その仕事、誰かに任せなさい!

できる上司は、たったこれだけの「質問」で部下の「自発性」を開花させる

2019.11.15 公式 その仕事、誰かに任せなさい! 第10回
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あなたの部下は、自分で考えて行動する
「主体的」な人ですか?

あなたの部下は、何でも自分で考えて行動する「主体的」な人ですか?

仕事を任せる際、部下が主体的かどうかは重要です。

任された仕事の意味を自分なりに解釈し、どうすればうまくいくかを自ら考え、工夫を凝らし、多少の壁なら乗り越えて成果を出す、そういうたくましさがほしいものです。

ところが多くの場合、以下のようなことが起こります。
・ちょっと考えたらわかるようなことが、わからない。
・調べたらわかることを質問して、自分で答えを見つけようとしない。
・何度教えても、「また聞けばいい」と思って覚えない。
・まさかと思うようなことにつまずき、仕事が止まる。
・止まった仕事をそのまま放置して、平気でいる。

このような状態だと、仕事を任せる方も大変です。
考えない部下は、全ての答えを与えなければ動きません。
「1を聞いて10を知る」といいますが、それは夢のまた夢。
「10を聞いて1動く」の毎日にうんざりすることでしょう。

では、どうすれば、部下は主体的に、かつ自分で考えて行動してくれるようになるのでしょうか?

それには、そもそも「主体的」とはどういう状態なのかを理解する必要があります。
難しく考えることはありません。実にシンプルに定義できます。
それは、「問いのレベル」です。
「部下の主体性」は「問いのレベル」で決まります。
自分の周りにいる主体的な人を思い浮かべてください。
その人は、必ず「問い」を持っているはずです。

・この仕事がもっとうまく行くためにはどうしたらいいか?
・どうすればこの問題を解決できるか?
・どうすればもっと生産性が上がるか?
・どうすればもっと価値を高めることができるか?

このような問いがある状態が「主体的」なのです。

主体的でない人には、問いがありません。
ただ作業をこなす、仕事を終わらせることにだけ着目し、「どうすれば?」「なぜ?」といった問いがないので、説明しても耳に入らず、覚えないのです。

逆に言えば、常に「問い」がある状態にできれば、部下を主体的な人に変革させることができます。

上司の「質問力」
~質問が持つ「2つの機能」~

そんな部下の「問いのレベル」は、どうしたら高まるのでしょうか?
その鍵は、「上司の質問力」にあります。

あなたは、「質問」の目的を何だと捉えていますか?

「質問」は、「自分の知らないことをきく」ために行うのが普通です。
東京駅までの行き方を知らないから、「東京駅はどこですか?」と質問するわけです。

しかし、任せ上手のリーダーは、全く別の目的で質問をしています。
「自分の知らないこと」ではなく、むしろ「知っていること」を質問します。

なぜなら、質問には以下の2つの機能があるからです。
① 相手の関心を高める
② 相手に考えさせる

① 相手の関心を高める
人は質問されると「関心」が高まります。「先月の売上は〇〇円でした」と「伝達」する場面を、「先月の売上はいくらだったと思う?」と質問に変えるだけで、グッと部下の関心が高まるのです。
テレビ番組はこの機能を多用していて、「果たしてタレントの〇〇は激辛チャーハンを食べ切ることができるのか!?」などとあおります。
タレントがチャーハンを食べ切れるかどうかは、視聴者にとって本来どうでもいいことのはずなのに、質問によって関心を高められてしまい、ついついチャンネルを変えられずに観入ってしまうのです。

② 相手に考えさせる
質問のもう1つの役割が、「相手に考えさせる」です。
人は質問されると、つい「考えてしまう」生き物です。
「この資料はここが問題だね」と指摘するよりも、「この資料が10倍よくなる方法があるんだけど、なんだと思う?」と質問されると、部下は資料の改善点を考えるようになります。
日常生活でも、「今日の晩ご飯は何がいいかな?」と質問されれば、今日の晩ご飯を考えてしまいます。「将来の夢は何ですか?」と質問されれば将来の夢を考えてしまいます。

つまり、上司であるあなたは、部下に考えてほしい質問をすることで、部下の問いのレベルを上げることができるわけです。

任せ下手な上司は、「質問」を使わず「伝達」や「指示」をしてしまいます。
大切な出来事を「伝達」し、これをやって、あれをやってと細かく「指示」を出すので、部下の関心を引き出せず、考えさせる問いを与えることもできず、「部下が考えて動いてくれない」と嘆くことになります。

あえて、「知っていること」を質問する。
「伝達」の前に質問を入れて関心を高める。
「指示」を質問に変えて考えさせる。

これだけで、部下は見違えるほど考えて動いてくれるようになります。

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プロフィール

高野俊一
高野俊一

組織開発コンサルタント。
日本最大規模のコンサルティング会社にて組織開発に13年関わり、300名を超えるコンサルタントの中で最優秀者に贈られる「コンサルタント・オブ・ザ・イヤー」を獲得。研修の企画・講師を年200回、トータル2000社、累計2万人を超えるビジネスリーダーの組織づくりに関わってきた。2012年「株式会社チームD」を設立、現代表。部下に仕事を任せ、一人ひとりが目標に燃える最強の組織を構築する技術に定評がある。

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