絶対に失敗しない起業術

勝ち組の起業家ほど「最初は非効率で丁寧な仕事」をしている

2019.05.21 公式 絶対に失敗しない起業術 第21回
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成功している人は極限まで効率化している

ある日のこと、私は有名な講師の先生との打ち合わせのために、オフィスにうかがいました。

すると、先生は私の前に別の人と打ち合わせをしているようで、入り口のソファーで時間まで待っていました。

「お待たせしました」

と声をかけられて、テーブルについて30分の打ち合わせをしました。

打合せの間ずっとパワフルで、ご機嫌なノリで打ち合わせは終わりました。

そして、打合せを終えて入り口に戻ってみると、なんともう次の打ち合わせのお客さまが来ていました。

後で聞いてみると、お忙しい先生なので、打ち合わせはぶっ続けで、まとめて4人も5人も一度にしているのです。

それぐらい効率的に働くことで、時間をやりくりしているわけです。

「そうか! 売れている人はここまで効率化しているのか!」

と感動した覚えがあります。

成功している人は、あらゆることを効率的に進めています。

・たくさんの店舗を展開して売上をあげている。

・社員が勝手に働いてくれている。

・メルマガ1通で数百万円を売り上げる。

・ほったらかしで商品が売れる。

・1つのコンテンツを何度も使いまわしている。

・たくさんのお客さまを一度に相手にしている。

・お客さまや取引先がわざわざ自分から来てくれる。

これは多くの人が憧れる状況ではないでしょうか。

もっと効率的に稼ぎたいと多くの人が考えていると思います。

しかし、ここでお伝えしたいのは「効率化しよう」ということではありません。

ここで言いたいのは逆です。

「最初は効率を求めない方がいい」

ということです。

これが、今回のテーマです。

最初から効率を求めてはいけない理由

効率のいい経営を目指すのは素晴らしいことです。

生産性を上げることは経営者の責務ですので。

しかし、最初から効率を求めることはおすすめしません。

例えば、楽器の練習を例にすると分かりやすいかもしれません。

私はクラリネットを習っていますが、新しい曲を練習するときには、まず、テンポを落としてゆっくりと練習します。

当然のことですが、最初から速いテンポで練習していると、指がぜんぜん追いつかないからです。最初から速いスピードで何度やってもうまくならないのです。

ダンスの練習もそうです。

最初は1つ1つの動きを確認しながら、ゆっくりと練習していきます。そして、ひと通り踊れるようになったら、だんだんとスピードを上げて行くわけです。

もちろん、これはビジネスでも同じです。

1つずつの仕事を丁寧にやっていき、ひと通りの仕事に慣れてから、最後にスピードをあげるのが最もスムーズです。

最初から効率を求めてスピードを出しても、サービスの品質は低いし、仕事の流れは場当たり的だし、お客さまにも満足してもらえません。

リピーターは来ないし、クレームも増えて、余計に手間がかかって、結局は非効率になってしまいます。

ですので、最初のうちは効率を忘れて、丁寧にその仕事に取り組むことが必要です。

実は、効率を考えるのは一番最後なのです。

効果が出るまでは効率度外視で!

私も、今は打ち合わせをなるべくまとめてやるようになりましたし、ネットで済ませることも増えてきました。

しかし、最初はそうはいきません。

時間がかかっても自分が出かけて行って、取引先やお客さまの指定する場所まで行っていました。

対面してお話することで、相手の表情や口調も分かりますので、押さえておくべき重要なポイントがしっかりと理解できます。

また、今はセミナーをやるときは、準備はあまりする必要はありません。
スライドもつくらずに、ホワイトボードを使って、その場で対応することもできます。

しかし、最初はどうしたかというと、スライドは当然、話す内容もすべて文章にしていました。話すことを一字一句書いていて、冗談を言う場所も同じでした。

2時間のセミナーでも、準備に1か月も2か月もかけていました。

それをしていたおかげで、セミナーのコツが分かってきて、今では準備がほとんどいらなくなったわけです。

そして販売の際にも、今では広告を使ってセミナーに数百人も集客することができています。しかし、そのためには広告のキャッチコピーを何度も何度も練って、反応がいい広告文になるように何年も試行錯誤しました。

最初に丁寧に1つずつやるからこそ、後から効率化ができるのです。

・たくさんの店舗を展開したいなら、最初は1つの店舗で売上があがるように研究し、オペレーションを磨く。

・社員が勝手に働いてくれるようになるには、じっくりと社員とコミュニケーションを取り、時間をかけて信頼関係を築く。

・メルマガ1通で数百万円を売り上げたいなら、丁寧に配信をしていって、ファンを増やす。

・ほったらかしで商品を売りたいなら、ほったらかしで売れるようなクオリティのWEBサイトや、チラシを丁寧につくる。

・1つのコンテンツを使いまわししたいなら、いくつもコンテンツをつくってみて、その中でいいものを抽出していく。

・たくさんのお客さまを一度に相手にしたいなら、最初は1人ずつ丁寧に対応していき、お客さまの対応のツボを見極める。

・お客さまや取引先がわざわざ自分から来てくれるようになるには、最初は自分から客先に出向いていき、実績をつくっていく。

このように、最初は採算度外視、効率度外視で丁寧に仕事をやり遂げるからこそ、最終的に効率的に仕事を行うことができるのです。

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プロフィール

今井 孝
今井 孝

株式会社キャリッジウェイ・コンサルティング
代表取締役

大手IT企業でいくつもの新規事業開発を手がけ、初年度年商が数億円を超える事業で社内アワードを受賞。その実績をもとに意気揚々と独立したものの、スモールビジネスの成功法則を知らなかったため、いきなり挫折。セミナーを開催しても閑古鳥が鳴き叫ぶばかり。挽回のために数百万円を投資して作成した教材はほとんど売れず、部屋を占領する在庫の山に。ネット広告につぎ込んだ資金は一瞬で消えてしまい、胃の痛みと闘いながら起業1年目は終了。
その後、10年連続300人以上が参加するセミナーを主催。トータルでは6,000人以上に。
集客できるようになった一方で、毎回結果を出すことに囚われるようになり、「やらなければ……」という苦しさを味わい、その結果、数多くの経営者から学びを得て“過程を楽しむ”という本質に到達した。売上に執着し過ぎることを消し去ったのは「誰かのために貢献し続けたい」という思い。そこで、ビジネスを心から楽しめるようになる。
それらの経験を踏まえたマーケティングとマインドに関するさまざまな教材が累計3,000本以上購入されるなど、3万人以上の起業家にノウハウや考え方を伝え、最初の一歩を導いた。
誰にでもわかりやすく、行動しやすいノウハウと伝え方で、「今井さんの話を聞いたら安心する」「自分でも成功できるんだと思える」「勇気が湧いてくる」と、たくさんの起業家に支持されている。

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