1
件
いじめられっ子の葉山勇造は、オカルト研究部――通称オカ研の最下層部員だった。
廃墟探索ではいつも先頭に立たされ、危険な場所には真っ先に入らされ、カメラ係としてこき使われる日々。
今回も勇造は、部長の伊藤たち五人に連れられ、曰くつきの廃病院へ向かうことになる。
だが、探索の途中で状況は一変する。
突然の悲鳴。
消えていく部員たち。
そして勇造の前に現れたのは、頭部をプロペラのような刃に変えた、異形の怪物と化した伊藤だった。
逃げ場のない部屋へ追い詰められた勇造が見つけたのは、色褪せたボロボロのクマのパペット人形。
その横には、ふざけたような注釈が添えられていた。
【除霊用クマさんです🐻 怪異を殴ると元気になります🧸】
一縷の望みをかけて手にはめた瞬間、パペットの目に光が宿る。
『くまぁ……殴るくまぁ……』
逃げるだけだった少年は、その夜、初めて怪異を殴る。
これは、怪異なんてぶちのめせばいいと教えてくれる、爽快ぶん殴りホラー。
のちに「怪異殴り代行」と呼ばれる物語の、始まりの事件である。
文字数 22,629
最終更新日 2026.07.07
登録日 2026.07.07
1
件