小川流2018燕改革!

激戦が続くペナントレース
小川ヤクルトは「勝負の8月」をどう戦うか――

2018.08.10 公式 小川流2018燕改革! 第10回

いまだ記憶に新しい2017シーズンの屈辱的な戦績。ドン底まで低迷したチームを立て直すべく舞い戻った小川監督は、宮本慎也ヘッドコーチを要に据えたチーム改革を断行した。ハードワークに見られる「厳しさ」の追求は、選手達の意識をどのように変え、チームにどんな変化をもたらしているのか――。インタビュアーにライター長谷川晶一氏を迎え、小川監督のスワローズ改革に迫っていく。

(インタビュアー:長谷川晶一)

8連敗のあとの7連勝。
連勝と連敗を分けるもの

――前半戦終盤には、「借金0」の勝率5割に到達したものの、オールスターゲーム直前には8連敗で借金8となりました。しかし、オールスターブレイク後の10試合では7連勝を含む、9勝1敗の快進撃。今季は連勝が続くかと思えば連敗も喫するという、波が激しいシーズンとなっていますね。

小川 オールスターゲーム前の8連敗については、ひと言で言えば「投打の歯車がまったくかみ合わなかった」ということになります。8連敗すべての試合で先取点を取られました。そして、記録に残らないものも含めて、ミスがとても多かった。正直言えば、「負けるべくして負けた」という試合ばかりでした。

――連敗がスタートした神宮での阪神タイガース戦では、6月30日、7月1日の2試合でともに試合序盤で6失点を喫しました。先発投手陣のやりくりが、とても大変そうでした。

小川 このとき、「休養を与える」という意味で、先発の大黒柱である小川(泰弘)を一度、ローテーションから外しました。しかし、結果的に負けが続き、歯止めが利かなくなったのも事実です。正直、その判断は正しかったのかどうかという思いは、僕の中にはあります。

――前回の連載でも触れたように、ペナントの行方を左右する「勝負の夏」を見据えた上で、オールスターブレイクを活用しつつ、「あえてライアン投手に休養を与える」という決断をしました。この判断は結果的には失敗だったとお考えですか?

小川 ……正直、何とも言えないですね。あの時点で、小川のひじに張りがあり、回復が鈍くなっていたのは事実です。昨年の故障を経ての今季の復活登板ですから、その点に関して、我々首脳陣サイドが慎重になったのも事実。その一方で、結果的に一度登録を抹消して休養を与えたことで、その後の小川の投球内容は格段によくなっているのも事実です。これは、僕自身の希望的観測かもしれないけれど、あの時点で休養を与えたことが、「結果的に8月、9月に生きてくるのでは?」という思いもあります。そういう意味では、あの判断が正しかったのかは、一定の期間を見てからの判断かなと。あと、もう一つ別の狙いもあったんです。

――「別の狙い」とは、何でしょうか?

小川 小川が登録から外れることで、必然的に先発投手の枠が一つ空くことになります。そこで、「チーム内に競争意識が芽生えるのではないか?」と、そんな狙いもありました。この頃には、山田大樹、寺島成輝、大下佑馬に先発登板のチャンスを与えたけど、結果は出ませんでした。小川の穴を埋めてくれる投手は出ず、チームも8連敗したので、結果的にうまくいかなかったのかもしれないですね……。

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プロフィール

小川淳司
小川淳司

千葉県習志野市出身。習志野高校卒業後、中央大学に入学。1981年ドラフト4位でヤクルトに入団。1992年現役を引退すると、球団スカウトやコーチなどを経て、2010年シーズン途中に監督に就任。2014年シーズンまでチームを率いる。退任後は、2017年シーズンまでシニアディレクターを務め、2018年から再び監督となる。

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