毎日顔を合わせていれば、気の合う奥さんだとしても、だんだんと話す話題がなくなってくるものです。また、機嫌を悪くした奥さんから、「どうしてうちの夫はこうなの?」と不満をぶつけられたりすることもあるでしょう。
夫としては、「奥さんにはいつも上機嫌で、ニコニコしていてもらいたい」と願わずにはいられないものですが、現実にはなかなかそうはいきません。
それでは、どうしたら奥さんの機嫌を損ねずに済むのでしょうか。また、どうすれば奥さんとのコミュニケーションがうまくいって、夫婦円満な家庭生活が送れるようになるのでしょうか。
夫として何ができるか、という視点で考えてみましょう。
ここで重要になるのが、じつは雑談です。
前回の記事では子どもとの雑談を扱いましたが、子ども相手であっても雑談するのは意外と難しく、ちょっとしたテクニックが必要であるという話をしました。
今回は、子ども以上に一筋縄ではいかない、奥さんとの雑談力がテーマになります。
家庭では、日々いろいろな問題が起きるものです。そうした問題を解決するためには夫婦で協力する必要があるのですが、その際、夫婦で話し合える関係性ができているかどうか、つまり雑談が日常的にできているか、が重要になってきます。
夫婦間で「話を聞いてくれる」「話をしてくれる」という間柄になっていると、問題解決のための話し合いは「理解し合っていること」を前提に進むので、協力するのがスムーズになります。
逆に、日ごろの会話が乏しく、必要最低限の言葉しか交わさない関係性になっていると、ドラブルが起きた際に「どちらが正しいか」という議論になりがちです。よくあるのは、感情論とロジック論で双方まったくかみ合わない状況で、一方が感情的に訴え、もう一方が論理的に言い返すというもの。こうなってしまうと、問題解決をする以前に、互いに相手の無理解にイライラがつのるばかりになってしまいます。
夫婦円満な家庭生活のすべては、雑談にかかっていると言っても過言ではないのです。
皆さんの奥さんの雑談力は高いですか? 低いですか? 一般的には、女性のほうが雑談力が高いものです。その一方で、男性は苦手なことが多いため、日常に雑談を取り入れるには工夫が必要になる場合もあります。
たとえば、我が家では、私自身にいくつかルールを課しています。
1つは、必ず毎日一回は、奥さんと顔を合わせて雑談するというもの。どんなに仕事で帰りが遅くなっても、工夫して雑談する時間を設けるようにしています。
また、仕事柄地方への出張が多いのですが、基本的に宿泊をしないというルールも課しています。大阪出張の翌日が姫路出張というスケジュールが組まれていても、終電までにいったん東京の自宅に帰ります。そして次の日の早朝、新幹線に乗って向かうのです。
なお、これは私が再婚するときに決めたルールです。少しでも宿泊をOKにすると、一週間家に帰らないことがざらになってしまう、というこれまでの失敗を経て、自分に課すことにしたのです。
こうした、かなり厳しいルールを自分に課しているものの、大変ということはなく、むしろ奥さんとの雑談が、毎日の仕事にパワーをもらう糧となっています。私にとっては、雑談が、欠かせない重要なものになっているのです。
雑談力に着目すると、夫婦での会話がとても楽しくなり、さらには人生を彩りよく、豊かなものにしてくれます。雑談は、奥さんとの関係性を深めてくれ、良好な家庭関係を構築してくれるだけでなく、自分自身の人生を豊かにしてくれるのです。
では、改めて問いますが、どうすれば奥さんと自然と雑談できるようになり、奥さんがいつも機嫌よくいてくれるようになるのでしょうか。
雑談をするのがあまり得意ではない私のような男性向けに、5つの技術をお伝えします。今回は2つ解説します。