きき

きき

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ミステリー 連載中 短編
私は、「間」に住んでいる。 人間が言葉を飲み込む直前。 感情を選ばなかった、その一拍。 ーー私はそこの「間」から生まれた。 この物語に、殺しはない。 血も、叫びも、呪いもない。 あるのはただ、 人間が、自分から″差し出すもの″だけだ。 欲求。 境界。 怒り。 拒否。 名前。 彼らは奪われたとは思っていない。 優しさだと信じ、 配慮だと呼び、 大人になっただけだと納得する。 少しずつ、 少しずつ、 色が抜けていく。 大好きな叫び声も、 素晴らしい悲鳴も上がらない。 ああ、ほらまた、「間」に捨てていくのか? 私が回収しよう。 この愛おしい人間達が、捨てていくものを-- これは、 殺されないまま消えていく人間の記録。 読み終えたあと、 あなたが沈黙を選ぶその瞬間にも、 私はそこにいる。
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文字数 4,870 最終更新日 2026.01.06 登録日 2026.01.06
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