「家族」というチームのつくり方

「家族から尊敬される夫」がしている3つのコト

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②基準を設ける

もう一つ、父親の役割として大切なのは、「基準」です。
組織には基準が必要です。たとえば飲食店という小さな組織で、あいさつをどのくらいのレベルで行うかという基準は、その店の質を決めます。ものすごい歓迎感で大きな声で目を見ながら「いらっしゃいませ!」とあいさつするお店もあれば、形だけの声を出しているだけというお店もあります。
あいさつ以外にも、お店によって、調理の基準、接客の基準、管理の基準があり、この基準が低くなればなるほど、組織は弱くなってしまうのです。

家族で言えば、それこそ、朝起きたときにあいさつをするかいなか、食事にどの程度手間をかけるか、食べたあと片付けをするか、勉強を1日何時間やるのか、会話はどのくらいするのかなど、日々の暮らし方に関わるポイントがあります。
家族ごとにまったく異なりますし、他の家庭の様子を知る機会があまりないこともあり、その基準はかなり違っていると言えます。

家族のリーダーである父親としてはすべきことは、基準を示すことです。
どんな家族でありたいのか、どういう将来像を持っているか、といった方向性を示したうえで、毎日の暮らしをどの基準で過ごすかを示すのです。
そうして理想的な組織にしていく、そんな組織のリーダーとしての役割を父親が担うべきなのではないでしょうか。

③ニコニコする

リーダーとして機能しているかどうかを見るうえで、「ニコニコしているか」というのが、一つのリトマス試験紙の役割を果たします。
皆さんは毎日、ニコニコ過ごしていますか?
父親のやるべきことは、たくさんあります。ビジネスでしっかりと価値を発揮して稼ぐというのもとても重要なことですし、結果を出すことに向き合う毎日だと思います。そうやって、毎日緊張感を持って働いていると、うまくいかないときにイライラしたり、思い通りに行かずに怒りがわいてきたりしがちです。
そのイライラをそのまま奥さんや子どもに向けてしまうと、ものすごい非難を受けることでしょう。少なくとも我が家ではそうです。父親がイライラすることで、いいことは一つもありません。

自分自身がニコニコできていないとしたら、それはビジョンが示せていなかったり、ビジョンに向かうプロセスが設計できていなかったり、毎日の習慣の基準が低かったりしているはずです。つまり、リーダーとして機能しているかどうかは、自分がニコニコしているかどうかとほぼ同じことなのです。
逆に言えば、常にニコニコしていることを原則にしていれば、自分のリーダーとしての在り方を見直すことができます。

私の会社では、行動指針の中に「毎日上機嫌」というものがあります。「不機嫌は最大の害悪である」という言葉がありますが、不機嫌な姿勢を示すことは、組織のリーダーとして非常に問題があります。
家族の中でも、父親が毎日上機嫌であったとしたら、皆さんの家族のコミュニケーションはどうなると思いますか?

毎日心に余裕を持ち、未来を語り、プロセスを楽しむ。すると、いつもニコニコしている父親になる。毎日上機嫌。

私自身、ついつい、不機嫌が出てしまうことがあります。心を許している家族だからこそ、不機嫌を出してもいい、と気を緩めてしまいがちです。
ですが、不機嫌を出せば出すほど、関係は悪化し、理想の家庭から離れていってしまいます。父親の役割を腹に落とし、毎日役割を全うすると、むしろその方が、自分にとって居心地のよい、理想的な組織になっていくはずです。
役割意識を持って、家族というチームづくりをしていきましょう。

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プロフィール

高野俊一
高野俊一

組織開発コンサルタント。
1978年生まれ。日本最大規模のコンサルティング会社にて組織開発に13年関わり、300名を超えるコンサルタントの中で最優秀者に贈られる「コンサルタント・オブ・ザ・イヤー」を獲得。これまでに年200回、トータル2000社を超える企業の組織開発研修の企画・講師を経験。
指導してきたビジネスリーダーは累計2万人を超える。
2012年、組織開発専門のコンサルティング会社「株式会社チームD」を設立、現代表。
2020年よりYouTubeチャンネル『タカ社長のチームD大学』を開設。2023年6月現在、チャンネル登録者約3万5000人、総再生回数380万回。
2021年より、アルファポリスサイト上にてビジネス連載「上司1年目は“仕組み”を使え!」をスタート。改題・改稿を経て、このたび出版化。
著書に『その仕事、部下に任せなさい。』(アルファポリス)がある。

著書

チームづくりの教科書

高野俊一 /
成績が振るわない。メンバーが互いに無関心で、いっさい協力し合わない。仕事を...

その仕事、部下に任せなさい。

高野俊一 /
通算100万PVオーバーを記録した、アルファポリス・ビジネスのビジネスWeb連載の...
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