トップセールスマンが必ずもっている「20%の余力」――「パーキンソンの法則」

2018.08.16 公式 すぐに使える営業の心理学 第10回
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与えられた時間に対して仕事は埋まる

こんにちは、ロールジョブの大岩俊之です。営業マンは、お客さまを訪問するのが仕事です。そのため、たくさんのアポイントを入れ、できるだけ多くの人と接点を持つように努力します。しかし意外にも、そこに落とし穴があったりするのです。

今回のテーマは、シリル・ノースコート・パーキンソンが提唱した「パーキンソンの法則」です。

パーキンソンの法則とは、

第1法則
仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する

第2法則
支出の額は、収入の額に達するまで膨張する

パーキンソンの法則は、第1法則と第2法則があります。今回は、その中の第1法則の方を取り上げ、「パーキンソンの法則」を活用すると、日頃の営業活動にどのような影響を与えるのかを見ていきます。

みなさんは、会社で仕事をしていると、このような経験はないでしょうか?
・スケジュールが、いつの間にか埋まっている
・余裕を持ったはずのスケジュールが、パンパンになっている
・忙しいときに限って、さらに仕事が増える
・緊急事態が起こると、予定がぐちゃぐちゃになる

例えば、1時間で終わる仕事があったとします。全部で2時間の余裕があったとしたら、結局1時間の仕事に2時間使うことになります。ゆっくり作業を行うこともあれば、さらによい出来に仕上げようと工夫することもあります。

人は、与えられた時間を満たすように、仕事で埋めてしまうということです。仕事で時間を使うのはいいことですが、営業マンの場合は、突発的なクレーム、納期トラブルなどの緊急対応がついてまわります。現代は人手不足で、一人に対する仕事量も増加しているため、自分で時間のコントロールを上手にしないと、あっという間に与えられた時間すべてを使ってしまうのです。

そのため、緊急事態に対処する時間がなくなり、お客さまに迷惑をかけることになります。普段から、与えられた80%の時間しか使わないと決め、その時間ですべてを終わらせるようにし、20%の余力を残しておくことが重要になるのです。

では、どのようにして、これを営業活動に取り入れればよいのでしょうか?

20%の余裕を持つための工夫

今から紹介する方法は、見方によっては、少し余裕があるように見えるかもしれません。昔ながらの管理をしたがる会社、細かい性格の上司などからは「そんな時間があるなら、もう1件まわれ!」と小言を言われるかもしれません。

しかし、私が会社員の時代は、常に20%の余力をもって行動していたため、緊急時に素早い対応が可能でした。そのおかげで、お客さまからの評価も抜群でした。やはりこれは、常に時間の余裕をつくっていたからに他なりません。

私は、これまで何十人というトップセールスマンを調べてきましたが、ほぼ全員の方が、かなりの余力を残して仕事をしている実態がありました。「これでトップセールスマンなの?」と思われるくらい、余力を残している方もいます。

営業研修や営業同行などで、営業マンを指導した経験からも、緊急時に素早い対応ができる営業マンの方が、お客さまからの信頼が厚くなり、結果的に売上げが上がっていくのです。

こうしたことからも、営業マンの仕事の詰め込みすぎは、有害なことの方が多いといえます。では、具体的にどう営業活動に取り入れればいいのかを紹介しましょう。

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プロフィール

大岩俊之
大岩俊之

理系出身で、最新のエレクトロニクスを愛する元営業マン。
大学卒業後、電子部品メーカー、半導体商社など4社で法人営業を経験。いずれの会社でも、必ず前年比150%以上の営業数字を達成。200人中1位の売上実績を持つ。
独立起業を目指すなか、「成功者はみな読書家」というフレーズを見つけ、年間300冊以上の本を読むようになる。独立起業後、読書法やマインドマップ、記憶術などの能力開発セミナー講師をしながら、法人営業、営業同行、コミュニケーション、コーチングなどの研修講師として7,000人以上に指導してきた実績を持つ。年間200日以上登壇する人気講師として活躍している。
主な著書に、『格差社会を生き延びる“読書”という最大の武器』(アルファポリス)、『読書が「知識」と「行動」に変わる本』(明日香出版社)、『年収を上げる読書術』(大和書房)、『1年目からうまくいく! セミナー講師超入門』(実務教育出版)などがある。

著書

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