――以前、この連載でも話していましたが、監督就任1年目の2020年シーズン後半は「何をやっても歯車が噛み合わない」時期がありました。一方で、就任2年目後半は「こちらの想像以上の勢いが生まれた」とも言っていました。両極端な時期を経験して、改めて「運のつかみ方」「流れの引き寄せ方」のヒントのようなものは見えてきましたか?
髙津 いやいや、いまだにわからないことばかりですよ(苦笑)。これだけ多くの人間が集まって、「チーム」という組織を構成しているわけですから、それぞれのコンディションの状態もあれば、考え方の違いもあります。その中で運や流れを引き寄せる方法は、まだまだ見つかりません。

――だからこそ、野球は奥深いし、魅力的なものだとも言えますね。
髙津 本当に面白いです。探求すれば、追究すればするほど、よくわからなくなっていくのも事実です。現在は「監督とコーチ」「監督と選手」という立場でみんなと接していますけど、僕の本音としては、コーチたちとも選手みんなとも、「人間と人間」として接したいし、そういうつき合いをしたいと思っています。だからできるだけコミュニケーションを取るようにしています。実際には、若い選手はいきなり監督である僕には話しかけづらいだろうけど、それでもできるだけこちらから話しかけるようにしています。
――「人間と人間」によるコミュニケーションによって、さらに血の通った組織を目指す。いろいろ難しいかもしれないけれど、それこそ髙津監督の目指す人心掌握術なんですね。
髙津 本当に難しいことだけれど、「監督と選手」としてはもちろん、「人間と人間」としてのつき合いは、僕がずっと目指しているところではあります。
――改めて、ペナント最終盤の現在の心境、ファンへのメッセージをお願いいたします。
髙津 マジック再々点灯や2位とのゲーム差なども、日々刻々と状況は変わるけれども、スワローズはブレずに戦っていく。目の前の一戦、一戦を全力で戦っていく。それはまったく変わりません。去年の経験を今年に生かす。昨日の経験を今日に生かす。そんな思いで、残り試合を戦っていきます。どうぞ、さらに熱い「応燕」をお願いします!