
そんなミレーヌへ手を差し伸べたのは、災害の多い辺境を治める公爵カイルだった。
「君の心配には根拠がある。私の領地には、君が必要だ」
初めて警告を信じてくれる人と出会ったミレーヌは、洪水や鉱山崩落の危機から領民を救い、少しずつ自分の慎重さを受け入れていく。
しかしその頃、彼女を追い出した王都の地下では、国を揺るがす巨大な亀裂が広がっていた――。
これは、欠点だと思っていた「心配性」で多くの命を救い、自分の役目と居場所、そして愛を手に入れる令嬢の物語。
文字数 115,543
最終更新日 2026.09.25
登録日 2026.09.01
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