cueのププププレゼン力

第14回 2016.10.26

LOVE♥MUSICS 歌姫の思いを受けとめて

JAZZチャートNO★1

今回のコンセプトアルバムシリーズは、浩子さんがメインの作品ながら、もちろんギタリストの馬場さんあってのものでもあります。そのためどの1枚にも、2人のセッションシーンをかならずどこかに入れるようにしました。3枚目となる『MY ROOM side3』では、階段に腰かけてセッションする2人のカットを、表紙カバーに大胆にレイアウト。やはり楽器を演奏する男性は魅力的です。

また、アルバムタイトルは、シリーズを通してレイアウトやフォントをフォーマット化しました。こうすることでデザインに一体感・統一感を持たせ、“シリーズらしさ”を演出しているのです。

『BODY & SOUL』での偶然の出会いからクリエイションセッションすることになったこのアルバムは、なんと! JAZZチャートにおいて4作ともNo.1★を獲得し、大人気♥シリーズとなっています。浩子さん・馬場さんのサウンドのビジュアル化に携わることができ、クリエイターとして非常に嬉しく感じています。

再スタート

さて、今回は、そのシリーズの“クリスマスアルバム”制作を目指して、2年ぶりのチームプロジェクトとして再スタートを切ったのでした。

クリスマスに贈る、リッチなサウンドビジュアル。今回はカラーを予定しているため、ロケーションや衣装のスタイリングは、これまで以上に重要。そのため春先から早々に、撮影に向けて動いておりました。

そうして決まった撮影場所は、都内のとあるBAR。「こんな身近な場所に、こんなところがあったのか?」と思わずため息が出るような素晴らしいロケーションです。聞けばTVドラマをはじめ、いろいろな撮影に使われているそう。どこを切り取っても、リッチな絵になることでしょう。

そして衣装。浩子さんは、デコルテの開いた真っ赤なドレス。馬場さんはハットにタイに、ビシッとスーツでキメました。嬉しいことに、この日もその場で演奏していただけることに。クリスマスらしいロウソクの優しい灯りに包まれながらLIVEセッションをするいい女、いい男のワンシーンをいただきました。

さ~て。どれにしようか?

これまでに発売した4枚ともNo.1★をGET! している人気アルバムシリーズではありますが、5枚目となる本作のクリエイションに際して、プレッシャーはありませんでした。この作品のコンセプトミーティングのときに、浩子さんが今までどおり明快なイメージを語ってくださったからです。そのおかげでブレのないコンセプトイメージを思い描くことができ、自信をもってクリエイションに臨むことができたというわけです。

ただ、今までの『MY ROOM』シリーズのトーンと、今回のクリスマスのイメージをつなげるためにどのカットを起用するかは、大いに悩みました。

それでもいつもどおり何回も写真に目を通し、考え抜いて、ようやく数枚をセレクト。メインとなるジャケットビジュアルの候補に合わせて、中ジャケットや裏面、盤面の写真パターン・全体レイアウトを複数考え、浩子さんにプレゼンすることにしました。

「浩子さん1人のカットにするのか? 馬場さんとのセッションカットにするのか? レイアウトの方向性は、万人に受け入れられるポピュラリティー性のあるものにするか? それともアーティスティックなものを追求するか?」

そんなHAPPYな悩みの尽きない時間でありました。

そしてついにビジュアルが決定。メインのジャケットは、暖かく美しい灯りの中で、ゆったりと椅子に座って微笑む浩子さんの横顔のビジュアル。中ジャケットは、どーんと、浩子さんと馬場さんのリッチな2ショットセッションシーン。表4裏面には、これからさもステージに向かうかのような、真っ赤なドレス姿の浩子さんのドアシーン。まさにリッチ&ゴージャスな仕上がりです★★★

ウィリアムス浩子だからできることを

これまで様々な国内外ミュージシャン、アイドルなど“音のクリエイター”からオファーをいただき、ビジュアルクリエイトやPVまたまたLIVEツアーグッズのデザインをしてきました。アイデアを考えるときは、それぞれの方のコンセプトやイメージ、あるいは「まったく新しいことにチャレンジしたい」という希望を、できるかぎり考慮するようにしています。

こうしてアーティストたちのアルバムクリエイションにとって“最大Best”となるものを考え、複数のアイデアを提示します。そしてその中から、「どれが1番合っているのか? 興味があるのか? TRYしてみたいか?」を選んでもらい、進めていきます。僕の独りよがりではなくアーティストと一緒に創っていくこと、これを強く意識しているのです。

だから『MY ROOM』シリーズのプロジェクトでは、浩子さんだからこそできるものにしたいと考えてクリエイションしています。実力派シンガーであり、魅力的な大人の女性であり、そしてTHE JAZZだからこそ、というものに。

「ビジュアル1つですべてが……」などとは言いませんが、ビジュアル1つでアルバムの音がより上質に感じられるようなものにしたい。そう強く考えています。 それに今回は、なんてったって“クリスマスアルバム”です。ファンの皆さまにとって、ある人には「自分に対する音のプレゼント」であり、またある人には「大切な人と一緒に聴く至福なひととき」のはず。いずれにしても、1年で1番ロマンティックなとき……そんな思いを込めて、クリエイションに臨みました。

クリエイションするチャンスが僕へのプレゼント

ただいま浩子さんは、JAZZファンの皆さまが待つ全国各地をLIVEツアーで飛び回っておられます。12月12日には、東京銀座のヤマハホールを訪れるそうで、僕も久しぶりに聴きに行く予定であります。いいものを見る、聴くことは、クリエイション魂♥を大いに奮い立たせてくれます。ぜひぜひ皆さまも行ってみてください。歌にセッションに雰囲気に、酔いしれることができますよ。

う~ん。いつかはLIVE演出のプロデューサー的なこともしてみたいな~、と勝手に妄想を企てたりしてます……。

今回のアルバムで、浩子さんとのクリエイションセッションも5回目となりました。深みを増していく歌姫と、MY LIFE WORKのようにクリエイターとしてこれからも一緒に魅力的なものを創り上げていけたらと思っています。浩子さま、どうぞよろしくお願いいたします♥LOVE。

ちょっとちょっとちょっと、とかなり早いですけど、Merry Christmas。こんな素敵なクリエイションの機会をいただきまして、これが僕にとって、何よりのクリスマスプレゼントです。

 


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プロフィール

成田 久
成田 久

アートディレクター・アーティスト。1970年生まれ。多摩美術大学・東京藝術大学大学院修了し、1999年に資生堂入社。宣伝・デザイン部に所属。アネッサのCMで蛯原友里を起用し、楽曲にBONNIE PINK「A Perfect Sky」を使用したことで一躍話題に。そのほかマシェリやマキアージュ、ベネフィーク、HAKU、インテグレート、unoなど多彩なブランドのアートディレクションを担当。更にTSUBAKIで初めて男性キャストとして福山雅治を起用するなど、資生堂商品のブランディングに大きく貢献する。
社外活動では13年NHK大河ドラマ「八重の桜」のイメージポスターのアートディレクションを担当するほか、多数のアーティストのCDジャケットやMVのアートディレクション等を手掛ける。更に雑誌「装苑」にて演劇レビューを連載するなど活動範囲は留まるところを知らない。

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