話しやすい人になれば人生が変わる

「会話が下手な人」は、聞く姿勢が間違っている

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適度にあいづちを打ち、質問を挟み、意見を言う

続いて、話しやすい人と思われるためのレスポンスの仕方についてお話しします。
人と話をするとき、私が常に気をつけているのが、できるだけ的確なレスポンスをすることです。相手の話を聞いて、こちらがどんな反応をするか。それによって、話しやすいと思ってもらえるかどうか、信頼されるかどうか、相手から必要十分な話を聞くことができるかどうか、といったことが決まると言っても過言ではないでしょう。

話しやすい人になるためのレスポンスの基本は、適度なあいづちを打ち、適度に質問を挟み、適度に自分の意見を言うことです。あいづちをまったく打たないと、話し手に「この人、私の話を聞いているのかな」と思われてしまいますし、あいづちを打つだけで自分の意見を何も言わないと、「この人、私の話に興味がないのかな」「他人事だと思っているよね」と思われてしまいます。

短いあいづちで、会話にテンポをつくる

あいづちは、ただ打てばいいというものでもありません。やたらと「はい……はい……」などと言われるのは、話し手にとっては邪魔でしかありませんし、「この人、本当にわかっているのかな」「本当に聞いているのかな」といった気持ちにもさせてしまいます。
「無言で大きくうなずく」をメインに据え、ときどき喉の奥あたりで「ふん」という音を出したり、「はい」「ええ」などと声に出してあいづちを打ったりするくらいがちょうどよいのではないかと、個人的には思います。また、あいづちのバリエーションは、「はい」「ええ」「そうですね」「面白いですね」「そう思います」などいくつか用意しておくといいでしょう。

なお、「なるほど」「たしかに」などを目上の人に使うのは失礼にあたるので「おっしゃる通りです」「私もそう思います」と言い換えたほうがいい、といった説をよく見聞きします。
しかし、「おっしゃる通りです」「私もそう思います」といった長いあいづちはかえって話の流れをさまたげることになりかねませんし、そこまで気にする人はそれほどいないのではないか、とも思います。実際、私も「なるほど」「たしかに」を使ってしまうことがしばしばありますが、今のところ叱られたことはありません。
ですから、あまりナーバスになりすぎず、万が一「なるほど」「たしかに」を使って注意されたとき、相手が不快そうな顔をしたときには、以後、その人に対しては使わないようにする……程度で良いのではないかと思います。

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プロフィール

村本篤信
村本篤信

1972年大阪府生まれ。都立国立高校、一橋大学社会学部卒業。大日本印刷に入社後、フリーのライター、編集者に転身。 『3000円投資生活』シリーズ(アスコム/横山光昭)をはじめ、累計250万部以上 の書籍を手がけたほか、取材記事、社史などのライティングを行い、2021年には『ロジカルメモ』(アスコム)を刊行。 2012年に「テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞」優秀賞を受賞して以降は、ドラマや舞台の脚本も執筆。 一方で、90年代よりホラー系ドラァグクイーン「エスムラルダ」として、各種イベント、メディア、舞台公演などに出演し、2018年からは及川眠子・中崎英也のプロデュースにより、ディーヴァ・ユニット「八方不美人」を結成。エスムラルダ名義でのコラムや書籍のライティングも行っている。

著書

話しやすい人になれば人生が変わる

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村本篤信 /
話しやすい人になれば、人づきあいも、仕事も、初対面も、出会いも、家族もぜん...
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