すぐに使える営業の心理学

二流の営業マンは売って終わり、一流は売ってからが始まり――「エスカレーター効果」

2018.07.19 公式 すぐに使える営業の心理学 第8回
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いい意味での違和感を与える

こんにちはロール、ジョブの大岩俊之です。営業マンのみなさんは、ただただ、お客さまに商品を売ることばかり考えていませんでしょうか? しかし、それでは大多数の営業マンと同じで、秀でた営業マンになることはできません。

今回のテーマは、「エスカレーター効果」です。止まっているエスカレーターを登ったり降りたりするときに、足が重くなった感覚を持ったことがありませんか? これは「エスカレーターは自動で動くものだ」という思い込みに対する違和感から来ています。そのような違和感を、営業マンはいい意味で利用するのです。いわゆる、ギャップです。今回は、そんな「エスカレーター効果」を活用すると、日頃の営業活動にどのような違いが出るのかを見ていきます。

営業マンの仕事は、商品やサービスを売ることです。商品やサービスを売るために、お客さまの話を聞いたり、お客さまの役に立つにはどうすればよいかと、一生懸命に考えます。しかし、これは商品を売るまでの話であることがほとんどです。商品やサービスを売った後は、次の採用に向けての商談でもない限り、客先を訪問することはなくなり、売ったお客さまのことを意識しなくなるのが普通です。

お客さまも、営業マンは売ることが仕事であり、商品を売った後は、他の会社への営業活動で忙しくなることはわかっています。そのため、保守契約でもしない限り、商品やサービスを買った後には、営業マンにあまり期待をしていません。ですが、お客さまの購入後でも、たまに顔を出すような営業マンだと、お客さまは安心するだけでなく、その営業マンを信頼してくれるのです。

そう、営業マンは商品やサービスを売った後、すなわち「アフターフォロー」に力を注ぐべきなのです。一見、すぐに売上につながらないアフターフォローは時間の無駄のように感じるかもしれませんが、必ず次の案件依頼や人の紹介という形で、自分に戻ってきます。

アフターフォローで好印象を与えるのは、心理学用語の「エスカレーター効果」で説明できます。止まっているエスカレーターを登ったり降りたりするときは、足が重くなったような感覚を覚えます。止まっているエスカレーターを歩かなければいけなくなると、脳が普段のエスカレーターでしているようなバランス調整を再現してしまうのです。これは、思い込みに対する違和感から来ています。

つまり、お客さまは「営業マンは売ったら終わり」という感覚を持っているため、逆のことをすると、好印象を持たれやすいということです。営業マンのアフターサービスがいい方が、リピートしてくれる確率は格段に高くなります。だから優秀な営業マンほど、アフターフォローを大切にしているのです。

では、これをどのようにして営業活動に取り入れるのが効果的なのでしょうか?

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プロフィール

大岩俊之
大岩俊之

理系出身で、最新のエレクトロニクスを愛する元営業マン。
大学卒業後、電子部品メーカー、半導体商社など4社で法人営業を経験。いずれの会社でも、必ず前年比150%以上の営業数字を達成。200人中1位の売上実績を持つ。
独立起業を目指すなか、「成功者はみな読書家」というフレーズを見つけ、年間300冊以上の本を読むようになる。独立起業後、読書法やマインドマップ、記憶術などの能力開発セミナー講師をしながら、法人営業、営業同行、コミュニケーション、コーチングなどの研修講師として7,000人以上に指導してきた実績を持つ。年間200日以上登壇する人気講師として活躍している。
主な著書に、『格差社会を生き延びる“読書”という最大の武器』(アルファポリス)、『読書が「知識」と「行動」に変わる本』(明日香出版社)、『年収を上げる読書術』(大和書房)、『1年目からうまくいく! セミナー講師超入門』(実務教育出版)などがある。

著書

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