この心の「マンネリ」から脱却する方法は、ビジネスシーンでも応用することができます。仮に仕事上で「心のマンネリ」を感じて、“やる気”が維持できない状況に陥った場合は、職場で自分に刺激を与えてくれる「他人」を探してみましょう。
この場合に気にするべき「他人」は、自分にとって尊敬の対象になるような人ではなく、なるべく身近な立場の人が理想です。上司や先輩よりは、会社で評価されている同僚や後輩、それでいて自分にとってはあまり好感度が高くない人が適しています。
つまり、その人が成功していることを「あの人なら、できて当然」と納得できる人ではなく、「この人にできるのに、何で自分はできないのだろう」と思わせるような存在が望ましいのです。例えば、同期入社で自分と同じように仕事をしているのに、今では周りから自分より高い評価を得ているような同僚はいませんか?
人は、そういった「他人」の成功には、どうしても目を背けてしまいがちです。なぜなら、意識しない方が「悔しさ」や「自分の不甲斐なさ」などを感じずに済むからです。できるだけ気持ちの平穏を保ちたいと思うあまりに、そういったマイナスの感情を持つことは避けようとします。そのために、身近な「他人」の成功は無意識に認めようとしないのです。
しかし、ビジネスシーンでも「心のマンネリ」を化させないためには、こうした「他人」の成功にこそ目を向けて、「認める」べきです。そのときは、やりきれない気持ちになったり、落ち込んだりするかもしれません。ところが、そうした自分にとってマイナスと思われる感情が、「マンネリ」した心の刺激になります。「この人ができるのに、なぜ自分にはできないのだろう」という理不尽に思う感情は、やがて「負けたくない」や「自分にもできるに違いない」という感情に変換されるのです。こうしたライバル意識や自意識こそが、”やる気”の源になります。
さらに、こうして自分の心を刺激してくれる「他人」に、常にアンテナを張っておくようにすると、「心のマンネリ」を予防することができます。普段から、適度に「他人」の存在を意識して、自分の心が刺激を受け続ける状況を作っておくのです。そういったことを日頃から心がけておくことも、頑張らないで“やる気”を出すコツです。
「心のマンネリ」は、実は「甘え」にしか過ぎません。もし、日々の中で「マンネリ」を感じてしまったら、周りの「他人」に目を向けて下さい。そこから「脱・マンネリ」を図っていきましょう。
次回に続く