リーダーシップの身につけ方

リーダーになる日はやがて必ず訪れる

2015.10.26 公式 リーダーシップの身につけ方 第2回

理想のリーダーの姿とは

もしかしたら皆さんの中には、今の自分のままでリーダーになれるのか、とお感じの方もおられるかもしれません。自分にはみんなをぐいぐい引っ張っていくような強いリーダーシップなど持ち合わせていない、と思われているかもしれません。

しかし、それでいいと私は思っています。それでもリーダーになれる日が、やがて必ずやってくるからです。

なぜなら、「ついていきたい」とまわりの人が思うように、あなたがなっていたとするならば、みんなに推される形で自然にリーダーに選ばれることになるからです。リーダーになろうとするのではなく、まわりに推されてリーダーになる。私はこれが、理想のリーダーの姿だと思っています。

「ザ・ボディショップ」でも「スターバックス」でも、私が実践していたのは、「オレについてこい」という強烈なリーダーシップでもありませんでしたし、カリスマ的な魅力で部下を引っ張る、といったマネジメントでもありませんでした。そもそもそんなことは、私には無理なことです。

リーダーに求められるもの

しかし、「誰よりも組織を愛し、みんなのために頑張ろう」と思っているリーダーなら、もしかしたら目指せるのではないか、と思っていました。結果リーダーとして、それなりの実績を上げることができたのです。

私は高校時代に野球部のキャプテンを務めていました。といっても、皆さんがお持ちのイメージと私のそれとは、ずいぶん違っていたことに驚かれると思います。私が野球を本格的にはじめたのは、高校からでした。それでもかなり昔に甲子園の出場経験のある進学校だったので、やはり日々の練習はそれなりに厳しいものでした。

しかも私の場合、中学校には野球部がなく、本格的な野球という意味では未経験者です。最初の頃は球拾いをしただけでバテていました。同級生には、入学してすぐに上級生と一緒にプレーするような人もいました。しかし、私はずっと球拾いをしたり、ブルペンキャッチャーを務めたり、と裏方ばかりをしていました。

高校2年生になっても、それは変わりませんでした。上級生の出ない2軍の試合にも、私は出場できませんでした。それでも私は練習を一所懸命やっていました。野球が好きでたまらなかったし、それがやるべきことだと思っていたからです。

夏の大会で敗退し、新チームになって、自分たちの代のチームが作られることになりました。そこでまず行われたのが、キャプテン選びです。

(次回に続く)

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プロフィール

岩田松雄
岩田松雄

1958年生まれ。大阪大学経済学部卒業後、日産自動車株式会社に入社。同社にて幅広い業務を経験後、米国UCLAアンダーソンスクールに留学。その後、外資系コンサルティング会社ジェミニ・コンサルティング・ジャパン、日本コカ・コーラ株式会社役員を経て、株式会社アトラス(ゲーム会社)の代表取締役として、三期連続赤字の企業を再建。さらに株式会社タカラ常務取締役を経て株式会社イオンフォレスト(ザ・ボディショップ)の代表取締役に就任。店舗数を一気に増加させ、売上を67億円から約140億円に拡大。そしてスターバックスコーヒージャパン株式会社のCEOとして「100年後も光輝くブランド」というコンセプトを掲げ、業績を急回復させ再成長させる。これらの功績が認められ、UCLAビジネススクールより全卒業生3万7000人の中から「100 Inspirational Alumni」
('92年卒業生ではただ一人)に選出される。
現在は株式会社リーダーシップ・コンサルティングの代表取締役CEOであり、次世代のリーダー育成に注力する傍らで、立教大学の特任教授として教鞭もとっている。主に「リーダーシップ」に関するテーマにてこれまで著書は30万部を超える『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』はじめ多数。「リーダーシップ」に関する日本の第一人者として日本のビジネス界を牽引する人物である。
HP: http://leadership.jpn.com
Facebook: https://www.facebook.com/Leadership.jpn?pnref=lhc

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