このように、多忙というものは一見マイナスの物事のようだが、それだけではない。多忙ゆえに手が離せず、集中し、夢中になること。今を頑張るその姿は、不安と後悔という魔の手からあなたを救う。
これを日々使いこなしてみよう。
スケジュール帳を開き、意図的に予定を多く入れてみるのだ。
もちろん、何となくやりたいことを書き出すだけでは拘束力がない。
歯医者や美容外科、予防接種などの、普段は億劫(おっくう)に感じる予約を入れたり、空いている週末に会いたい人とのアポを取りつけたりするのだ。
それだけで、自分の人生の中に予定や納期が多く設定され、時間管理意識が引き締まる。
これも一見、窮屈で難しいことに思えるが、この効果は大きい。
予定を実現するために、毎日が不安や後悔に駆られる余裕などなく、行動的で有意義な日々に変化する。
迷ったり、悩んだりする時間などない。なぜなら、あなたは有意義で充実した毎日を送ることで必死だから。
この文章を読んでいるあなたも、手始めに直近の空いている日に予定を入れてみてほしい。
そんな多忙な毎日を送ると、体力や気力が限界に陥る時もあるだろう。そこで満を持して「休暇」や「余暇」と呼ばれる時間の出番である。
ここでも一つテクニックを授けたい。
ここで言う「休暇」や「余暇」とは、後悔や不安を思う時間ではない。
れっきとした目的を据えるのだ。
具体的には「10時間以上寝る」「見たいドラマをすべて見る」「とにかく何も考えずSNSをする」「気の向くままに過ごしてみる」など、緩すぎるけど明確な目的意識のもとに過ごしてほしい。
休みの時間に目的を持つこと、それが自身を後悔や不安で落ち込むことを防ぎながら、回復する手段なのだ。逆にここを意識しないと、すぐに後悔や不安の念はあなたの脳内に滑り込んでくる。
あなたのお休みは、後悔や不安のために存在しない。あなたの回復と癒しのために存在する。それをしっかり認識すること。
スケジュールを考え、「多忙」と「休暇」をコントロールして、自分の人生をまるで舞台のように演出すること。
それこそが、自分のメンタルを保つための技術であると言えるだろう。