その仕事、誰かに任せなさい!

仕事の段取りが悪い無能部下を、超有能に変えた上司の「任せ方」

2020.01.31 公式 その仕事、誰かに任せなさい! 第14回
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部下の段取りを激変させる具体的な方法

実際にどのように段取りの書き出しを行うか、ケーススタディで考えていきましょう。
あなたが部下に対して、以下のような指示を出したとします。
あなたの部下は、段取りよく仕事の設計ができるでしょうか?

「今度社外の講師を呼んでセミナーをやるから、社内メンバーの出欠確認を取ってくれないか。日程は〇月〇日、会場は〇〇、講師は株式会社〇〇の〇〇さん、セミナーの対象者はうちの部門の社員全員ね(部門の社員は80名、部署は6チーム)。メールで出欠を取ってくれればいいから。セミナーの3日前までに出欠を教えて」

いかがでしょうか?
5W1H(いつ、誰が、誰にたいして、どこで、何を、どのように)を押さえた指示を出していますので、このまま仕事に取り掛かってしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし、それは段取りが悪い人のやることです。
段取りよく仕事をするためには、何を確認するべきでしょうか?

私なら、以下のような段取りを組みます。

1)ゴールを確認する
① セミナーで得たい効果
② セミナーの内容・この講師を選んだ理由
③ 参加者は必須? 自由?
④ 事前学習課題は?
⑤ 参加人数と参加意欲、どちらを重視?
⑥ 次回研修も考えている? 次回に向けて今回やっておくことは?
2)現状を確認する
① 前任者はいる? リストはある?
② 前回リストとの照らし合わせは必要?
③ 前回の集客・出欠確認方法は?
④ セミナー案内に使えるチラシはある?
⑤ 案内文やチラシは講師に依頼できる?
⑥ 今回の出欠担当に私が選ばれた理由は?
⑦ 次回出欠担当者への引継ぎも必要?
 →前任者ヒアリング実施も検討
3)リスト・案内文作成(既にある場合は日程などを修正)
4)出欠確認
① 部署ごとの出欠確認責任者を立てる
② 第1弾納期→未回答部署に催促
③ 第2弾納期→さらに未回答部署に催促
④ 確認が進まない部署には影響力のある人から催促
5)当日出席確認
6)結果報告
7)次担当者への引継ぎ

いかがでしょうか。

このように「よーい・どん」で書き出して、「自分だったらこのように進める」という段取りを「見える化」します。そして、それを「せーの」で見せ合います。
そのうえで、上司と部下それぞれで書き出した段取りを、どっちの進め方がいいと思うか、1つ1つ見ていきます。上司の書き出したものの方がいいときもあれば、部下の方が優れているケースも出てきます。また、部下の視点が自分の段取りに抜けていることもあります。その場合、「これはいい視点だね」ときちんと褒めて段取りに加えます。
このやり取りを繰り返すと、段取り力は飛躍的に上がっていきます。

ちなみに、私の書き出した段取りのポイントは、
① ゴール
② 優先順位
③ 時間コスト
です。

① ゴール
仕事のゴールが何かを把握しないと自分で考えられるようになりません。
② 優先順位
参加者の人数(量)なのか、参加姿勢(質)なのか、優先順位が異なると、セミナーのゴールを満たせません。
③ 時間コスト
案内チラシの作成やリストの作成など、イチから作ると時間コストがかかってしまいます。前任の担当者や研修講師が作った資料など、作成時間をかけずに仕事が進められるようになると、段取りは非常によくなります。

これらの要素は、デキるビジネスマンは当たり前にやっていることですが、部下はその段取りを組めないことがほとんどです。
したがって、段取りの書き出しによって見える化し、段取りを組めるように育成するのです。

段取りの書き出しを仕事習慣化させる

私自身、新卒でコンサルティング会社に入社したときは、自分で上手に段取りを組むことができていませんでした。ムダな作業、効率の悪い動き、連絡が遅くなってギリギリになり、人にやってもらえるはずの仕事も全部自分でやらなければならなくなるなど、多大なる失敗をしてきました。

そんな中、当時の私の最初の上司は、毎朝私に「今日やる仕事の段取り」の書き出しをさせていました。そして毎日、100行以上あった仕事の段取りリストをチェックし、効率の悪い段取りを修正して適正化していました。これを1年間毎日やったことで、私は仕事の前に段取りを組むことに抵抗がなくなり、むしろ仕事に取り掛かる前に段取りをしていないと気持ちが悪いようになりました。

そして1年後に部下ができ、部下に段取りの仕方を教えるために「よーい・どん法」を行ったところ、1年間の自分の成長を強く感じました。また、部下と一緒に書き出すことで、自分の段取りの悪いクセや、後輩の方が発想が豊かな部分も見つかり、部下の育成を通して私自身の段取り力も高まったと思います。

段取りは、書き出して見直す、この繰り返しで確実にうまくなります。
最初は書き出すことが億劫だったり、いちいち書き出していられないと思うかもしれませんが、これが生産性を上げる大変重要なポイントなのです。
もしも皆さんに、段取りを書き出す習慣がなかったとしたら、「よーい・どん法」は、部下と一緒に成長できる仕掛けです。

これを機に、部下と一緒に、段取り力を高める習慣「よーい・どん法」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

次回に続く

 

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プロフィール

高野俊一
高野俊一

組織開発コンサルタント。
1978年生まれ。日本最大規模のコンサルティング会社にて組織開発に13年関わり、
300名を超えるコンサルタントの中で最優秀者に贈られる「コンサルタント・オブ・ザ・イヤー」を獲得。
これまでに年200回、トータル2000社を超える企業の組織開発研修の企画・講師を経験。
指導してきたビジネスリーダーは累計2万人を超える。
2012年、組織開発専門のコンサルティング会社「株式会社チームD」を設立、現代表。
部下に仕事を任せ、1人ひとりが目標に燃える「最強のチーム作り」技術に定評がある。
2019年より、アルファポリスサイト上にてビジネス連載「その仕事、誰かに任せなさい」をスタート。
累計100万PVを記録する反響を呼び、このほど改題を経て出版化。

著書

その仕事、部下に任せなさい。

その仕事、部下に任せなさい。

通算100万PVオーバーを記録した、アルファポリス・ビジネスのビジネスWeb連載の書籍化。「部下に仕事を任せられないリーダー」をテーマに、いかに...
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