小川流2018燕改革!

連敗からの脱却のために、
現場の指揮官が意識したこと

2018.06.08 公式 小川流2018燕改革! 第6回

停滞ムードを一掃するための
新コーチたちの気遣いと配慮

――連勝中は意識することはないと思うのですが、現実的に負けが込んでいる状況下で、どのようにチームの雰囲気作り、ムード作りを意識されていますか?

小川 ベンチ内については、連敗中でもムードが悪くなることはあまりなかったですね。みんなが必死になって声を出していましたから。とは言え、シーソーゲームのときにはまだまだ攻撃的なムードがベンチにあるけど、大差がついていたり、終盤に逆転されたりしたときにはムードが悪くなるのも事実です。

――そんなときには、どう対処するのですか?

小川 僕がとても助かっているのは石井琢朗コーチの存在です。彼はいつでも自ら進んで声を出しています。常に、「最後まであきらめるな!」と選手たちを鼓舞しています。逆転された長い攻撃が終わってベンチに戻ってきたときにも、「まだまだ!」と叫んでみたり、雰囲気をよくするために、ベンチで控えている上田剛史に対して、「お前の声の力で3点取れ!」と命じてみたり、非常にタイムリーな声掛けをしてくれています。

――石井コーチと同年齢で、ともに今年からチームに加入した宮本慎也ヘッドコーチとの役割分担ができているのですか?

小川 そうですね。宮本の場合は、まさにその肩書き通りに全部のコーチを束ねたり、選手に対しての指導をしたりしています。コーチとしても、自ら憎まれ役を買って出るような姿勢も感じられますね。もちろん、選手たちに対する気遣いを見せながらも、厳しさを前面に出してやってくれています。でも、それは僕が命じた役割分担ではなくて、コーチ自身のキャラクターが影響しているのだと思います。

――野球理論、指導技術に加え、コーチ自身の個性が相まって組織が成立し、そこから独自のチームのムードが生まれるということですね。

小川 同じく今年から加入した外野守備走塁コーチの河田雄祐もいいキャラクターをしていますよ。試合前には、本当に細かい点まで守備面、走塁面のミーティングをしていますけど、選手たちとの距離が非常に近い親しみやすいコーチです。(石井)琢朗は琢朗で、いろいろな引出しを持っていて、選手たちを引っ張っている。宮本は全体を見渡した上で、「きちんと走れ!」とか、「最後まで気を抜くな!」と厳しさを前面に出している。これらは僕の指示ではなくて、それぞれがプロとして自分の役割を心得ている部分だと思います。

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プロフィール

小川淳司
小川淳司

千葉県習志野市出身。習志野高校卒業後、中央大学に入学。1981年ドラフト4位でヤクルトに入団。1992年現役を引退すると、球団スカウトやコーチなどを経て、2010年シーズン途中に監督に就任。2014年シーズンまでチームを率いる。退任後は、2017年シーズンまでシニアディレクターを務め、2018年から再び監督となる。

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