入社1年目の営業スキル

営業マン必須の「話が伝わりやすい」2つの法則

2017.11.16 公式 入社1年目の営業スキル 第18回
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話しがバラバラだと、相手に伝わらない

こんにちは、ロールジョブの大岩俊之です。営業マンのみなさんは、普段から相手に伝わりやすい言葉の組み立てなど、意識されていますでしょうか? 同じ会話の内容でも話しの組み立て方しだいで、うまく相手に意図が伝わったり、伝わらなかったりしてしまうものです。

私が営業マンだった時代、お客さまに言葉を伝える際、「伝え方」「しゃべり方」など、いろいろと試行錯誤して工夫してきました。元々、私は話し好きで、身振り手振りで話を伝えようとする感覚タイプです。仲のよいお客さまとは、多少言葉が足りなかったとしても、話が少しズレていたとしても、お互いの空気感でなんとなく言葉を感じ取っていました。

自分では、話は上手な方だし、人に伝えることは問題ないと思っていました。それが、思いがけない時に、自分の伝え方の工夫が足りないことを知ることになりました。

初めてお会いしたお客さまや、担当者が全く面識のない上司を連れてきた時、または購買部門、設計部門、品質管理部門などが一同に集まって商品採用会議などをする場面では、私の説明が「伝わっていない」と感じることが多くなってきたのです。

空気感が分からない、あまり親しくない相手の場合は、私の話の組み立て方しだいで、話の内容が「伝わったり」「伝わらなかったり」してしまうのだと知ったのです。営業マン時代、人前でプレゼンする機会はほとんどなかったため、上達するのには時間がかかりましたが、今思うと、ある時コツをつかんでから、一気に上手になった気がします。

それは、人に話を伝えやすくするのに、ある2つの法則に沿って話しを組み立てるだけで、大きく変わるということを学び、実践したからです。

その法則とは、どんなものなのでしょうか?

この2つの法則を使えば、相手に伝わる!

みなさんに紹介したい2つの法則とは、「PREP法」「ホールパート法」です。

「PREP法」とは、文章を分かりやすく表現するためのものですが、相手に話を伝えるのにも役立つ「話の組み立て方」です。

PREP法:
Point(結論)
Reason(理由)
Example(事例、具体例)
Point(結論)

という構成になっています。これらの英語の頭文字を取って「PREP法」と呼んでいます。これを「私のマイブームは?」というテーマに沿って、PREP法で作成してみます。

Point(結論)
私のマイブームは、スイーツ写真を撮り、Facebookにアップすることです。

Reason(理由)
仕事以外の側面である、スイーツ好きを知ってもらうのと、たくさん「いいね!」や「コメント」をもらうと嬉しいからです。

Example(事例、具体例)
有名店の定番スイーツから、季節ごとに旬のパフェ(秋は栗)などを紹介したり、新しくオシャレなカフェを開拓したりして、お店の紹介もするようになりました。

Point(結論)
これによって仕事での会話の幅も広がり、お客さまとの話のきっかけづくりができるようになりました。

というようになります。このように話しを組み立てると、分かりやすくなりますね。

次は、「ホールパート法」です。これは、プレゼンなどではよく使われている方法です。このホールパート法とは、最初に話の全体像「Whole」を伝えてから、話の各部分「Part」を説明していく方法です。最初に、全体像を伝えることで、話を聞く人は理解しやすくなります。

同じく「私のマイブームは?」というテーマで作成してみます。

全体像「Whole」
私のマイブームは、3つあります。1つ目は、スマホでスイーツを上手に撮影すること。2つ目は、人気が出そうなスイーツを探すこと。3つ目は、スイーツをFacebookにアップして、「いいね!」や「コメント」をもらうことです。

話の各部分「Part」
1つ目のスイーツ写真撮影ですが、スマホでは細かい撮影の設定ができないかわりに、光が入る位置、スイーツの位置、後ろのぼかし具合を考えながら撮影するのが楽しいです。

2つ目の人気が出そうなスイーツを探すことですが、ファミレスで新商品が出ると、いち早く食べてみたり、おしゃれなカフェで、お店それぞれが工夫を凝らしたスイーツを堪能しています。

3つ目のFacebookにスイーツ写真をアップすることですが、投稿してからの友人の反応を見るのが楽しみです。目新しい新商品や季節のスイーツに対しては、みなさん反応がいいです。

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プロフィール

大岩俊之
大岩俊之

理系出身で、最新のエレクトロニクスを愛する元営業マン。
大学卒業後、電子部品メーカー、半導体商社など4社で法人営業を経験。いずれの会社でも、必ず前年比150%以上の営業数字を達成。200人中1位の売上実績を持つ。
独立起業を目指すなか、「成功者はみな読書家」というフレーズを見つけ、年間300冊以上の本を読むようになる。独立起業後、読書法やマインドマップ、記憶術などの能力開発セミナー講師をしながら、法人営業、営業同行、コミュニケーション、コーチングなどの研修講師として7,000人以上に指導してきた実績を持つ。年間200日以上登壇する人気講師として活躍している。
主な著書に、『格差社会を生き延びる“読書”という最大の武器』(アルファポリス)、『読書が「知識」と「行動」に変わる本』(明日香出版社)、『年収を上げる読書術』(大和書房)、『1年目からうまくいく! セミナー講師超入門』(実務教育出版)などがある。

著書

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