すぐに使える営業の心理学

顧客が「次もあなたに会いたくなる」営業術――「1:5の法則と5:25の法則」

2018.12.20 公式 すぐに使える営業の心理学 第18回
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新規開拓営業より既存のお客さま

こんにちは、ロールジョブの大岩俊之です。突然ですが、営業マンのみなさんは、既存のお客さまが大切だと知りながら、そのお客さまがまた次にあなたに会いたくなるような営業活動ができているでしょうか? もしかしたら、既存のお客さまのフォローを必要最低限にして、新規開拓営業に励んでいるかもしれませんね。

営業マンが売上を増やすには、既存のお客さまのリピート案件と、新規のお客さま開拓の2つを考えなければなりません。そこで今回のテーマは、「1:5の法則」と「5:25の法則」です。

まず、既存のお客さまと新規のお客さまでは、かかるコストが大きく違います。

●1:5の法則
新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかる。

●5:25の法則
顧客離れを5%改善すれば、利益が最低でも25%改善される。

これは、アメリカ大手コンサル会社であるベイン・アンド・カンパニーの名誉ディレクターであるフレデリック・F・ライクヘルドが調査して発見した法則です。

つまり、顧客の新規開拓は重要ですが、それ以上にリピート客を増やすこと、そのケアが重要ということなのです。新規開拓は一見大きな手柄に思われがちですが、実は営業マンは既存顧客のリピート率を上げることが、自分の実績に大きくかかわってくるのです。

私が電子部品の営業をしていたとき、パチンコメーカーを新規開拓したことがありました。はじめのうちは、ほとんど相手にされませんでしたが、あきらめずに理由を見つけては通い続けました。お客さま側の担当者との信頼関係もできていないですし、私の働いていた会社の製品も知ってもらっていないことから、いかに、製品のサンプルを提出し、手にとってもらうかが勝負でした。そして、1年かけて通ってようやく製品に興味を持ってくれました。とても長い道のりです。

私のそれまでの経験では、パチンコやパチスロに新しく部品が採用された中では、一番早かった企業でも、2年という時間がかかっていました。そんな中で新規に営業したほとんどの会社は、見向きもされませんでしたから、私の場合は採用されただけでも運がよかったのかもしれません。

このように、新規のお客さまを開拓するのは、簡単ではありません。ですので、既存のお客さまを大切にした方が得策なのです。既存のお客さまからの次の案件を受注する、既存のお客さまが、自社の同じ製品を使い続けてくれる、既存のお客さまが保守サービスを次年度も契約してくれるなどの方が、新規開拓と比べ、労力がかかりません。

このようなことから、営業マンたるもの、既存のお客さまから「またこの人の話を聞いてみたい!」と思ってもらわなければなりません。そんな営業がいかにできるかが、これからの時代の営業マンの勝敗を決める大きな要因になってきます。単なる雑談ではなく、お客さまが求めている情報を提供するなど、これからの営業には相手のニーズに合わせた工夫が必要なのです。

では、どのようにすれば、「またこの人に会いたい」と思われる営業マンになることができるでしょうか。

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プロフィール

大岩俊之
大岩俊之

理系出身で、最新のエレクトロニクスを愛する元営業マン。
大学卒業後、電子部品メーカー、半導体商社など4社で法人営業を経験。いずれの会社でも、必ず前年比150%以上の営業数字を達成。200人中1位の売上実績を持つ。
独立起業を目指すなか、「成功者はみな読書家」というフレーズを見つけ、年間300冊以上の本を読むようになる。独立起業後、読書法やマインドマップ、記憶術などの能力開発セミナー講師をしながら、法人営業、営業同行、コミュニケーション、コーチングなどの研修講師として7,000人以上に指導してきた実績を持つ。年間200日以上登壇する人気講師として活躍している。
主な著書に、『格差社会を生き延びる“読書”という最大の武器』(アルファポリス)、『読書が「知識」と「行動」に変わる本』(明日香出版社)、『年収を上げる読書術』(大和書房)、『1年目からうまくいく! セミナー講師超入門』(実務教育出版)などがある。

著書

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