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人間の世界と非日常の世界を隔てる境界。その管理と裁定を担ってきた祝巫《はふり》の一族は、不老不死を求める人間の欲望によって滅ぼされた。ただ一人生き残った末娘・藤真しのぶは、一族を奪った人間への憎しみを抱えながらも、「最後の境界守」として、人間の日常を非日常の脅威から守り続けている。
そんな彼女の前に現れたのが、特務0課の西崎宗次郎だった。立場の異なる二人は、怪異討伐を通じて幾度も共闘する。言葉を交わさずとも互いの意図を察し、危機には自然と背中を預け合う。孤独に戦ってきたしのぶにとって、宗次郎は初めて心から信頼できる人間となり、二人の絆はやがて恋情へと変わっていく。
そんな中、山中の廃稲荷社で児童たちが相次いで負傷する事件が起こる。調査に向かった二人を待っていたのは、かつてしのぶに執着していた大陸由来の黒い天狐だった。しのぶへの妄執から宗次郎を敵視した天狐は彼を襲い、しのぶを庇った宗次郎は瀕死の重傷を負う。それでも彼はしのぶを渡すことを拒み、天狐を退ける。
目の前で倒れた宗次郎を前に、しのぶは初めて、彼を失うことを何より恐れていると知る。助かってほしい、生きていてほしい、離れないでほしい――自分がこの男を愛しているのだと悟る。
宗次郎もまた、しのぶへの想いが、これからの人生をともにしたいという愛情であることを悟る。
一族を滅ぼした人間を許したわけではない。それでも、しのぶが最後に選んだのは、たった一人の人間だった。唯一無二に息が合い、命を預け合える男、西崎宗次郎。しのぶは彼を生涯の伴として、その傍で生きていく道を選ぶ。
人間を憎みながら、それでも人間の日常を守ってきた最後の境界守。彼女が最後に選んだ未来は、孤独ではなく、宗次郎とともに生きる人生だった。
文字数 58,036
最終更新日 2026.08.24
登録日 2026.08.20
日常の裏側、非日常に跋扈するモノから呪術を以てして人々の生活を守るのが呪術師である。
ある雨の日に漂白の魔物、青鬼梟は悪霊《アン・シーリー》との闘いに敗れた瀕死の女呪術師と出逢う。 彼女の名は藤咲文音。
婚姻という人生の門出の日に母親と親族凡てを悪霊に殺されてから、真犯人を追い続けてきた。
《後生だ。カサイ・シュウヘイという名の怪異を、殺して欲しい。そしてどうか、私がここで死んだことを誰にも知らせないで》
彼女に身体と悲願を託された青鬼梟は、新たなる名を対価に受けとる代わり、魔物として在りながら藤咲文音として活動する道を選ぶ。 奇々怪々な怪異たち、そして様々な人間模様を織り交ぜながら青鬼梟・ソラは真犯人を追い詰めていく。
文字数 47,400
最終更新日 2023.09.19
登録日 2023.09.14
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