このように「仕事」と「プライベート」は繋がっていますが、そう言われても、あまりピンとこない人もいるかもしれません。そこで、その関係性についてもう少し具体的に考えてみましょう。
まず「仕事」にはさまざまな業種がありますが、実はそれらのほとんどは「プライベート」と関連しています。何かしらの道具をつくっていても、コミュニケーションに必要なシステムを整備していても、それらの「仕事」は人の生活を発展させて、「プライベート」をより充実したものにしているはずです。一見、生活に関係ないと思われるような「仕事」でも、必ず何らかの形でだれかの「プライベート」に関わっているのです。
また、「プライベート」の時間を過ごしていても、実は「仕事」をすることができます。例えば、旅行先で起きた出来事から「仕事」のアイディアが浮かんだり、家族との会話の中に「仕事」の問題解決の糸口になる要素を見つけたりと、「プライベート」の中にも「仕事」のヒントはたくさん溢れているのです。そう、実は皆さんは「仕事」を前進させるヒントを、案外「プライベート」から得ているのです。
さらに、「プライベート」で何か特別な出来事があって、充実感が得られた状態で「仕事」に取り組むと、「仕事」に張りが出ることもあります。また「プライベート」が充実していると、「仕事」で抱えたストレスをいつまでも引きずることも避けられます。すなわち、直接的に「仕事」に役立つ情報を得ないまでも、「プライベート」の時間が、「仕事」に対する“やる気”を保ってくれることも、往々にしてあるということです。
こうして「仕事」と「プライベート」は人生というひとつのフィールドの上で繋がっているため、「仕事」が「プライベート」をより豊かにして、「プライベート」が「仕事」を支えてくれることもあることに、ぜひ気付いてください。「仕事」と「プライベート」は、双方がお互いを高め合う「相乗効果」を生んでくれるのです。
これは、私の知人が起業したときの話です。その人は起業したばかりのときから、「仕事」と「プライベート」を完全に分けて考えていました。土日は休日で「プライベート」の時間なので、「仕事」は一切しないと宣言していたのです。そのため、私はその人に「仕事」を依頼することも他の人に紹介することもしなくなりました。なぜなら、本当の意味で「人生」を楽しんでいる人と一緒に「仕事」をしたかったからです。
起業したてにもかかわらず、問題が発生しお客さまが困っていても、休日は仕事をしませんというのですから、誰もが取引を打ち切りたくなるのは当然のことでしょう。そもそも自分でやりたいことがあったから、それを「仕事」にして起業したわけです。そこに必死にならず「仕事」と「プライベート」を区別しているようでは、起業してもうまくいかないと私は考えています。
現代は通信技術の向上によって働き方が多様化し、どこにいても仕事ができる時代になりつつあります。すべての仕事がそうではありませんが、あなたも、まず自分の思考から変えてみましょう。「仕事」と「プライベート」は、常に密着しているのです。ですから、どちらもトータルで楽しもうとする思考に“楽しさが生まれ”、“やる気”は宿ると私は考えています。そして、結果的によい循環の生活に変化し、人生の「質」そのものを向上させてくれるのです。
次回に続く