――昨年のペナントレース終盤での「絶対大丈夫」のミーティングでは、1993年日本シリーズ第7戦、野村克也元監督の「ここまで来たら、勝負は時の運だ」という言葉を紹介していました。現在は「勝負は時の運だ」の前段階にあるというイメージでしょうか?
髙津 戦いに勝利するためには、しっかりと準備をして最高の精神状態と、最高の肉体をもってグラウンドに立つ。その後であれば勝敗は時の運だと思っています。でも今はまだ、しっかりとそこまでの準備をしたか、努力をしたか、勉強をしたかを突き詰めている状態。だから、「勝負は時の運だ」というのは、現段階でないですね。

――野村さんがこの言葉を口にしたのも、日本シリーズ第7戦、最後の最後でしたからね。
髙津 僕自身、「やるだけやったら、もうあとはなるようにしかならない」と思っているけど、現時点ではまだ今日の試合に勝つか負けるか、それすらわかりません。だから今は「ただ勝つための努力と準備をする」、それだけです。
――今年の開幕前、監督は「謙虚でいることを肝に銘じたい」と語っていました。その気持ちは、ペナントレースが始まって現在にいたるまで変化はありませんか?
髙津 自分自身、常に言い聞かせるようにはしています。特にコーチ陣や選手たちに、「常に謙虚であれ」と言葉にしたことはほとんどないですけど、僕自身に関して言えば、「勝って兜の緒を締めよ」じゃないけど、常に「どうして勝ったのか」「なぜ負けたのか?」ということを真剣に考えるためにも、謙虚でいたいとは思っています。
――勝って天狗になることも、負けて卑屈になることもない?
髙津 もちろん、ずっと勝ち続けていれば鼻が伸びっぱなしになるかもしれないし、ずっと負け続けていればずっと下を向くことになるかもしれない。でも、その中でも常にコツコツと僕なりに努力することは大切だと思っています。どんなときでもこれまでやってきたように勉強し、努力し続ける。常に謙虚に「今の自分は何をすべきか? 何ができるのか?」ということは問い続けていくつもりです。
――その思いは、実際に開幕以来、ずっと変わらぬスタンスですか?
髙津 変わらないですね。もちろん、やっぱり勝っているときは気持ちいいですよ。もちろん気分はいいけれども、そこでもやっぱり「どうして勝てたのか?」という復習や、それまでやってきたことの継続は続けなければいけない。小さなことをおろそかにしないで、「謙虚、謙虚、謙虚」という思いで1年間を過ごしています。