ビジネスの成功は“体力”で決まる――。成功者の多くは「体力おばけ」であり、24時間365日働いても疲れない、そんなイメージがあるかもしれません。確かに、体力があれば長時間働くことができ、毎晩飲み会に顔を出して人脈を作れます、インプットもアウトプットも、トライ&エラーも、体力があればいくらでもできるでしょう。しかし、体力という身体的な能力は、生まれながらの体質が大きいものです。また、年を取るごとに体力は目減りしていきます。「体力ありき」で考えるのではなく、「タフじゃなくても」結果を出す方法を模索することが長く働き続けるコツではないでしょうか。一流企業のゴリゴリの営業部で結果を出し、現在は起業家として活躍する秋山さんは、じつは先天的な心臓病を抱え、学生時代の怪我が原因で、視力が低下しています。「タフじゃなくても」結果を出す、ビジネスマンの働き方、考え方を教えていただきます。
「何もしてないけど疲れた」、仕事でも家庭でも、そのように思ったことのある人は多いのではないでしょうか。しかし、仕事でもプライベートでも、私たちは毎日、生きているだけでエネルギーを使っています。業務上の苦労はもちろん、人間関係でも気を遣います。楽しいはずの家族との団らんや、趣味の活動も、エネルギーは使われています。その分だけ疲労は少しずつ蓄積していくのです。この疲労が少しずつ積み重なり、「なんだかやる気が出ない」「集中できない」「体調が悪い」という形で表面化します。
「疲れてから休む」のでは後手後手の対応になってしまい、「今日もできなかった」が回復するまで続いてしまいます。だからこそ、疲れてから休むのではなく、疲れる前に「リセット」することが大切です。リセットとは何か? 筆者の中ではリセットには大きく3つあります。日々のリセット。週1回のリセット。そして月1回のリセットです。
まず、日々のリセットとは何か? 毎日、疲労に対して対処していくことで、疲労の「蓄積」がなくなります。「その日の汚れ、その日のうちに」ではないですが、疲労も汚れと一緒で、こびりつくほど落ちにくくなるのです。
筆者は毎日、
・水を2リットル飲む
・6時間以上の睡眠を取る
・ナッツを食べる
・野菜を食べる
ということを意識しています。特別なことは何もありません。でも、人間の体は毎日食べたもの、飲んだもの、眠った時間によって作られています。
もちろん1日だけやっても、または1日サボっても、普通の方なら体調にダイレクトな影響があるわけではありません。しかし、私のように生まれつき心臓病を持っていると、人一倍「健康」の大切さを感じます。健康を失うと多くのものを失います。実際私が心房粗動という不整脈になった21歳の時、就職活動中で、生活習慣はかなり乱れていました。睡眠時間はバラバラ。3時間睡眠の日もある。面接のたびにエナジードリンクを飲む。多い日はレッドブルを1日に4本飲んでいました。もちろん、それが直接の原因だったかどうかは分かりません。ただ、今振り返ると体に大きな負担をかけていたことは間違いありません。だからこそ今は、睡眠、食事、水分補給といった基本的なことを大切にしています。体力がない人ほど、特別な健康法よりも、まずは毎日の基本を整えることが重要だと思います。
続いて、週1回のリセットについて。仕事ばかりしていると、どうしても視野が狭くなります。目の前のタスクや課題ばかりに意識が向いてしまうんですよね。しかし、ちょうど、通常の仕事は1週間に2日、土日休みの方が多いと思います。そんな時、私は家族との時間を大事にします。子どもと遊ぶ。一緒に出かける。家族でご飯を食べる。そんな時間がリセットになります。
子どもと遊んでいると、あんなに思い悩んでいた仕事上の悩みが、不思議と小さく見えることがあります。公園で走り回っている子どもを見ていると、「昨日悩んでいたことって、そこまで大きな問題じゃなかったな」と思えることもあります。仕事から少し離れる。別の世界に身を置く。それだけで心は回復します。私の場合は家族ですが、人によっては趣味でもいいと思います。スポーツでもいい。映画鑑賞でもいい。読書でもいい。友人との食事でもいい。大切なのは、仕事以外の時間を持つことです。心を整える時間を意識的に確保することが、長く働き続けるためには必要だと思います。